ベルリン・ファッション・ウイークの“今”を知るための5つのポイント

ベルリン・ファッション・ウイーク(以下、BFW)は、シーズンを追うごとに国際的なショーケースとしての存在感を高めている。6月30日から4日間にわたって開催された2026年春夏は、30ブランドが公式ショースケジュールに名を連ねたほか、サイドイベントとしてもショーやプレゼンテーション、ショールーム、トークイベントなどが盛りだくさん。セールスとのつながりが依然弱かったり、会場が東西に散らばっていたりと課題はあるものの、個性豊かなラインアップで盛り上がりを見せた。日本ではまだ知られざるBFWの“今”を5つのポイントに分けて解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月28日号からの抜粋です)

1. 州の積極的な支援

州の積極的な支援

BFWの勢いを後押ししているのは、ベルリン州経済・エネルギー・公共企業局からの支援。23年から年間400万ユーロ(約6億8800万円)の助成金をBFWのために支給しており、その恩恵を多くのデザイナーが受けている。例えば、ショー開催の支援策「ベルリン コンテンポラリー(BERLIN CONTEMPORARY)」では今回19ブランドが選出され、それぞれ2万5000ユーロ(約430万円)を受け取った。フランツィスカ・ギファイ(Franziska Giffey)副市長兼同局担当上院議員(写真)は、「ファッションは経済の原動力のみならず、ベルリンが欧州で最も革新的な都市であることを示す重要な産業」とし、今後も支援を継続していく計画を表明。国際化推進のため、9月には韓国、11月には日本へのデザイナー代表団の派遣も予定している。

2. 成長を見せるローカルデザイナー

BFWの醍醐味の一つは、年々成長を見せるローカルデザイナーの存在だ。まだ国際的な知名度は低いものの、独自の世界観やコミュニティーを大切にしながら、クリエイションをブラッシュアップしたり、新たな挑戦に取り組んだりしている。ここでは、象徴的な4ブランドを紹介する。

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