“Y2K”という言葉が広まってからすでに数年。2000年代を彩ったデニムやロゴT、アイコンバッグがZ世代の感性に触れ、再び人気を博している。懐かしさを残しつつ、現代風にアップデートされたY2Kな名品を、最新の取り入れ方とともにご紹介。
「バレンシアガ」の“ル・シティ”
XNY/Star Max//Getty Images
2001年に登場した「バレンシアガ」の“ル・シティ”は、レザーにスタッズとフリンジを配したエッジィなデザインと、デイリーユースに最適な収納力を兼ね備えた元祖“エディターズバッグ”として、Y2Kのファッションシーンを席巻。ケイト・モス、オルセン姉妹、サラ・ジェシカ・パーカーといった2000年代を代表するファッションアイコンほか、海外のジャーナリスト&スタイリストたちがこぞって愛用し、瞬く間にブームを巻き起こした。
そして昨年、Y2Kリバイバルに呼応するかたちで“ル・シティ”が待望の復活。かつてのステータス感は今のファッションシーンでも健在で、ベラ・ハディットやテイト・マクレーなど現代のトレンドセッターたちの心をわしづかみ。懐かしいのに新しいY2Kアイコンとして、再び脚光を浴びている。
BALENCIAGA
バッグ¥341,00(予定価格)/バレンシアガ
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「クロエ」の“パディントン”
Valentina Frugiuele//Getty Images
同じく2000年代を代表するitバッグである「クロエ」の“パディントン”が、2025-26年秋冬のランウェイで約20年ぶりにカムバック。2004年当時のディレクターだったフィービー・ファイロが手掛けたバッグは、大胆かつアイコニックな南京(なんきん)錠のハードウエアが話題をさらった。
現代版“パディントン”は、当時の雰囲気に洗練性を加えて軽量化。ジェシカ・アルバやミーシャ・バートンがかつて愛用したバッグを、今はRed Velvetのスルギやテイラー・ヒルらがフロントローで手にする時代。ノスタルジーと新鮮さをまとって、再び“欲しいバッグ”として存在感を放っている。
Farfetch
バッグ¥185,300(輸入関税込み)/クロエ プレオウンド(ファーフェッチ)
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「ジャンポール・ゴルチエ」のパワーネットGotham//Getty Images
テイラー・スウィフト&トラヴィス・ケルシー
伸縮性のある細かなメッシュ素材に、アート性の高いプリントが施された「ジャンポール・ゴルチエ」のパワーネット。2000年代に人気を博したトップスが今改めて注目され、コレクターやファッションラバーの間で価値が急上昇。身体にぴったりとフィットするデザインと着心地の良さから、最近では“セカンドスキン”とも呼ばれている。
世界的ポップスターのテイラー・スウィフトも愛用者のひとり。ニューヨークの街角で、「ゴルチエ」のセカンドスキントップにミニスカートを合わせ、恋人のトラヴィス・ケルシーとデートする姿がキャッチされている。
Farfetch
トップス¥65,500(輸入関税込み)/ジャンポール・ゴルチエ(ファーフェッチ)
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「マックイーン」のスカルスカーフJoseph Okpako//Getty Images
チャーリー・XCX
「マックイーン」のスカルスカーフは、2003年春夏コレクションで発表されると、ケイト・モスやニコール・リッチー、シエナ・ミラーら名だたるおしゃれセレブがおのおののスタイルで取り入れ世界的に大ヒット。
そんなシグネチャースカーフが、2025年1月放送の「サタデー・ナイト・ライブ」に出演したティモシー・シャラメが着用したことをきっかけに話題となった。同年3月に発表された「マックイーン」2025-26年秋冬コレクションではグリーンのスカルプリントブラウスが登場し、人気の復活を後押し。さらに6月のグラストンベリー・フェスティバルでは、チャーリー・XCXがこのスカルスカーフをトップスとして取り入れた。ジェンダーやスタイル、そして時代を超えて愛されるモチーフはまさに名品。
McQueen
スカーフ¥50,820/マックイーン
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「ディーゼル」のローライズデニム
Edward Berthelot//Getty Images
2000年代初頭、ローライズデニムは当時のスタイルの代名詞としてポップカルチャーを席巻。「ディーゼル」はそのトレンドの中核を担ったブランドのひとつで、セレブたちがクラブやレッドカーペットで身につけた象徴的なデニムスタイルは常に注目の的だった。
