【朗読の時間】『淪落』林芙美子 作【睡眠導入/作業BGM】
He マイクが入っていなかった。はい、 こんにちは、こんばんは、おはようござい ます。冒徳的図書館のあるジイクの世界を 語りつぐの異分がゆいと申します。本日も バイノーラルマイクで なんとなくやらせていただきますので、 えー、もしイヤホンヘッドホンある方は そちらで聞いていただけるとまあいいん じゃないかな。 ふわっとしています。すいませんね。 ちょっとまだ頭が若干寝起きなもので ふわふわしております。ちたさん待機して くれてありがとね。ちょっとお茶飲まして ください。 うん。はい。本日はね、いつもと違って夜 ではなくお昼のまったりした時間にお送り させていただきます。この時間の方が牢 送ってちょうどいいんじゃないかなって 思っただけなので、これからしばらくは 日曜日のこういう時間とかにやったりする と思うのでよろしくお願いいたします。 はい。 というわけで、本日はね、え、林ふみ子 作落 という作品を読んでいきたいと思います。 ま、ちょっと長めといえば長めのお話なの で1時間ぐらいかかるんじゃないかな。1 時間弱かなと思っております。お昼のロク 寝かし付けて。はい。寝かし付けでござい ます。みんな一緒にお昼寝しような。ま、 私は2度寝しったけれどもはいというわけ で、ま、まったりしながら、え、ね、3時 のおやつを食べながらでもいいですし、 何か作業中に聞くでもいいですし、 ドライブがてら聞いていただいても構い ません。のんびりまったり聞いて いただければと思います。はい、という わけで読させていただきたいと思いますの でよろしくお願いいたします。 うん。 それでは、 こんな明るい曲の中で 喋るような喋るような 、え、なんかないかな? なんか うん。うん。ああ、 なんか 甘音とかでちょうどいい気がするんだよな 。 えっと、 あ、めっちゃ雨。 このぐらいでいいかな。 うるさくないかな?ちょうどいいぐらいだ といいけれど。 ええ、それでは読まさせていただきたいと 思います。 隣 はふ子。 私は家の人たちには無断で東京へ出てきた 。 終戦となって間もなく私の村へ疎会して来 ていた東京の人たちは慌ててみんな東京へ 帰ってしまった。 田舎で一生を暮らすようなことを言ってい た人たちのくせに戦争が住むと本田さんも 山路さんもみんな東京へ戻ってしまった。 私は東京というところはそんなにいい ところかと思って、1度東京を見たいと 思った。 姉さんは長いこと大阪へ助に行っていたの だけれど、戦争が始まってから戻ってきて 家の手助けをしていた。 兄さん 2人とも世のだけれど内地にいたので戦時に戻ってきて家にロゴロしている。私たちは今にどこかへ働くところを見つけなければならなろうと姉さんが言った。 大した電池もないのにこんなに元気なもの がうようよ1つ屋根の下に暮らしていては 今に暮らして行けなくなると上の兄さんも 言っている。 私は6人兄弟で私の下にまだ3人も小さい のがいるので1日の食事は頭痛の種だと お父さんが口癖のように言うようになった 。 私は決心して仲のいい駅員の人に頼んで、 東京行きの切ッ符を買ってもらった。 お母さんに知られないようにして10日分 くらいの食物をリュックに詰めて、私は 去年の10月 に乗って1人で東京へ来た。 東京へ来たら是非家を尋ねていらっしゃい 。恩返しをしますわと山路さんの奥さんが うちへ米や野菜を買いに来るたびに行った のを覚えていたので東京へつくなり私は 尋ね尋ねて山路さんの家へ行った。山路 さんは工場を持っていてあたというところ には別荘もあると言っていたのでどんなに 大きい家と思ったら案外小さい家であった 。 奥さんはびっくりして私を見ていた。 見えれをしてきたのだと言うと、奥さんは 困ったような様子で、 東京はとても食べ物が不自由なのよ。第1 家も焼けて今はよそ家を借りている始末な の ということだった。