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Tairaの臨床モデル学 / Taira’s Gender Studiesで、モデルの視点から社会を多角的に考察してきたTairaによる新連載「TAIRAのノンバイナリーな世界」では、日頃から何気なく成り立っている身の回りの「組み分け」にスポットライトを当てる。

曖昧なことやラベルを持たないことに不安を抱きがちで、なにかと白黒つけたがる私たち(と世間)だけど、こんなにも多彩な個性や価値観が共生する世界を、ゼロか100かで測れるのか。日常に潜む多くの「組み分け」を仕分けるものさしを改めて観察し直してみると、新しい世界や価値観に気づけるかもしれない。

モデルでライターのTairaが物事の二項対立的(バイナリー)な見方を取り払い、さまざまなトピックを「ノンバイナリー」に捉え直していく。

vol.9 美しい/醜い

モデルの多様性はどこへ?──ファッションモデルが解体する「美の基準」の光と影【TAIRAのノンバイナリーな世界 vol.9】Q1. “美しい”って何だろう?

どんなものを「美しい」と感じるのかは個人の自由で、その基準は主観的なものであるはず。けれど、世間的に「美しい」と認識されるためには、社会文化的に育まれ共有された暗黙の評価基準を満たしている必要があるように思う。

例えばアートの世界でも、果たしてどのような美術作品に価値が置かれ、どういったアーティストが評価されているのか、そこにハッキリとしたバロメーターはない。展覧会や美術館を訪れるたび、作品の価格のつけられ方や注目のされ方などにどこか不思議な感覚を覚える。有名な美術館などでは、一般的に“見どころ”とされている作品の周りには人だかりができて多くのシャッターが向けられているのに対し、すぐ隣に展示された作品群に対してはあまり関心が向けられていない光景を目の当たりにする。正直なところ、「美しさ」とは社会文化的な構造のなかで作り上げられている側面が大きいのではないかと考えている。

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