2020年、「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンスは、このローライズデニムを再構築。ダメージやフレア、ロゴ使いなど実験的なディテールを加えることで、彼らしい美学と未来的な思考をデザインに落とし込んだ。「ディーゼル」の先進性は今も昔も若者の心をとらえ、Y2Kスタイルの象徴として存在感を際立たせている。
Diesel
デニムパンツ¥35,200/ディーゼル
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「ヴィヴィアン・ウエストウッド」のオーブチョーカー
Ussin Yala//Getty Images
2000年代を象徴するジュエリーと言えば、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」のオーブチョーカー。王冠の宝珠(オーブ)に未来的なエッセンスとして衛星の環(わ)を加えたオーブロゴは、伝統とパンクを融合させた「ヴィヴィアン」らしさの象徴。
そんなオーブチョーカーがY2Kトレンドの真っただ中のTikTokで脚光を浴び、#VivienneWestwood や #orbnecklace のタグが着用動画とともに拡散。ノスタルジックでいて今のムードにもフィットすることから、Y2Kリバイバルのキーピースとなっている。新しい“かわいい”を体現する逸品を今また手に入れたい!
Vivienne Westwood
チョーカー¥140,800/ヴィヴィアン・ウエストウッド
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「ヴィヴィアン・ウエストウッド」のチェックスカートKi Price//Getty Images
ドウチー
オーブチョーカーやラブジャケットなど数々の名品を生み出した「ヴィヴィアン・ウエストウッド」。そのなかでも特に象徴的なアイテムと言えばチェックスカート。
英国伝統のタータンチェック柄をパンクなアティチュードで解釈したスカートは、1970年代からブランドの象徴であり、2000年代には“反骨のスクールガール”スタイルとして支持を拡大。ミニ丈やアシンメトリー、バッスル付きなど、挑発的で自由なスタイルを体現。
2025年のグラストンベリー・フェスティバルでは、ラッパーのドウチー(Doechii)がカスタムしたタータンチェックのミニスカートをステージ衣装に採用。テーマは“スクール・オブ・ヒップホップ”。個性を解放するアイコンとして、Z世代からの支持も厚いドウチーが着用したことで、ブランドの人気がさらに加速しそう!
Vivienne Westwood
スカート¥70,400/ヴィヴィアン・ウエストウッド
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「マーク ジェイコブス」の“ザ スタム”Gotham//Getty Images
エミリー・ラタコウスキー
「マーク ジェイコブス」の2005年秋冬コレクションで登場した“ザ スタム”は、当時ブランドのミューズだった人気モデル、ジェシカ・スタムの名を冠したバッグ。ふっくらとしたキルティングレザーに、ゴールドのチェーンストラップとキスロック金具を合わせたクラシカルなデザインで、瞬く間にセレブの間でアイコン的存在に。
その後2013年に販売終了となったが、Y2Kスタイルの再燃を受けて、2023年春に復刻。キャンペーンにはパリス・ヒルトンやセルマ・ブレア、アシュリー・シンプソンなど、2000年代のitガールたちが再集結。エミリー・ラタコウスキーがミニサイズを愛用するなど、今のムードにもフィットするタイムレスな逸品だ。
Marc Jacobs
バッグ“ザ スタム”¥235,400/マーク ジェイコブス カスタマーセンター
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「イザベルマラン」のウェッジスニーカー
Jeremy Moeller//Getty Images
2010年代前半にウェッジスニーカーブームを巻き起こした「イザベルマラン」のウェッジスニーカーは、シークレットヒール、ベルクロストラップ、大ぶりのシュータンにより、快適さとエッジィなスタイルを両立。当時はビヨンセをはじめ、キム・カーダシアンやジゼル・ブンチェンといったセレブらがこぞって着用し、ファッションシーンを席巻した。
そんなスターシューズの復刻モデル“バルスキー”が2021年に再登場。BLACKPINKのリサがMVで着用したことでも話題となり、最近では韓国俳優のナナやシンガーのタイラらがプライベートで愛用する姿がスナップされている。
Isabel Marant
スニーカー¥97,900/イザベルマラン
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「ティンバーランド」のイエローブーツ