私は2日だけ止めて もらうことにしてすぐ働き口を見つけよう と思った。 東京は随分焼けていた。びっくりする ぐらい焼けていた。本当に気の毒だと思っ た。 山路さんの奥さんは私に田舎の不平行って 田舎の人は悪人揃いだというので私は腹が 立った。 田舎にいる時はあんなにペコペコしていて 、東京へ来ると随分人が変わったように なり、田舎でなくした着物や時計を 取り返したいくらいだと言った。 私も奥さんからお嬢さんの着物を2枚ほど もらっていたけれど、あまり不平を言うの で返してしまいたいと思った。 私は山さんの家の人たちをいい人たちとは 思えない。 奥さんにご主人のお母さん、女子代に行っ ているお嬢さんが2人。みんなツんと 済ましていて寝る時も1番汚いボロボロの 布団を貸してくれた。一晩だけ山路さんの 家へ泊まって私は上野駅に行った。 そこで私は小山にあった。上野駅の電車の 乗り口でぼんやりしているとどこへ行くの かと話しかけてきた男がいた。 私は東京へ働き口を見つけて地人を頼って きたのだけれど、そこで白除にされたから また田舎へ帰るのだけれども切符が変え なくて困っているのだと話したらその男の 人は同居で働きたいのならいくらでも食は 見つけてやるから自分の下宿に来ないかと 言った。 私は破れかぶれになっていたので、どこで 世話になるのも同じだと思ってその男に ついていった。 男は浦和のアパートというところに住んで いた。見る影もない汚いアパートの2階で 余の狭い部屋には布団と自炊道具がある 霧り。畳は芯がはみ出ていて満年が窓際に 敷いてある。 山は患者の小さい制約会社に務めていた。 40くらいの人だった。 お金をたくさん持っているのが不思議だっ た。 女将さんは空で亡くなって今は1人暮らし なのだと話していた。その夜私は小山と1 つの布団で眠った。私は小山がいろんな ことをするのではめはびっくりしてなんだ か恐ろしくて仕方な仕方がなかったけれど 田舎へ帰ることを考えると我慢しようと 思った。 小山は私のことをもう20歳過ぎた女だと 思ったと言った。私がまだ18だと言うと 田舎の娘は吹けて見えるのねと見えるねと 言った。私はどうでもいいと思った。考え たところでどうにもならないのだから。 こんなに親味になってくれる人がいるのは 幸せだと思った。 小山はとても私を可愛がってくれた。私も だんだん小山が好きになった。小山が会社 から戻ってくると私たちは2人で映画を見 に行った。 やがて寒い冬が来た。私は着物を持ってい なかったので、一度田舎へ取りに行こう かしらと小山に相談すると、小山は田舎へ 行ってはいけないと言って、どこからか私 に似合う洋服や街当を持ってきてくれた。 私は勝手に町へ出て美容院でパーマネント をかけた。小山は私にお前は灰な顔をして いるからまるで西洋人のようだと言った。 ダンサーになったら流行るだろうと言った 。 私はダンサーになってみたいと思った。 新聞を買ってきてはそんな広告を探してみ て小山に相談すると小山はきっと反対する だろうと思ったから私は勝手に志願して 行ってみた。そこは日本人相手のホールで 素人は2週間ほど稽古をしてもらうことに なっている。私は昼間そこへ通った。そこ で学習をしているという栗山にあった。 栗山はまだ若くて福印してきたばかりで 気持ちの綺麗な男だった。 栗山と話しているとなんとなく私は気持ち が良かった。栗山は外食権でご飯を食べて いるので、たまには家庭の飯が食べたいと いうので、ある日、私は浦和のアパートに 栗山を連れて帰った。小山が闇の米を買っ てくれていたので、私はそれを炊いて イワしを焼いたり、肉の味噌煮をしたりし て栗山に食べさせた。 田舎から出てきて小山と生活するに至った 話をすると栗山は驚いたような表情で 君はそんな無知な女なのかね。君を見て いるといかにも履行そうな インテリジェンスが感じられるがこれは神 様の皮肉だね。