メゾン マルジェラは、新たなプロジェクト「メゾン マルジェラ ライン 2」を始動した。1997年から続く「10」や「6」などのナンバリングシステムに、初めて「2」が加わる。創設者のマルタン・マルジェラはかつて「私は、アートとファッションの境界線をあいまいにすることを信条としている。」と述べており、その理念を体現するような取り組みになりそうだ。

「メゾン マルジェラ ライン 2」は、意外性のある出合いと対話を起点に、2人のクリエイターのコラボレーションを行う場になるという。第1弾は、ビジュアルアーティストのヒーミン・チョンと音響デザイナーのジョユルがタッグを組み、没入型インスタレーション「Elsewhere, Rhema, Open Torso」を韓国で発表する。

彫刻と音が生み出す“都会のジャングル”黒い服を着た2人の女性Maison Margiela

左からジョユル、ヒーミン・チョン

同展の会場は、ソウル・漢南のメゾン マルジェラ旗艦店に併設した20世紀後半の邸宅と庭園だ。そこでは人工と自然の境界が溶け合い、彫刻と音が絡み合う。

チョンの彫刻作品「Vine Sculpture」が建物のテラスを覆い、その内部ではジョユルによる雨音や鳥のさえずり、風の音が響く。鑑賞者はテラスから庭へと導かれ、声と音、彫刻が交錯する新たな体験へと没入していく。

螺旋を描く金属製のアート作品Maison Margiela

「Elsewhere, Rhema, Open Torso」の制作風景

アトリエを写した白黒写真Maison Margiela

「Elsewhere, Rhema, Open Torso」の制作風景

このインスタレーションは、メゾン マルジェラ2025年秋冬「アヴァン・プルミエール」コレクションとも連動し、“他者に心を開くことで生まれるもろさや変容”をテーマに据えている。

「2」が意味するもの ― マルジェラの新たな章

マルジェラのナンバリングシステムは0から23までの数字で構成し、それぞれがオートクチュールやレディ・トゥ・ウェア、アクセサリー、フレグランスといったラインを示してきた。初めて「2」を公式に採用した今回の試みは、2人のクリエイターが交わることで生まれる創造性を象徴する。

「メゾン マルジェラ ライン 2」は、ブランドの核にある「境界を曖昧にする精神」を拡張し、文化とファッションの対話をさらに強化する場となる。

「Elsewhere, Rhema, Open Torso」
会場:メゾン マルジェラ 漢南フラッグシップ・ブティック
住所:657-91 Hannam-dong, Yongsan-gu, Seoul
会期:2025年9月3日(水)~9月28日(日)
営業時間:11:00~20:00

●問い合わせ先
マルジェラ ジャパン クライアントサービス
TEL 0120-934-779
公式サイト

マルジェラ

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