編み物で“即トレンド化”|宮脇咲良(LE SSERAFIM)が韓国で巻き起こしたファッション旋風(西嶋広美) - エキスパート - Yahoo!ニュース - Moe Zine

韓国の音楽シーンを追いかけていると、「流行」が思いがけないところから生まれる瞬間があります。近年、その象徴となったのが、K-POPガールズグループLE SSERAFIM・SAKURA(宮脇咲良/元IZ*ONE、元HKT48)さんの「編み物」です。アイドルが手ずから編んだニット帽や小物が仲間にプレゼントされ、SNSに投稿されたことをきっかけに一気に注目を集めました。

■TWICEやIUに贈られた編み物

SAKURAさんが手がけた編み物は、TWICEのメンバーやIU(歌手・俳優)さんといった韓国のトップスターたちに贈られました。彼女たちがそれを受け取ったことが伝えられると、ファンの間で大きな話題に。さらにSAKURAさん自身やメンバーが公の場で着用したことで、手編み=おしゃれで温かみのあるアイテムとして、K-POP界隈に急速に広まったのです。

「アイドルが身につけると一夜でトレンドになる」とはよく聞きますが、編み物という素朴な趣味が、こうして最新ファッションの一部として受け止められたのは新鮮です。

■SNS時代のトレンド拡散編み物で“即トレンド化”|宮脇咲良(LE SSERAFIM)が韓国で巻き起こしたファッション旋風(フリー素材)編み物で“即トレンド化”|宮脇咲良(LE SSERAFIM)が韓国で巻き起こしたファッション旋風(フリー素材)

今回の動きを見ていると、SNSが持つ拡散力の大きさを改めて感じます。誰かが写真を投稿し、それをファンがシェアし、やがてメディアが取り上げる――この連鎖によって、個人的な趣味がカルチャーとして拡散します。とくにK-POPのように世界中にファンがいる分野では、そのスピードが驚くほど速い印象です。

SAKURAさんがSNSに編み物を投稿し始めたのは2023年末ごろとされ、私(筆者)も自然と彼女の作品を目にするようになりました。

私自身、小学生の頃に「手編み」がちょっとしたブームになった経験があります。毛糸でマフラーや小物を夢中で編んだことを覚えています。当時はあくまで遊びや自己満足の範囲でしたし、なぜブームだったのかは忘れてしまいましたが、SAKURAさんのケースではそれが“世界的な拡散力”を持つのですから、隔世の感があります。

■編み物ブランド「KKUROCHET」の展開

SAKURAさんはプロ級の腕前も相まって、2025年1月、編み物グッズを扱うブランド「KKUROCHET」を立ち上げることを発表しました。ストラップ、キーリング、ポーチといったアイテムを含むコレクションがラインアップされており、彼女が企画・制作に携わっていると報じられています。SAKURAさんの「趣味」だった編み物が、ひとつのブランドビジネスとして発展し始めたのです。

■日本への波及編み物で“即トレンド化”|宮脇咲良(LE SSERAFIM)が韓国で巻き起こしたファッション旋風(フリー素材)編み物で“即トレンド化”|宮脇咲良(LE SSERAFIM)が韓国で巻き起こしたファッション旋風(フリー素材)

SAKURAさんの編み物は、やがて日本にも波及しました。ファッション記事やSNSでも「編み物ブームの火付け役」といったワードが登場し、若い世代の間で「自分も編んでみたい」という声が増えました。最近ではYouTubeやTikTokで、韓国風のカラーやデザインを参考にした編み物動画も人気を集めています。また、編み物に没頭することは、デジタルデトックスにもつながるとの意見もあり、スマホ依存軽減やストレス解消のために始める人も多いようです。

編み物は韓国でも小説の題材になるなど、昔から親しまれているものです。一見、古典的で地味な趣味に思えるかもしれませんが、SAKURAさんが示したように、心のこもったハンドメイドがSNSと結びついたとき、それは新しいカルチャーを生む力を持ちます。韓国で芽生えたこのトレンドが、日本でも少しずつ広がっていく様子から、K-POPとファッションが交わる面白さを実感します。

“韓国歴” 30年以上のライター兼翻訳者です。
長年の翻訳・取材経験などを生かし、さまざまな視点から韓国の記事を執筆中!
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