君は世の中を甘いと思って いるだろうが危険な生活だねと言った。だ けど、こんな世の中になって何ヶ月かを 東京で暮らしてみると、みんな私と似たり よったりの女が多いのだ。 栗山を池まで駅まで送っていくと、駅で私 は大きい風呂を担いだ小にあった。栗山は さっさと行ってしまった。 私はアパートに帰って散々小山に叱られた 上、髪の毛を握ってうつ蹴るのしどい打ち を受けた。そんなことをされると私は急に 小山が嫌になってきてゾっとするような 肌寒い気持ちになった。 私は出ていくつもりで該当を引え 引っかけると小山は急いで私を押し倒して 腹を2度蹴った。私は背中が割れるような 痛さを感じた。 寝のど床へ引きずり込まれると小山は私の パーマネントの髪を弱くとハサミで切って しまった。 私は腹が痛いのでじっと目をつぶっていた 。 23日は見動きもできないほど体がういた 。鏡を見ていると私のまつ毛が人並み外れ て長いのが嬉しかった。ほぼ骨が少し硬い けれど、高いけれど、唇は肉好きが熱くて 紅を塗るとなんだか西洋人のように見えた 。 色い大きい前歯と人並み外れて大きい 千ぶさ。ほんの少し通ったホールの女たち よりも私はなんだか自分の方が綺麗なよう に思えた。教師は私の足を見て随分いい足 をしていると褒めてくれた。志願した女 たちの中でも私は背が高い方だった。私は あのホールの華やかな景色が忘れられない 。こんなアパートにいて年を取った男と 汚い布団に1つの枕で寝るのはつくづく嫌 だと思った。 が私のことを神様が皮肉の作り方をした女 だと言ったけれど私はこんなところに実し ていられない気持ちだった。 私は何かこ入ったことを考えるとすぐ体中 がむくなる。考えることは嫌だ。23日し て家を出てしまった。いつも駅の前の、え 、駅の前におでんの屋台、え、店を出して いるおばさんの家を知っていたので、私は そこへ行った。おばさんは子供が2人いて 自動車の車庫の裏に住んでいる。何度も おでんを食べに行って顔見知りだったので おばさんは心よく止めてくれた。 渡る世間に鬼はないと言うけれど、私は ここからホールに通っていった。栗山は その頃他のホールに変わっていた。 私はそのホールに会いに行った。栗山は 君にそんなことを求めるのは無理かもしれ ないけれど僕は利行主義で潔癖だから一緒 になるのは困ると言った。栗山という男は ただ夢みたいなことにばかり憧れている。 一緒になるのが嫌だと言われると、私はっ て心の中がいみ立つような気がした。私は 2ヶ月くらいも栗山とは合わない。その くせ栗山とは何でもなかっただけに中支心 にかかって思い出されて仕方がない。 私はずっと小山には会わなかった。会い たいとも思わない。私は2度違う男と田舎 の宿屋にえ、泊まりに行ったけれど、この 頃になってなんだか自分はもう悪い女に なっているような気がされて時々心の中に 寒々とした風が吹き込んでくるような気が する。おばさんもこの頃はすっかり私の 格好が変わったと言った。 場2巻きりのじめじめした家だけれど、私 はこの家がすっかり気に入った。子供は 14になる娘と12人になる男の子だ けれど、どっちもいい子でまるでいい ところの子供みたいに言葉つきが良くて親 なのでびっくりしてしまう。私がどんなに 夜遅く戻ってきてもおばさんはここ1つ 言わないし自分の子供と同じようにして くれるので私はこんな綺麗な心持ちの人は 珍しいと思った。 私はホールである会社員と知り合いになっ た。その人は少しも踊らない。連れの人と 来ていつもぼんやりと人の踊りを見ている 。 ある日偶然椅子口の駅の前であって しばらくお茶を呼ばれながら話した。 ジャワ行っていてこの頃復縁したばかりで まだどこにも務めていないと言っていた。 帰ってみたら奥さんはよその人と一緒に なっていて家は焼けてしまい今は友人の家 に同居しているということだった。 