8月6日(現地時間)、アメリカ発のビューティブランド、エルフ ビューティ(e.l.f. Beauty)は、2025年6月30日を期末とする2026年度第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の3億5,370万ドルを記録し、これで26四半期連続となる売上高および市場シェアの成長を達成。同社の成長軌道は依然として安定しており、業界内での存在感をさらに強めている。
この好調な決算について、会長兼CEOのタラン・アミン(Tarang Amin)は次のように述べている。
「第1四半期の好調な業績と210ベーシスポイントの市場シェア拡大は、過去26四半期にわたり続けてきたカテゴリートップの成長の延長にあります。私たちの提供価値、革新的な製品開発、そして従来の枠を超えるマーケティングの力が、こうした成果を生み出しているのです。」
売上は小売およびEコマースの双方で堅調に推移し、国内外での拡大が継続。調整後EBITDAは前年比12%増の8,710万ドルに達し、売上高の25%という高い利益率を維持した。一方で、関税の影響により売上総利益率は69%となり、前年から約215ベーシスポイントの減少となった。
マーケティング、デジタル投資、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)費用の増加により販管費(SG&A)は前年同期比で増加したものの、ブランドのプレゼンスを支える戦略的なコストとして位置づけられている。
「rhode」買収でZ世代戦略を強化
ブランド戦略面では、、今年5月にモデルであり起業家でもあるヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)が創設したスキンケアブランド「ロード(rhode)」の買収を正式に発表。買収額は最大10億ドルで、8億ドルの現金および株式、さらに今後3年間の業績に応じた最大2億ドルのアーンアウトが含まれている。取引のクロージングは年内を予定しており、資金調達には6億ドルの負債が充てられ、一部の株式にはロックアップ期間が設けられている。
ロードはZ世代を中心とする若年層から高い支持を得ているブランドとして広く認識されており、この買収によりエルフ ビューティのポートフォリオの多様性と戦略的優位性がさらに強化されると期待されている。既存ブランドによるマス市場での展開に加え、文化的影響力を持つインフルエンサーを取り入れたハイブリッドな成長戦略が、次なる成長ドライバーとなるだろう。
今後の見通しと成長余地
なお、2026年度上期について同社は、売上高の伸びが第1四半期の9%を上回ると見込む一方で、関税コストの増加により、調整後EBITDAマージンは前年同期の23%から約20%へと一時的に低下する見通しを示している。
エルフ ビューティは、価格帯の手頃さとクリーンビューティの哲学を軸に、若年層や新興市場への浸透を図ってきたブランドだ。近年は「エルフ スキン(e.l.f. SKIN)」や「ナチュリウム(Naturium)」の買収を通じてスキンケア分野の強化も図っている。今回の決算発表は、こうした成長戦略が着実に成果を上げていることを裏付けるものであり、ブランドとしてさらなる進化の段階へと歩みを進めていることを示している。
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