「ティンバーランド」のイエローブーツは、耐久性と防水性に優れたワークブーツとして誕生。2000年代には、ジェニファー・ロペスやリアーナといったセレブリティがスエットやローライズデニムと合わせて着用し、Bガールスタイルの象徴としてストリートファッションをけん引。
そして今再び、このイエローブーツが注目の的になっている。ストリートアイコンたちは、ミニスカートやクロップド丈パンツとの掛け合わせで、今どきのバランスにスタイリング。リアーナは、今も変わらずこのブーツを愛用する姿がたびたびキャッチされている。
Timberland
ブーツ¥30,800/ティンバーランド
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「アディダス オリジナルス」のトラックパンツ
Moritz Scholz//Getty Images
スポーツとストリート、モードをつなぐファッションアイテムと言えば「アディダス オリジナルス」のトラックパンツ。2000年代のラッパーやBガールたちのセットアップコーデは、Y2Kスタイルの象徴として今も多くの人の記憶に鮮明に残っているはず。
今、ヴィンテージ市場やSNSでスリーストライプのトラックパンツの人気が再燃。ブランドも“ADILENIUM”ラインを展開するなど、Y2Kのエッセンスを取り入れたアイテムをリリース。 スポーツミックスな着こなしは、現代のファッショニスタたちの定番だ。
adidas Originals
トラックパンツ¥7,700/アディダス オリジナルス
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「アグ®︎」のブーツAflo
カイア・ガーバー
パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンらLAセレブが愛用し、世界中でブームになった「アグ®︎」のムートンブーツ。一時人気は落ち着くも、Y2Kトレンドやパンデミックをきっかけにメインストリームにカムバック。
特にショート丈の“クラシック ウルトラ ミニ”やプラットフォームモデルは、BLACKPINKのジェニーらが取り入れたことで一時は品薄状態になるほど爆発的にヒット。カイア・ガーバーのスエットやレギンスに合わせるラフな着こなしは、コンフォートスタイルの最前線。おしゃれ賢者の足もとに欠かせないマスターピースとして支持を集めている。
UGG®
ブーツ¥26,400/アグ®︎
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「ア ベイシング エイプ」のカモフラパーカ
Daniel Zuchnik//Getty Images
1993年、原宿カルチャーの中心で誕生した「ア ベイシング エイプ(A BATHING APE)」、通称「エイプ」は、独自のグラフィックセンスと限定生産スタイルでカルト的な人気を博した。なかでも象徴的なアイテムが、カモフラパーカ。
アメリカのヒップホップシーンではファレル・ウィリアムスやリル・ウェインらが愛用し、「エイプ」は世界的なファッションアイテムへと飛躍。現在では、Z世代のY2Kリバイバルとともに再評価が進み、ヴィンテージ市場でも高値を記録。再び脚光を浴びている。
A Bathing Ape
フーディー¥33,000/ア ベイシング エイプ
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「ヒステリックグラマー」のロゴT
「ヒステリックグラマー」のロゴTは、挑発的なグラフィックとユースフルな世界観で、90年代から2000年代初頭の原宿カルチャーを象徴するアイテムとして支持を集めた。
そして現在、BLACKPINKのジェニーやヘイン、そしてベラ・ハディッドといった海外セレブの着用によって、Z世代の間でも再び人気が加速中。大胆なロゴやボディコンシャスなシルエット、クロップド丈といったディテールは、当時のムードを継承しながらも、今の感性でアップデートされている。
HYSTERIC GLAMOUR
Tシャツ¥11,000/ヒステリックグラマー
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「マウジー」のデニムパンツ
日本発信のY2Kスタイルとして絶対に外せないのが「マウジー」のデニムパンツ。同ブランドは、2000年代前半に渋谷109を中心に巻き起こったギャルカルチャーの中心で、当時は誰もがデニムの一本は持っていたと言っても過言ではないはず。
ブランド立ち上げから25周年の節目を迎えた2025年現在、「マウジー」のデニムは海外でも取り扱われるなど人気が衰えない。特にハイライズのフレアシルエットは、色気と力強さを備えた美脚デニムとして愛される、ファッショニスタの永遠の定番品。
MOUSSY
フレアデニム¥18,480/マウジー
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