無印コスメは天然由来成分への信頼感と値ごろな価格で幅広い世代の支持を集める

「無印良品」の良品計画は、2025年8月期のヘルス&ビューティー部門(スキンケア、メイクアップ、衛生用品、フレグランスなど)の国内売上高が1000億円を超えたと発表した。「発酵導入美容液」などのヒット商品がけん引した。コロナ後の無印の化粧品の成長は著しく、3年間でほぼ2倍になった。国内化粧品企業の売上高ランキングでは専業メーカーの中に割って入り、7位につける。国内外での出店拡大、アジアでのスキンケアの取り扱いを進める中、市場での存在感が増す。

良品計画の25年8月期の国内事業の売上高(営業収益)は、前期比20.9%増の4701億円だった。売り上げ構成で見ると、今やヘルス&ビューティー部門は22%を占める柱だ。2年前に比べてシェアは5ポイント高まった。「発酵導入美容液」「敏感肌用シリーズ」「エイジングケアシリーズ」などがよく売れた。天然由来成分への信頼感と値ごろな価格で幅広い世代に支持される。

「無印良品」の店舗は、8月末時点で国内に683店舗、海外に729店舗ある。日本企画のスキンケア商品は今年から海外販売が始まったばかり。8月末時点で中国、韓国、ベトナム、マレーシアなど9カ国・地域で販売する。今後、海外でスキンケア商品が認められれば加速度的な成長も見込まれる。

国内化粧品企業の売上高ランキング(各社の最新決算、花王とロート製薬は化粧品関連を抜粋)は、1位資生堂(9905億円)、2位花王(6275億円)、3位コーセー(3227億円)、4位ロート製薬(1904億円)、5位ポーラオルビスホールディングス(1703億円)、6位ファイントゥデイホールディングス(1073億円)と続く。「無印良品」のヘルス&ビューティー部門の売上高である1000億円超を当てはめると7位に入る。

同社は28年8月期に売上高1兆円(25年8月期実績は7846億円)を計画する。新規出店を積極的に進め、毎年、国内45店舗、海外70店舗を純増させていく方針だ。消耗品である化粧品は、消費者に「無印良品」の店舗に定期的に足を運ばせ、衣料・雑貨、生活雑貨、食品などの「ついで買い」を促す。店舗全体への波及効果の意味でも、ヘルス&ビューティー部門は戦略的な強化カテゴリーに位置づけられている。

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