掲載日

2025年9月19日

英国の公的統計機関は金曜日、8月の小売売上高を発表した。全体として増加し、なかでも衣料品が最も堅調なカテゴリーのひとつとなった。

Photo: Pixabay

2025年8月の小売販売量は、前回速報の0.6%増から下方修正された7月の0.5%増に続き、0.5%増となったと推定される。8月は衣料品店、精肉店・ベーカリー、無店舗小売が伸長し、一部の小売業者は好天の追い風を指摘した。繊維・衣料・靴の小売は月間で1.3%増を記録した。

しかし、2025年8月までの3カ月の販売量は、2025年5月までの3カ月と比べて0.1%減少したと推定される。無店舗小売と衣料品店の増加(前者は2.9%増、後者は2.2%増)が他セクターの落ち込みを一部相殺したものの、全体ではマイナスだった。

8月は3カ月連続で前月比プラスとなったが、販売量は直近のピークである2025年3月の水準には戻らず、パンデミック前最後の月(2020年2月)の水準もなお下回っている。

オンラインでの支出額は、2025年8月までの3カ月間を2025年5月までの3カ月間と比較すると2%増、前年同月比では3.4%増となった。

これらに加え、Shopifyも金曜日に興味深い統計を公表した。同社のEMEA担当マネージングディレクター、Deann Evans氏によると、同社データでは新学期(バック・トゥ・スクール)向けの買い物が「引き続き主要な牽引役で、制服の売上は7月比で55.2%増加した」という。

さらに同データでは「消費者はすでにホリデーシーズンを見据えており、8月のアドベントカレンダーの売上は36.3%増、リースは32.7%増、花火や爆竹は15.4%増だった。これは、家計がホリデーの支出を前倒しで分散し、直前の駆け込みを避けていることの早期兆候かもしれない」とも示している。

アナリストの見方は総じて明るい一方で、慎重さも残る。デロイトの小売部門責任者、オリバー・ヴァーノン=ハーコート氏は次のように述べた。「8月の小売売上は、消費者が夏の最後の月を楽しむなか、引き続き暖かな天候に支えられました。心強いことに、衣料品を含む裁量支出も増加しています。夏の数カ月は小売にとって好調でしたが、今は小売業にとって一年で最も重要な数カ月である“ゴールデン・クォーター”に注目が集まっています。9月に季節が移ろうことで、消費者は冬のワードローブを整えるための購買に向かうはずですが、多くの企業は、雨で買い物客がハイ・ストリートから足が遠のかないことを願っているでしょう」。

一方、PwCの小売部門責任者であるジャクリーン・ウィンザー氏は、こう述べている。「総じて、8月は予想以上の夏の締めくくりとなり、特に非食品小売では、記録的な暑さに後押しされて季節商品の売上が伸びました。しかし、販売量全体は依然としてパンデミック前の水準を下回っており、ハイ・ストリートが危機を脱したとは言えません。昨年は生活費高騰の危機から一時的に緩和が見られたものの、いまや消費者の5人に4人以上がインフレを懸念していると答えています」。

こうした懸念は看過できない。金曜日に公表されたGfKの長年実施している月次調査によると、9月の消費者信頼感は2ポイント低下の-19となった。

すべての指標が前回発表から低下した。

GfKのコンシューマー・インサイト・ディレクター、ニール・ベラミー氏は次のように述べた。「今月は空気に秋の気配が漂い、消費者信頼感の5つの指標がすべて低下し、9月の総合指数も下落しました。8月7日の利下げは、消費者の家計に対する心理を明確に押し上げたり、日々のコスト問題から注意をそらしたりする効果は見られません。個人の家計状況に関する2つの指標(過去と先行き)はいずれも低下し、主要購買に関する指標は3ポイント低下して-16となりました。

「さらに顕著なのは、貯蓄意向が8ポイント低下したことです。経済全体を見渡すと、センチメントは急速に悪化しています。2024年6月に-11だった将来の経済見通しに関する指標は、わずか15カ月後には-32まで落ち込みました。過去1年の経済に対する評価も弱く、先月から3ポイント低下して-45。11月の予算で増税が見込まれるなか、信頼感が秋の落葉のように低下していくリスクがあります」。

Write A Comment