肌のハリ・弾力に欠かせないコラーゲン。資生堂の最新研究から、まだまだ知らなかった驚きの新事実が浮き彫りに! 可能性だらけのコラーゲン、その正体に改めてフォーカスします。

そうだったのか! 知られざるコラーゲン研究の最前線 安倍佐和子

サイエンスからホリスティックまで幅広い知識をもとに執筆活動を続ける。資生堂の最先端研究は常に注目しているひとり。

小倉有紀

資生堂 みらい開発研究所 研究員

小倉有紀さん

コラーゲンの神秘に魅せられ、20年にもわたりコラーゲンの構造とシワの解明に取り組むコラーゲン研究のエキスパート。

Collagen Research 1
知っているようで
意外と知らないコラーゲン
なぜそんなに大事なの?

コラーゲン 真皮の約70% イラスト

「コラーゲンは肌の真皮の約70%を占める最も主要な成分。肌の形状を保つだけでなく、線維芽細胞をはじめとする肌細胞と相互作用しながら機能を発揮するなど、さまざまな役割を担っています。肌のハリ・弾力、シワ、毛穴、たるみ等に影響することが知られていますが、残念なのは加齢によって徐々に減少していくこと。10年で10%も減少すると言われてます」(小倉さん、以下同)

資生堂 研究員 小倉さん

Collagen Research 2
コラーゲンの質と量は
40代でさらに低下する!

「ホルモンの影響により心身の変化を迎えやすい40代〜50代で、コラーゲン量に顕著な変化があります。また、大きな環境的要因が紫外線。コラーゲン分解酵素を促進させるため、コラーゲンを過剰に分解するだけでなく線維芽細胞のコラーゲン産生力まで低下、コラーゲンが大きく減少するきっかけに。健康な肌は減少への抵抗力もありますがその力が衰えればコラーゲン量もガクンと低下してしまいます」

女性 コラーゲン量 年齢 減少 グラフ

20歳ごろをピークに、毎年1%も減少していくコラーゲン。80代ではピーク時の3分の1程度にまで減少。これが知っておくべき、コラーゲンの悲しい変化だ。
出典:Sam Shuster, British Journal of Dermatology(1975)93, 640-のデータより作製

Collagen Research 3
いいコラーゲン、
悪いコラーゲン
ってある?

いいコラーゲン 悪いコラーゲン

太く丈夫なコラーゲン線維には縞模様の横紋構造がみられるが、育成の不十分なコラーゲン線維は細く切れやすく横紋構造もはっきりとはみられない。

「例えばコラーゲン線維が肌の中で太く丈夫であれば、強固なハリ・弾力を生み出すことができます。反対に、細く弱い状態では、ハリ・弾力が低下しやすく、シワやたるみとなって見た目に現れます。上の画像のようにコラーゲン線維をミクロで見ると、質のいいコラーゲンには横紋構造がはっきり。太く丈夫な、いいコラーゲンだと言えます」

Collagen Research 4
いいコラーゲンを増やす
ために知っておくべきこと

「体が代謝しているように、コラーゲンも代謝しています。『分解』『消化』を適切に機能させて、次の新たなコラーゲンを『産生』しやすくすることが重要。そして、さらにいいコラーゲンを増やすには、この代謝の中に『育成』といったプロセスを入れることで、『産生』されたコラーゲンを太く丈夫に育て、質のいいコラーゲンで肌を満たすことができます」

コラーゲン量を増やす サイクル

Collagen Research 5
コラーゲンは育成こそ
大事なプロセスだった

「コラーゲンを『産生』する線維芽細胞に着目することが多い中、資生堂は『産生』や『分解』、『消化』にフォーカスした研究に注力してきましたが、新たにコラーゲンが産生された後の育成プロセス(下のイラスト参照)にも着目。揺るぎないハリ・弾力のために、コラーゲン線維を太く、また丈夫な質のいい状態に“育成”する研究を推進しています。学会で発表したこの新知見は賞を取るなど、世界的な評価を受けています」

コラーゲン 育成 産生

新しいコラーゲンが生まれても質が悪いとすぐに分解、消化されてしまうから、コラーゲンを太く丈夫に育む、育成のプロセス強化が大事なのだ。

コラーゲン 育成 拡大図

訓示!
コラーゲンは
育てることこそ
大事なのです

安倍佐和子さんイラスト

どんなに産生を促しても質が悪ければすぐに分解、消化し、ひいてはエイジングサインの引き金に! 丈夫なコラーゲンは「育成」が鍵。母になった気持ちで育んでいきましょ♡

●お問い合わせ/資生堂お客さま窓口 
0120-81-4710
(10:00〜17:00/土・日・祝日除く)

イラスト/green K 構成・文/安倍佐和子 企画/火箱奈央(MAQUIA)

公開日:2025.09.11

マキアオンライン

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