日本人とニューヨーカーのファッションの違いは何か。ストリートブランド「Supreme」(シュプリーム)テクニカルデザイナーのあっちさんは「日本人はコスパからユニクロに頼りがちだが、ニューヨーカーはコスパ以上に自分らしいコーディネートに誇りを持っている」という――。
※本稿は、あっち『ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
写真=iStock.com/Robert Way
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Supremeが世界的ブランドに成長した理由
「Supremeって、米国のブランドなの?」
これは、友人たちからしばしば聞かれる質問です。日本ではSupremeの人気が高く、まるで国内発のブランドのように思われているのかもしれませんね。
たしかに、コムデギャルソンやジュンヤワタナベなどとのコラボレーションは日本でも人気が高く、ボックスロゴのフーディー(フード付きのスウェットシャツ)はリリースされれば即完売。「裏原系」と呼ばれるカルチャーを経て、いまやSupremeはストリートの枠を超えて支持される世界的なブランドです。
ブランド戦略もさることながら、実際に働いていて思うのは、Supremeの魅力はより内面的な――「リアル」を追求し続ける姿勢にもあるように思えます。
プロのモデルやデザイナーばかりではない
Supremeは、創業者のジェームス・ジェビアが営むニューヨークの小さなセレクトショップから始まりました。グッチのベルトやポロのシャツ……いわゆるハイブランドとストリートアイテムを「自分らしく」着こなすスケーターたちのスタイルを、ファッションブランドとして昇華させたのが、Supremeの始まりです。
今もなお、その精神は変わりません。モデルに起用されるのはいわゆる「プロ」のモデルではなく、現場のショップスタッフやスケーターたち。デザインチームも、ファッション業界出身者である必要はありません。
大切なのは、Supremeというブランドの世界観を理解し、共感できるかどうかです。
とはいえ、その世界観を体現させるテクニカルデザイナーは、ファッションへの深い理解と体系的な知識、そして高い実務能力が求められます。