パリ・ファッションウィーク、新世代デザイナーの台頭と伝説的デザイナーへのオマージュで幕開け - FashionNetwork 日本 - Moe Zine

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AFP

掲載日

2025年9月29日

サンローランとヴァンサントによるショーが、9月初めに亡くなったジョルジオ・アルマーニをミラノで盛大に称えたイベントに続き、月曜日、熱い注目を集めるパリ・ファッションウィークの幕開けを飾りました。

シャネルのショーがパリ・ファッションウィークで最注目に。シャネルのショーがパリ・ファッションウィークで最注目に。 – © Alain Jocard, AFP

ミラノ・ファッションウィークが終わり、注目はパリへと移りました。2026年春夏シーズンは、世界のラグジュアリー・ファッション業界のトップランクの勢力図に変化をもたらす節目となりそうです。

VIPやファッション関係者たちは、このウィークで最も垂涎のチケット—フランコ=ベルギー人デザイナーマチュー・ブレイジーのシャネルでのデビュー(会期の最終日前日にあたる10月6日予定)—をめぐってしのぎを削っています。

月曜日は、フランスのヴァンサントと、ベルギー人の新人デザイナー、ジュリー・ケーゲルスのショーで始まりました。彼女のショーには、スペイン人歌手のロザリアがフロントロウに姿を見せています。サンローランは、この後トロカデロ広場で予定される大規模なプレゼンテーションで、さらなるセレブリティを惹きつけると見込まれています。

ケイト・ブランシェット、グレン・クローズ、リチャード・ギアといったAリストのセレブリティが、日曜日の夕方にミラノで行われたジョルジオ・アルマーニのショーに出席しました。これは、同氏が9月4日、91歳で死去する前に手がけた最後のコレクションでした。

もともとはアルマーニのメゾン創立50周年を祝うためのものでしたが、ミラノでのショーは故人へのトリビュートへと姿を変えました。

パリでは、新世代のデザイナーが大手レーベルの舵を取ることに注目が集まっており、この業界の仕切り直しが低迷する売り上げの回復につながるとの期待がかかっています。

約10のメゾンが新しいクリエイティブ・ディレクターを任命し、今シーズンがそのお披露目となります。

「ファッションウィークそのものというより、これからの10年でファッションがどうあるべきかについて、新たな章が開かれようとしています」と、フランス版『ヴァニティ・フェア』のファッション編集長、ピエール・グロッポ氏はAFPに語っています。

ブレイジーは、ケリング傘下のイタリアブランド、ボッテガ・ヴェネタからシャネルの舵取り役に抜擢されました。彼はいま、2019年に亡くなるまでブランドのイメージを形作ったカール・ラガーフェルドのレガシーを乗り越えるという、途方もない課題に直面しています。ラガーフェルドの後任には、継続路線の人選と見なされ、堅実な手腕で知られるヴィルジニー・ヴィアールが就任しました。

メゾン・マルジェラで頭角を現したブレイジーは、12月にファッション界で最も羨望される役職のひとつに就いて以来、自身の計画については沈黙を守っています。

新しい時代

もうひとつの大きな見どころは、LVMH傘下のディオールでのジョナサン・アンダーソンによる初のウィメンズコレクション。6月のメンズ初披露が高い評価を得た流れを受け、10月1日に発表される予定です。

また、最近グッチへと移った、ストリート色の強い美学で知られるデムナの後任として、ピエールパオロ・ピッチョーリが手がけるバレンシアガでの初コレクションにも注目が集まります。単名で知られるジョージア出身のこの挑発的なデザイナーは、ミラノ・ファッションウィークでのグッチ初陣で、レッドカーペット向けのグラマーに舵を切りました。

このグッチのコレクションは、ロンドンのハロッズでファッションバイイング責任者を務めるサイモン・ロングランド氏からも称賛を集めました。同氏はまた、英国人デザイナーのルイーズ・トロッターによるボッテガ・ヴェネタでのデビューを「間違いなく今週のハイライト」と評しています。

オランダ人デザイナーのデュラン・ランティンクは、ジャン・ポール・ゴルチエのためのパリでのデビューで、同様の話題性を狙います。

この週には、ロエベではジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデス、ミュグレーではミゲル・カストロ・フレイタス、カルヴェンではマーク・トーマスが、それぞれ初コレクションを披露します。

ベスト・オブ・ザ・レスト

デビューコレクションよりも本領が見えやすいとされるセカンドコレクションを発表する大物デザイナーもいます。

その顔ぶれには、ジバンシィのサラ・バートン、メゾン・マルジェラのグレン・マーテンス、トム・フォードのハイダー・アッカーマンが含まれます。

一方、ルイ・ヴィトンやエルメスのコレクションは、久々に姿を見せるセリーヌやトム・ブラウンといったレーベルの“復帰作”とともに脚光を分け合いそうです。

ヴィクトリア・ベッカムも10月3日に最新コレクションを発表予定で、ポップスターからファッションデザイナーへと歩んだ軌跡を追う全3部構成のNetflixドキュメンタリーの公開を直前に控えています。

今回のパリ・ファッションウィークは、中国での需要の軟化、欧州のファッション輸出に対する米国の関税再導入、そして全体的な経済の不確実性など、世界的な業界の逆風のただ中で開催されます。

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