この世は面白いこともなければ悲しいこと もない。もう偶然を頼りに生きているよう なものだと言っていた。 難しいことは分からないけれども人生に 遠く置き去りを送っている自分はいつまで も苦しい2日酔いのような毎日だとも言っ た。 私は寂しかったのでこの席という人がすぐ 好きになった。 席は痩せて背が高く青黒い顔をしていた。 会うたびに どうだい面白いかねと聞く癖がある。だ から決まって私もねえ、とにかく面白いわ と言っておく。夏になって2人は伊豆の 王子温泉へ行った。 小さい旅館へ止まった。 席はウイスキーを持っていた。私はうちの おばさんに頼んで米を買ってもらって持っ ていった。畑の中の何の変哲もない旅館 だったけれど、楓れの声を聞きながら 夜ふけまで2人はウイスキーを飲んだ。席 は死ぬ話ばかりしていた。私は生きている 方が面白いという話ばかりした。 に入ってからも席はあまり酔ったのか 黙り込んで泣いたりしていた。私は おかしくて仕方がなかった。 夜に私は1人で温泉に入りに行った。 王子へ一晩止まって私たちは東京へ帰った 。 それから23日して席は自殺してしまった 。 あの時からあの人には死神がついていたの だろう。 私も23日は悲しかったけれど、だんだん 席のことも忘れてきた。私はももこという 名前でまたホールを変えた。その日、その 日が重大で田舎のことも自分の育成のこと も何も考えないくらい私はとにかく踊る ことと遊ぶことで忙しかった。 お金をありったけ使ってしまうので相 変わらず貧乏だったけれど何か食べたい時 は見ず知らずの人が怒ってくれた。 9月に入って私はどうも体の調子が変だと いうことに気がついた。すぐ席のことを 思い出したけれど子供を生むのは嫌だと 思った。 おばさんに話をすると、おばさんは子供 だけは生産なくてはいけないと言った。 子供ができれば私のような女もしっかりし て将来のことを考えるようになるだろうと 言った。私は子供を産むなんか思いたく なかった。私はホールでも激しく休みなし に踊った。私のような女から生まれる子供 は昨日毒だと思う。 秋風が立ち染めてきた。偶然に私は新宿の 通りで小山にあった。小山は落ちぶれた姿 でいた。私と別れてからもいい生活では なかったように思える。 立ち話だけれど小山はお前のために俺は ひどい目に会ってねと2ヶ月ほど警察へ 行っていたという話もした。 小山はもう一度気を取り直して一緒になら ないかと言ったけれど、私は嫌だと言った 。 昔の田舎娘がすっかり変わってしまって、 どこのお嬢さんかと思ったと小山は呆れて 私を見ていた。何をしているのだと聞く から私は映画女優になったのだと嘘を言っ た。それから12年先には映画小屋で会う ことになるでしょうと言うと小山は本気に して 俺はもう何もしないからお前と一緒に 住ましてくれないかと愛がするのだった。 私は心のうちでおかしくて仕方がなかった 。男というものはみんな弱いものだと思っ た。私は弱い男が嫌いだ。小山はお茶でも 飲もうと言ったけれど、小山はお茶を飲む ほどの金を持ってはないだろうと思ったの で、私はこれから会社に行くのだと言って さっさと別れてしまった。小山のような男 はどうしても好きになれない。 新宿駅のホームに入ると、ふっと私のそば に綺麗な女の人が立っていた。 灰色の背びを着て茶色の大きいハンド バックに同じ茶色の靴。お白い子も何も つけない顔は日頃の手入れの雪届いた 美しい滑らかな肌で瞳は大きくてひらめく ような表情だった。 何気なく通りすがる男たちがその美しい女 の人に注意を向けてはふっと私の方を見て 苦傷したような表情で通りすぎていく。私 はなんだか馬鹿にされたような気がした。 ホールへ行って仲間の人たちを見ると新宿 駅のホームで見たような美しい女は1人も 見当たらない。あれは私たちと違って たっぷりとした金持ちの娘に違いない。私 は鏡を覗き込んで世の中のまともな女たち とはどこか違うと感じた。