8月23日(土)・24日(日)、櫻坂46が「5th TOUR 2025 “Addiction”」ツアーファイナル公演を京セラドーム大阪にて開催した。4月の愛知公演を皮切りに、福岡・広島を巡り、東京ドーム3DAYSを経て迎えた今回のツアー。グループにとって最大規模となったこの全国ツアーは、4期生加入後初の挑戦でもあり、櫻坂46がさらなる高みへと駆け上がるうえで大きな意味を持つものとなった。

ライブは煌びやかなホーンセクションのサウンドに合わせたダンス・セクションから幕を開ける。山﨑天が「Buddies!準備はいいかー!!」と叫び、藤吉夏鈴が「京セラ!行くぞー!」と続けると、会場に詰めかけたBuddiesの熱気は一気に頂点へ。オープニングを飾ったのは、山﨑と藤吉がWセンターを務めるセカンドアルバムのリード曲“Addiction”。気迫あふれるパフォーマンスで、京セラドームは一瞬にして櫻坂色に染まった。

その勢いのまま、山﨑センターの“半信半疑”へ。楽曲のラストでは、彼女が高めのツインテールを振り乱しながらソロダンスを披露。可憐さと妖美さをあわせ持つ圧巻の姿に、観客の視線は釘付けとなった。続いて披露されたのは藤吉がセンターに立った“Start over!”。本来ならBuddiesがイントロのスラップベースに合わせてジャンプする場面が定番のこの曲。しかし京セラドームではジャンピング行為が禁止されており、この日はおあずけ。それでも、我慢したがゆえの熱量が大きなうねりとなり、ドームを揺るがすほどの気迫が充満していた。

序盤を終えたMCでは、キャプテンの松田里奈が「今日の櫻坂46の最高地点を目に焼き付けてください!」と力強く宣言。さらに山﨑は「今日が10代ラストのライブになると思います」と語り、このファイナル公演への特別な想いを届けた。

続くブロックでは、雷鳴が轟き炎が吹き上がるなか披露された“嵐の前、世界の終わり”が会場のボルテージをさらに引き上げる。スタジアム級のスケールを誇るサウンドに続いて、ゴシック・ホラー調の演出が施された3期生楽曲「Nightmare症候群」へ。センターを務めた的野美青を中心に、ステージに設置された王座を用いた幻想的なパフォーマンスで観客を圧倒。3期生の表現力の高さを見せつけたシーンとなった。

続いては、森田ひかるが、ひとり雨の中を歩き、ドラム缶を蹴飛ばしながら大きな舌打ちを響かせる。そこから流れ出したイントロは「マンホールの蓋の上」。メンバーたちが「Whacha say we do?」と連呼し、観客にクラップを求めると、会場全体がひとつに。クールなパフォーマンスとBuddiesの熱気が交差し、京セラドームは一気に灼熱の空間へと変わった。

さらに畳みかけるように披露されたのは、高速ファンク・チューン“流れ弾”。ブレイクの「Wait a sec.」のあと、黒服に身を包んだ悪役ダンサーが登場し、アクロバティックな殺陣を繰り広げる。その最中、センターの田村保乃が発砲する演出で、会場の熱狂は頂点に到達。ツアーファイナルにふさわしいスケール感をもって、観客を圧倒した。

今回の公演の特徴は、楽曲の頭にその歌詞のストーリーを表現する演出が挟まれ、さらには間奏に長尺のダンスセクションが組み込まれていたことだ。それにより、楽曲の没入感が飛躍的に高まり、ひとつの総合エンターテインメントとしての完成度が際立っていた。物語性と熱狂が渦を巻くように重なり合い、櫻坂46が描く新しい未来の輪郭を鮮やかに映し出していたように思う。

続いて、的野美青がBARのドアを開ける演出から“ノンアルコール”へ。ラテン・ポップを基調とした軽快なサウンドで、櫻坂46の新境地を切り拓いていく。さらに山下瞳月が電話ボックスで誰かと会話する映像を挟み、突入したのは“自業自得”。息をするのも忘れるほど張り詰めたパフォーマンスに、Buddiesは完全に楽曲の世界へ引き込まれた。この2曲を通じて、3期生が櫻坂46にとって欠かせない存在へと成長したことを強く印象づけた。

ステージは大園玲、守屋麗奈、向井純葉、村井優、村山美羽によるユニット曲“真夏の大統領”へ。清涼感あふれる楽曲に合わせ、会場には噴水ショーが広がり、緊張感に包まれていた空気が一気に和らぐ。衣装チェンジを経て披露された“紋白蝶が確か飛んでた”では華やかさを添え、“ドローン旋回中”ではトロッコに乗り込み、会場を周回。大阪出身の田村が「Buddiesのみんなー!大大大好きやでー!!」と叫ぶと、満面の笑みを浮かべるメンバーの姿に、会場中が温かい一体感に包まれた。

さらに小田倉麗奈センターの“恋愛無双”、そして3期生最強のコール曲“夏の近道”へと続き、Buddiesの声援は割れんばかりの熱量で響き渡る。次にステージに姿を現したのは、制服を着崩したような衣装を纏った4期生たち。壮大なBGMとともに後方ステージから花道を進み、堂々とメインステージへ到達する姿は新世代の到来を告げるかのようだった。披露されたのは4期生楽曲“死んだふり”。フレッシュさの奥に宿るのは確かに櫻坂46の遺伝子であり、「ここから自分たちも櫻坂46として生き抜いていく」という覚悟に満ちていた。

