240年以上の歴史を持つ、イギリスの高品質ニットブランド「JOHN SMEDLEY(ジョン スメドレー)」。クオリティの高さと洗練されたシルエットが生み出す、クラシカルかつラグジュアリーな佇まい。世界中で愛され続ける、タイムレスなニットブランドだ。
JOHN SMEDLEYといえば、「シーアイランドコットン」という素材にこだわったアイテムを作り続けていることで知られている。今回は株式会社リーミルズ エージェンシーの道廣 元昭さんに、このシーアイランドコットンという素材や、夏におすすめのアイテムについても詳しく伺っていきたい。
シルクのような光沢とカシミヤのような上質な肌触りのシーアイランドコットン
JOHN SMEDLEYは、1784年創業。もともとは、良質な靴下や肌着、ナイトウエアを作るところから始まった。そこで培われたハイゲージニットの技術が、現代のJOHN SMEDLEYのルーツだ。
このハイゲージニットは、秋冬はメリノウール、春夏はシーアイランドコットンで作られる。シーアイランドコットンの持つシルクのような光沢と、カシミヤのような上質な肌触りが、JOHN SMEDLEYの個性を際立たせている。
まずは、このシーアイランドコットンについて知っていこう。
「認定種子を使用し、再生型農法で1年かけて慎重に栽培され、アメリカ農務省の厳格な繊維等級認定を受けた超長綿[1]だけが、シーアイランドコットンとして認められます。
希少性の高さと栽培の難しさから、コットンのなかでも最高級の天然繊維として世界的に知られている素材ですが、JOHN SMEDLEYでは古くからこの希少なコットンを厳選して使用しています」
JOHN SMEDLEY随一の定番モデル「ISIS(アイシス)」
素材について知ったところで、シーアイランドコットンをふんだんに使ったアイテムを見せていただこう。まずは、「ISIS(アイシス)」というニットポロ。JOHN SMEDLEYを代表する定番アイテムだ。
「JOHN SMEDLEYが肌着から現代のかたちになっていったのは、1900年ごろからと聞いています。そのなかでもISISは90年ほど前からあるモデルで、ブランドの代名詞的なアイテムとなっています。特徴は30ゲージのシーアイランドコットンを使用していることです。このISISに限らず、春夏アイテムは全体の9割が30ゲージと24ゲージでラインナップされています。
ポロとしては大きめの襟、3つボタン、長めの袖、そして裾と袖口に付いたリブが特徴的です。もうひとつ、リンキングという専用の機械を使い、網目を合わせて編み付けていく技法で、ファッションショルダーという袖付けの仕様も特有の雰囲気を醸し出しています。
ポロシャツというと、鹿の子で汗の吸収がよいなど、一般的にはスポーティーな印象があるかと思いますが、JOHN SMEDLEYではドレスのイメージです。編み地もスムースで、ポロというよりは用途的にシャツに近く、ドレス的なニットシャツといったところですね。
シルエットも綺麗でクラシカルなイメージです。普段はボタンを1つ開けて着るのもよいですが、ジャケットなどを上に羽織るときは、ボタンを一番上まで閉めて着ると襟のかたちとVゾーンが綺麗に見えます」
