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Bloomberg
掲載日
2025年9月18日
米国の関税で小売事業が圧迫されるなか、新たな収益源を模索するShein Group Ltd.(シーイン)は、関係者の話によれば、他のファッションブランドに対し、中国にある自社のアパレル製造ネットワークへのアクセスをサービスとして提供し始めたという。
米国の関税が売上を圧迫する中、Sheinがブランド向け製造サービスを開始 – DR
公に話す権限のない関係者が匿名を条件に明かしたところでは、他のファッションブランドは同社のオンラインマーケットプレイスに出店すれば、5~7日で新作を形にできる工場を含む同社のサプライチェーンを利用できるようになった。
関係者によると、Sheinは約2年にわたる準備とテストを経て、過去2カ月間で本取り組みに参加するブランドの正式募集を開始。現在、フランスのファッションブランドPimkie(ピムキー)やフィリピン人デザイナーJian Lasala(ジアン・ラサラ)のブランドなど約20ブランドがこのサービスを利用しており、8月に開設した新サイトを通じてプロモーションを行っているという。
製造に加え、同社はサンプル開発、倉庫保管、販売、受注処理も各ブランドに提供している。関係者によれば、こうしたサービスは、同社が享受する低コスト水準では中小規模の企業が通常アクセスできないという。
同社は、サプライヤーとの関係をプロダクト化することで新たな成長の柱を築こうとしている。中国からの小口貨物に対する米国の免税措置撤廃を受け、同社ブランドの2.46ドルのシャツや6.75ドルのドレスといった商品の販売に伸びしろが限られているためだ。ブルームバーグ・セカンドメジャーのデータによれば、Sheinの米国での売上は、競合のPDDホールディングスのTemuプラットフォームよりなお強いものの、推移は不安定だという。
ブルームバーグ・ニュースの問い合わせに対し、Sheinの広報担当者は、新プログラムを「Xcelerator」と称し、ブランドが「消費者への直販、オンデマンド生産、グローバルな販売機会へのアクセス」を通じて「バリューチェーン上の課題を克服し、創造性を世界規模で拡張できるよう支援する」ことを目的としていると述べた。
Alibaba.comや1688.comが中国の製造業者へのオープンアクセスを提供しているのとは異なり、同社はサプライヤーへのアクセスを自社プラットフォームへの参加を条件とした。
この取り組みは主に、より多くのファッションブランドを同社のマーケットプレイスに呼び込むことを狙ったもので、競争が激化し貿易環境が不安定化するなか、中国南部に広がる同社の巨大なアパレル・サプライチェーン網を梃子にする試みでもある。
関係者は、Sheinの中国拠点の製造ネットワークは模倣が難しく、こうしたサービスの外販に成功すれば、長期的な持続的成長に寄与する可能性があるとみている。
中国本土で創業し、現在はシンガポールに本社を置く非上場の衣料品小売企業である同社は、財務情報を開示していない。ブルームバーグ・ニュースは先に、米国の関税適用を見越して消費者が同社製品の購入を急いだ結果、第1四半期の純利益が4億ドル超、売上高が100億ドル近くに達したと報じた。
ドナルド・トランプ米大統領が少額輸入(ディ・ミニミス)免税を終了させた4~6月期におけるSheinの状況は不透明だが、売上は6月にいったん回復。その後勢いは鈍化し、直近数週間は再び減少している。
外部の事業運営上の課題が積み重なるなか、IPO(新規株式公開)を目指すSheinは大きなハードルにも直面している。サプライチェーンと労働慣行に対する精査を受け、当初計画していた米国での上場は棚上げに。のちに英国での上場を模索した後、香港での上場に方針を定め、目論見書のドラフトを非公開で提出して審査を受けている。先月のブルームバーグ・ニュースによれば、香港での株式売り出しを円滑に進めるため、中国本土への回帰(再登記・再拠点化)も検討しているという。
