仏ケリング、美容品事業をロレアルに46.6億ドルで売却へ

 イタリアの高級ブランド「グッチ」を傘下に持つフランスのケリングは19日、美容品事業をフランス化粧品大手ロレアルに40億ユーロ(46億6000万ドル)で売却することで合意したと発表した。写真は4月、ロレアルの本社で撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq/)

[パリ 19日 ロイター] – イタリアの高級ブランド「グッチ」を傘下に持つフランスのケリング(PRTP.PA), opens new tabは19日、美容品事業をフランス化粧品大手ロレアル(OREP.PA), opens new tabに40億ユーロ(46億6000万ドル)で売却することで合意したと発表した。ケリングはルカ・デメオ新最高経営責任者(CEO)の指揮下で多額債務の削減を図るとともに、中核のファッション事業へ改めて重点を絞り込む戦略を進めている。この合意の下、ロレアルはケリングの香水ブランド「クリード」のほか、ケリング傘下のファッションブランド、グッチ、「ボッテガ・ヴェネタ」、「バレンシアガ」の香水・化粧品を開発する50年間の独占ライセンスを取得する。グッチの香水のライセンスは現在、米香水・化粧品会社コティ(COTY.N), opens new tab
が保有しており、新契約はその契約満了後に発効し、アナリストはその時期を2028年と予測している。

今回の売却はケリングの純債務の削減に向けた重要な一歩となる。同社の純債務は6月末時点で95億ユーロに上り、これが投資家の懸念材料となっている60億ユーロの長期リース債務に上乗せされている。

ケリングは最大ブランドであるグッチの成長鈍化の動きを反転させるのに苦労している。グッチは主要市場である中国の需要減速による打撃を強く受けた。

デメオ氏は就任から2カ月に満たない時期に、同社グループの支配権を持つピノー家のフランソワ・アンリ・ピノー前CEOが近年行った最大の戦略転換の1つを覆している。

ケリングは、利益の大半を占めるグッチへの依存度を減らして事業の多角化を図るために2023年に香水メーカー、クリードを35億ユーロで買収して美容品事業を立ち上げた。しかし、事業拡大に苦戦し、上半期は6000万ユーロの営業損失を計上した。

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