私たちの様子は 私たちの仲間だけで派手に目立つような 化粧の仕方になっている。目の縁に炭を 入れて唇いっぱいに紅ニを塗る。この頃は クリームのいいのがないので食用油の 食用油を背中や足に塗る子もいて天ぷら 臭いので嫌がられる。私はセルファンの ように薄い服を着て見るからに昔田舎にも 着ていたことのあるサーカスの女になった ような気がしてくる。ホームで美しい女の 人を見てからは自分が汚く見えてくるよう で寂しかった。 首にガラスの飾え、首飾りをして手首に メッキした金色の蛇の輪を編はめて桃色の 紙のようなトレス。紙に大きい水色のリブ リボンを結んで耳輪は青い練り玉。指輪は ルビー。靴は仲間のローズに世話をして もらってやっとの思いで買った中古の黒川 のハイヒール。 ある男が私のことを初の馬だねと言った けれども、その時に意味が分からなかった けれど、後でその意味を聞いてとても尺 だった。よく栗山が君は化粧しない方が ずっといいよ。柄が大きいんだから化粧を すると妙に吹けて見えると言っていた。 私は強い化粧をしないではいられない。前 のホールではマネージャーが私のことを イこちゃんと呼んでいた。 体の具合がますます悪いのでこの頃は ホールも休みたくなってくる。 ホールを休むと私はご飯も食べないで1日 中寝ている。おばさんは心配して食べ物を 作ってくれるけれど少しも欲しくない。 この頃私はタバコを吸うことを覚えた。 自分はだんだんいけない女になると思い ながらどうにも自生することができない。 何か考え事をすると体が難しくなるので私 は1日中寝て夜吹けて退屈すると1人で トランプをする。 1人占いをしていると今にも幸福なことが 来そうな気がする。 綺麗な結婚ができるような気がしてくる。 気のよく刺す明るい家で私は可愛い赤ん坊 を生産。そんなことを考えるけれど、すぐ またホールの音楽の寝色が耳についてくる 。仲間の友達もあのホールの中で男の人に 騙されたり騙したりの暮らしだけれど、 どの女も大抵は騙されたりの方で案外順序 的のいい女が多い。この頃ホールに私を 好きで来る人が1人ある。何の商売をして いる人かは知らないけれど、私はその人が とても嫌いだ。青いハカチで顔を吹く伏せ 。いつも赤い小さい串で髪の毛を撫でつけ ているのは虫が走る。田舎では考えたこと もない妙な男がゴールにはよく現れる。何 をして暮らしているのかさっぱりわから ない。友達もみんなそれぞれ好きな人や 恋人があるのだけれど、旗から見ていると あんな男と思うようなのを女たちは 大真面目に愛している。そして別れては また別の人に会い、また別れては別の人に 巡り合うというような明かない日が過ぎて いく。 昼間はまるでつやけのない日陰影の草の ような私たちも夜になるとやっと息を 吹き返してくる。 楽屋ではお菓子のようにホルモン剤を飲ん でいる女もいる。私たちの風呂包みには 汚れたシュミーズに手正のパン、縫いかけ のブラウス、読みかけの汚れた小説 ボンカー雑誌しか入っていない。ハンド バックの中にはまとまった金を持っている ものはほとんどいない。初人の馬たちは みんな貧乏だ。 この頃時々田舎へ帰りたいと思うことが あるけれどそれもただそう思ってみる霧り で泣き 泣きたいほど故郷へ戻りたいというのでは ない。私はおばさんのところへ毎月 300円ずつ払っている。おばさんは少し も変わらない優しさで私にいつも無理をし ないでそのうち片着な仕事に着きなさいと 言っている。私は女学校も出ていないので 片着な仕事なんかないと思う。大変な出業 時代が来ると誰も誰でも話している。 ある日久しぶりに銀座で 栗山案外親切でこんなことを言った。 どこを歩いたって同じことだ。お前さんに 似たりおったりの女ばかり増えていて 大したこともない。時々ももこのことを 思い出してどんなになったかと心配してた んだよ。当時はまあどうにも仕方がないお 互い様だね。 