ライブは続いて“偶然の答え”で京セラドームを多幸感で包み込むと、山下瞳月のポエトリー・リーディングから“TOKYO SNOW”へ。真夏の大阪に白い雪を降らせるような幻想的な時間に、会場全体が静まり返り、ただその美しさに酔いしれる。そして一転して披露された“Nothing special”。BACKSメンバーの儚げな表情と中嶋優月のセンターとしての存在感が、観客の心をわし掴みにする。

だが、ここからが本当の“勝負”だった。後半戦の幕開け“I want tomorrow to come”には4期生も参加し、グループ全体で一丸となったパフォーマンスを叩きつける。スタジアム中が揺れるほどの圧巻のステージに、Buddiesの歓声が爆発する。BACKSメンバーによるダンスセクションでは、大量のレーザービームとエレクトロビートが交錯。石森璃花の「見てて」の一言から繰り広げられる“港区パセリ”は、挑発的で妖艶で、まさに心を奪う瞬間だった。この曲で、石森の沼に落ちた者も少なくはないだろうと感じた。

さらにステージにはサーカス団が乱入。ステージには「大車輪」が用意され、「エアリアルティシュー」と呼ばれる上から吊るされている布を用いた演技や、「シルホイール」円形の輪を使いながら回る種目が次々と会場を沸かせる。「ひとつのライブでここまでやるのか…」と驚いていると、箱から登場した森田ひかるが会場の空気を一気に掌握。“UDAGAWA GENERATION”では櫻坂46の真骨頂であるエンターテインメント性が炸裂。MVで話題となった“れなぁ砲”も完全再現され、吹っ飛ばされた守屋麗奈が段ボールに突っ込んで「てへ」と笑顔を見せると、京セラドームの熱狂は最高潮に跳ね上がった。

“何歳の頃に戻りたいのか?”、“もう一曲 欲しいのかい?”のキラーチューンを連発では、山﨑天と山下瞳月が「まだまだいけるよな?」「こんなもんじゃねえよな?」と煽りに煽り、最後は「Buddies!最高の盛り上がりをありがとう!!!」と叫ぶ。ツンデレ全開の演出に、会場は興奮と歓声で揺れ続けた。

そしてクライマックス。“承認欲求”の鬼気迫るパフォーマンスは、まさに最強の名にふさわしかった。さらに本編ラスト“Make or Break”では、赤を凌駕するほど熱い「青い炎」を心に燃やし、今の櫻坂46が辿り着いた「最高到達点」を全身全霊で刻み込んだ。

アンコールでは、Buddiesへの愛を込めた“Buddies”が響き渡り、京セラドーム全体が温かな多幸感に包まれる。そしてラスト“櫻坂の詩”。ピンク色のペンライトで染まった会場はまるで満開の桜。的野美青が「何言おうとしたか忘れちゃいました!」と笑いを誘う場面さえ、メンバーの「かわいいー!」という声で愛おしい瞬間に変わる。これこそ櫻坂46の魅力だった。

キャプテン松田里奈は最後にこう語った。「このメンバーとなら、Buddiesとならなんだってできる。アツくて最高なグループをもっと知ってほしい。Buddiesのみんな、準備はいい?櫻坂46をこれからもよろしくお願いします!」その言葉に、割れんばかりの歓声が返る。櫻坂46が「最高到達点」を超えられ続けているのは、このキャプテンの存在があるからなのだろう感じる、名スピーチだった。

終演後には、10月29日に13thシングルの発売、そして来年4月に5th YEAR ANNIVERSARY LIVEの開催が発表された。京セラドームで示した「最高到達点」を、櫻坂46はこれからも更新し続ける。あの熱狂を超える瞬間を、誰もがすでに待ち望んでいる。

取材&文:ニシダケン
写真:Seed & Flower LLC

櫻坂46 5th TOUR 2025 “Addiction”
8/24(日)京セラドーム大阪公演Day2 セットリスト

1 Addiction
2 半信半疑
3 Start over!
4 嵐の前、世界の終わり
5 Nightmare症候群
6 マンホールの蓋の上
7 流れ弾
8 ノンアルコール
9 自業自得
10 真夏の大統領
11 紋白蝶が確か飛んでた
12 ドローン旋回中
13 恋愛無双
14 夏の近道
15 死んだふり
16 偶然の答え
17 TOKYO SNOW
18 Nothing special
19 I want tomorrow to come
20 港区パセリ
21 UDAGAWA GENERATION
22 何歳の頃に戻りたいのか?
23 もう一曲 欲しいのかい?
24 承認欲求
25 Make or Break

En1 Buddies
En2 櫻坂の詩

櫻坂46 13th Single
発売日:2025年10月29日(水)
-CD Package-
https://sakurazaka46.lnk.to/20251029_13thSingle_PKG

【Blu-ray付き】
初回仕様限定盤 TYPE-A / SRCL-13430~13431 / ¥2,000 (tax in)
初回仕様限定盤 TYPE-B / SRCL-13432~13433 / ¥2,000 (tax in)
初回仕様限定盤 TYPE-C / SRCL-13434~13435 / ¥2,000 (tax in)
初回仕様限定盤 TYPE-D / SRCL-13436~13437 / ¥2,000 (tax in)

★初回仕様限定盤・封入特典★
応募特典シリアルナンバー封入
メンバー生写真(各TYPE別より1枚ランダム封入)

【通常盤/CDのみ】
CD only / SRCL-13438 / ¥1,200 (tax in)

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