自宅や介護施設などに出向き、カットやパーマなどの美容サービスを提供する「訪問美容」が今、県西部で広がりを見せています。
高齢者や不登校など外出が困難でもおしゃれがしたい、その願いをかなえる1人の女性を取材しました。
■「きれいをあきらめないで」(訪問美容リリー・木村早百合 代表)
「外出が困難でも、きれいをあきらめないでもらいたい」
そう話すのは美馬市穴吹町で、「訪問美容リリー」を営む、木村早百合さん44歳。
■2年前に「訪問美容室リリー」開業
木村さんは2年ほど前から、吉野川市から三好市にかけて、高齢者や不登校など外出が困難な人の自宅や施設を訪ねて、カットなどを行っています。
■きっかけは「幼い日の出来事」
「訪問美容師」を目指したきっかけは、幼い頃に目にした、忘れられない出来事でした。
(訪問美容リリー・木村早百合 代表)
「小学校の時に自分自身のおばあちゃんが、下半身が不随で寝たきりだったんです」
「お父さんがカットしよったんですけど、素人なんで気に入らんのよね、おばあちゃんは」
「ほんで『私は女なのに、こんなに短こうにしてからに』って言って、ごっつい怒ったんですよ」
「それを見て、やっぱり女性っていつまでもきれいにおりたい」
「どんな状況になっても、きれいでおりたいんやなって強く思ったので」
その想いを胸に木村さんは、美容師の資格と高齢者をサポートしようと、介護福祉士の資格を取得。
その後、県内の美容室で訪問美容の経験を4年間積んで、リリーを開業しました。
■介護福祉士の視点から…
依頼先に向かう準備をする、木村さん。
介護福祉士の視点から、あえて重量を重くしたアイテムがあります。
(訪問美容リリー・木村早百合 代表)
「イスはやっぱり軽いと、おばあちゃんが掴まるので」
「やっぱり、しっかりした重たいイスじゃないと、身体の不自由な方が不安なので」
10点ほどの道具を詰め込み、事務所から車を走らせること約15分。
勾配が激しい山道を抜けて、訪問先に到着しました。
(訪問美容リリー・木村早百合 代表)
「おはようございます、きょうパーマとカラーしような」
(利用者)
「カラーと・・・」
(訪問美容リリー・木村早百合 代表)
「パーマもするやろ?」