Kis-My-Ft2の千賀健永が、9月18日に東京ミッドタウン アトリウムにて行われた、アッヴィ合同会社アラガン・エステティックスの体験型ポップアップイベント『お肌見Salon』発表会に登壇した。千賀は“美容男子”として知られ、自身のYouTubeチャンネルでは美容に関する知識や日々のルーティーンなどを紹介している。
【画像】Kis-My-Ft2 千賀健永『お肌見Salon』発表会 撮り下ろし写真一覧
リアルサウンドでは、発表会終了後の千賀に“美容”をテーマにインタビュー。“美容”との向き合い方に関する話題を通じて、千賀の物事の考え方や思想、大切にしているものが浮かび上がってくる内容になった。
■Kis-My-Ft2 千賀健永 インタビュー
――美容に特化したYouTube活動を始めてから半年ほど経ちました。手応えとしてはいかがですか?
千賀健永(以下、千賀):自分の趣味みたいなものを形にしてる場なので、あまり手応えを感じるような感覚で運営はしていないんですよね。でも、周りの方から感想をいただいたりするときに初めて「たくさんの人が僕のYouTubeを見てくれているんだな」と嬉しく思う瞬間はあります。
――どのような反応が多いのでしょうか?
千賀:やっぱり「こういう知識を知れてよかった」とか「これを参考にスキンケアや施術を選びます」みたいな声が多いですね。こういう風に、なにか一個その人のなかの知識になって、美容を選択するときのひとつの手段になっているっていうことが、すごく嬉しいポイントかなと思います。
――美容の悩みに答えるような企画も行っていますが、みなさんの悩みと向き合ったり、反応をいただくなかでご自身の“気づき”になった部分はありますか?
千賀:質問のなかには「私はどうすればいいですか」とか「どんなスキンケアを選べばいいですか」といった内容が多いんですけど、僕はそんな質問に対して、まず解像度を上げて欲しいなって。
――解像度、ですか。
千賀:それって要は抽象的だから選べないわけですよ。だから「自分の肌をどう改善したいのか」「どういう自分になりたいか」みたいなものの解像度を上げていくと、おのずと自分がした方がいい美容医療やスキンケア、必要な成分みたいなものが見えてくる。そのなかで、僕がおすすめする施術や商品を参考にしていただいたりすると、より皆さんの具体的な知識になっていって、美容をすることによる幸福度が上がっていくと思うんです。
――その“解像度を上げる”という考え方は、美容以外にも当てはまりそうですよね。千賀さんは、なにか物事に向き合うときに同様の考え方をされますか?
千賀:そうですね。もちろん僕だって、常に理論的に考えている人間ではないんですけど、なにか問題が起きたとき、その原因を追求する際には解像度を上げるようにしています。そうしないと、「なんで自分がこの問題に向き合っているのか」ということすら抽象的になってしまうので。だいたいのことって「まあいっか」で終わってしまうことが多いじゃないですか。でもそうすると問題は繰り返されてしまうので、自分のなかで“解像度”という概念は常にありますね。
――なにか悩みや問題に向き合うとき、まずは自分のなかで解像度を上げてから手段を探すべきということですね。
千賀:そうです。でも、もちろん人にアドバイスをもらってもいいんですよ。人に聞きながら自分の答えが見つかることもあると思うので。ただアドバイスをくれた友達に対して、感謝をすることがすごく大事だなと思います。自分のことでいっぱいいっぱいになると、答えに導いてくれたその友達に対して、感謝を忘れてしまうことがありますからね。
――友達という話もありましたが、Kis-My-Ft2のメンバーから美容に対して相談を受けることはあったりするんですか?
千賀:あんまりないですね。でもタマ(玉森裕太)とはたまに美容の話をすることがありますね。あと横尾(渉)さんとかは、「(YouTube企画で)ロケに行きたいんだけど連れてってよ」みたいなことを言ってくれたりはしますけど、具体的な話をすることはあまりないですね。みんな僕の人となりを分かっているので、「変に聞けない」みたいなのはあるかもしれないです(笑)。
――千賀さんには、“アート”という美容とは別の大きな柱がありますが、どちらも“自分と向き合う時間”という共通点があるように思います。千賀さんにとって、美容やアートと対峙する時間はどのようなものになっていますか?
千賀:“自分を大切にできる時間”ですね。アートも誰かとコミュニケーションを取ることなく、キャンバスに対してアウトプットをするものなので、なんかすごく自分を大切にできる時間だなと思っていて。やっぱり現代って自分を大切にできていない人もたくさんいるなかで、僕だって生きていて「自分を大事にできていないな」って思う瞬間もたくさんある。でも、スキンケアとかで毎日自分のお肌をいたわったりするときに、自分を大切にすることを実感したりとか。そして美容とアートのどちらにも共通することは、“美に対する追求”みたいなところなんですよね。その美しさの追求っていうところが、そもそも自分が興味のあることなのかなって。
――先ほどの会見で発表された格言のなかで、美容医療とは「大きな選択肢の1つ」という言葉がとても印象的だと感じました。「みんな絶対やりましょう」ではなく、あくまでも選択肢なんだという意識が千賀さんのなかでも大きいのでしょうか。
千賀:もちろん、そうです。何も決まっていなくても、とりあえずクリニックに行ってみて、カウンセリングを受けてみるのもいいと思います。でも一方で、医師と話すときには、ある程度の知見を持って接することがマナーかなって僕は思います。何も知識がないと、医師のお話をすべて受け入れてしまう。そこに自分の意思がない状態で施術をしてしまって、イメージや理想と違ったときが、美容が好きな人間としていちばん悲しいです。僕は医師じゃないから、お客さん側の目線として、ある程度の知見を持ってクリニックに行ったり、美容医療を受ける必要があるっていうのは言い続けたいなと。
――近年では、男性が美容を意識することも当たり前になってきました。とはいえ、まだ知識のない男性が美容に取り組むファーストステップとしては、何から始めればいいのでしょうか。
千賀:お肌を気にし始めたのか、たるみを気にし始めたのか、美容医療に興味を持ったのか、それぞれ論点が変わるので一概には言えないのですが、まずは“スキンケアを楽しむ”っていうところから始めるのがすごくいいと思います。たとえば彼女さんがいらっしゃるんだったら、同じスキンケア用品を使ってみるとか。洗顔をしたことなかったら、まず洗顔をしてみるとか。そのなかでも油や角質が気になるんだったら、酵素洗顔をやってみるとか。そうするとルーティーンのなかで少しずつ知識が増えていくじゃないですか。その先に美容医療があるので、まずはスキンケアを楽しむことです。美容は楽しくないと苦しいだけなので。とにかく楽しむことが大事ですね。
――ありがとうございます。では最後に、今後美容の分野で挑戦していきたいことはありますか?
千賀:挑戦していきたいことはないです。なんか僕、そんなに気張ってやりたくないんですよ。だから、本当に“自分の趣味”としてやっていければいいなと思ってます。その延長線上で、美容の分野に対してなにか力になっていければ嬉しいですね。
(文・取材=伊藤聡志)
伊藤聡志(インタビュー)