掲載日
2025年9月26日
サンネイで二つのサプライズ。まずはショーのようでいてショーではない催し。続いて2時間後、思いがけない発表があった。金曜日の夕方に届いたプレスリリースで、ロリス・メッシーナとシモーネ・リッツォは、自身たちのメンズ/ウィメンズのプレタポルテ・ブランドから離れると発表した。「10年を経て、私たちは形を変える緊急の必要性を感じていますが、方向性を変えるわけではありません。これまで以上に自由に、急進的に、そして実験精神をもって、創造の領域で仕事を続けていきます」と、簡潔な文面で述べている。
シモーネ・リッツォの肩に乗るロリス・メッシーナ – ph DM
その数時間前、サンネイを率いる二人は、ゲストで満員の会場を前に、一切のルックを見せないという大胆な試みに踏み切った。伝統的なランウェイの代わりに、ファッションウィークのさなかにクリスティーズの協力を得て、創造性の商品化をほとんど隠そうとしない形で批判する、現実さながらのオークションを演出したのだ。
観客が劇場のような空間に着席すると、ステージ中央の古い木製の演台には大きな金色の文字で「Christie’s」と記されている。ここで、これはショーではなく「緊急の行為」であるというアナウンスが入る。続いて係員が、出品されるロット、その説明、推定価格を掲載したカタログのようなものを観客に配布する。
最初の驚きは、提示されたロットが巨大な木箱2点のみだったことだ。最初のロットは「クリエイティビティと大胆な美学が宿るメイド・イン・イタリーの証し」と説明され、2番目のロットについては「ペアでの販売」と明記されている。「この作品は、デジタルと物理的現実のあいだの絶え間ない対話を特徴とし、ファッション、デザイン、美的探求の境界を曖昧にする多分野横断的なプロジェクトへと広がる」。
このタイミングで、モデルたちが入場し、左右それぞれに設けられた巨大な手すりの後ろに陣取り、耳に電話を当てた買い手を演じる。競売人が演台に立ち、競売を開始。最初の木箱の中身は、2014年に設立され、グラフィカルなデザインによるカラフルでリラックスしたスタイルで知られるブランド、サンネイだ。入札は瞬く間にヒートアップし、開始価格の600万ファッション・ドルは、ついに1億1200万に到達!
2つ目の木箱は、白手袋をはめた引っ越し業者たちが電動ドライバーを手に注意深くステージへ運び込んだ。蓋が外されると、シモーネの肩にロリスが乗った二人のデザイナーが姿を現す。開始価格は17ファッション・ドル……このロットは大きな拍手の中、9500万で落札された。オークションが終わると、モデルたちは舞台裏へと姿を消した。
サンネイが演出したオークション – ph DM
自らのブランドに別れを告げるに際し、ここまで徹底したシナリオを考えつくのは、ロリス・メッシーナとシモーネ・リッツォならではだ。マーケティングとストーリーテリングが製品を凌駕し、商業主義が支配する今だからこそ、彼らのデモンストレーションは鋭く響く。彼らの意図を記した声明が示すとおり、「Fashion is finance, creativity is for sale」(「ファッションは金融、創造性は商品だ」)。
「かつてないほど、現代の産業は不可視だが強力なダイナミクスに駆動されています。このパフォーマンスは直接的な批判ではなく、このメカニズムを誇張した演劇的な比喩です。サンネイのオークションは、破壊的なアートアクションであると同時にコンセプチュアルな声明でもあり、象徴が具体を挑発し、欲望そのものが問い直される、矛盾をはらむ視覚的なシステムの演出なのです」と、彼らは述べている。
クリエイターが最高額入札者に自らを売るというイメージは、現在の文脈においてきわめて示唆に富み、的を射ている。世界市場で大手ラグジュアリー・グループがますます貪欲かつ遍在的に映る一方で、若いデザイナーや小規模な独立系レーベルは、生き残りがいっそう難しくなっているのだから。
サンネイがファッション界に問いを投げかけたのは、今回が初めてではない。2年前、同レーベルは観客にショーの採点を委ねた。実際、年を追うごとに彼らのショーはカルト的な存在となり、没入型の体験やアート・パフォーマンスを行き来しながら、目の肥えた観客を毎回惹きつけてきた。2人のクリエイターは、ピレリの高層ビルの屋上や、この日のために白く塗り直されたミラノの環状道路の高架下、さらには水を抜いたプールの底で、ショーを初めて敢行した存在でもある。時にはモデルたちを全力疾走させ、観客のど真ん中へ放り込み、宙を舞うかのような演出も敢行。最近では、100%シニアのキャスティングでサンネイの10周年を祝った。