私はなんだか胸がいっぱいになってきた。 2人ともお茶を飲む気もしなかったので 夕方の町を丸ノ内の方へ歩いて宮城の方へ 散歩した。もう虫があたり一面泣き立てて いて秋吹けた感じだった。 栗山は小さい学に入っていてずっと旅回り をしていたと話した。平気はいいのだそう だけれども、栗山はたくさんの家族の面倒 を見ているのでどうにもならないと言って いた。 私は 栗山さん、私ね、もう誰かと結婚したいと 思うわと言ったらグ山は真面目な顔で この世の中で結婚ができるかい?結婚 なんて考えたっていい相手は見つかり りっこないよと言った。私はどうも赤ん坊 ができているようだと話すと栗山は いいさ何でもいいよ。若かん坊も産んだら いいよ。その時は知らせな。少しくらいは 区面してやると言ってくれた。宮城の広い 通りを私たちは風に吹かれて歩いた。 ギアで別れる時、栗山はまた会うよ。いつ でも知らせなさいと言って綺麗な名称を くれて100円札を2枚渡してくれた。 栗山は新しい靴を履いていた。ケーキが いいのだろうと私は思った。 ご成聴ありがとうございました。 30分ぐらいでしたね。 1時間ぐらいかかるかとは思っていたの ですが。 それでは本日の朗読の時間終わりでござい ます。また次回お会いしましょう。それ じゃあまたね。バイバイ。
声真似練習も兼ねて、朗読をしていきます。
今回は
林芙美子 作『淪落』 を朗読していきます。
睡眠導入や作業のお供としてお聞きください。
コメントは最後に読ませて頂くので、最後まで聞いて頂けると嬉しいです♪
定期的に朗読の時間を設けたいと思うので、
朗読する作品のリクエストもお待ちしております。
リクエストはコメント、もしくはmondへお気軽に☆
朗読させて頂いた本は
青空文庫 さん
https://www.aozora.gr.jp/
よりお借りさせていただいております。
このチャンネルのメンバーになって特典にアクセスしてください:
https://www.youtube.com/channel/UCr8YSWZFHevyZzMFo_PDZgw/join
☆☆ご視聴有難うございます!☆☆
KP特化型声真似配信者兼幾多の世界を語り紡ぐ者、異聞語 優衣(いぶんがたり ゆい)と申します。
林原めぐみさんや皆口裕子さんの声真似をしながら、ゲームしたりTRPGしたり自由に活動中☆
シチュエーションボイスや実況ゲームリクエスト受付中!
聞きたいシチュエーションや台本、やって欲しいゲーム等を是非教えてね♪
■Twitter
Tweets by you0w0yui
■fantia(別名義)
https://fantia.jp/yui_secretroom?utm_source=affiliate&utm_medium=link&utm_campaign=affiliate&target_type=fanclub&target_id=526983&atag=fan_3451ducd94yx7
■Ci-en(別名義)
https://ci-en.dlsite.com/creator/28518
■FANBOX
https://yui-0w0.fanbox.cc/
■Skeb
https://skeb.jp/@you0w0yui
■スキマ
https://skima.jp/profile?id=328348
■mond
https://mond.how/ja/you0w0yui
■欲しいものリスト
https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/3UI5H5POEBYTF?ref_=wl_share
■giftee
https://giftee.com/u/you0w0yui
Live2D&3D製作:黒沢翔一
https://x.com/higeirudake
https://youtube.com/@higeiru