
レビュー&テキスト:okkaaa
エレクトロニカやJポップを始めるのに持ってこいのサンプル・パックが登場。タイトルに“ボタニカ(植物性)”とある通り、草原のように穏やかで風通しが良く、牧歌的な質感を感じさせるテクスチャーのループやワンショットをWAVファイルで豊富に収録しており、まるで呼吸をしているような電子音の波動が、幅広いジャンルにフィットする。
印象的なのが、アンビエント感とネイチャーな質感を併せ持つテクスチャー系の音。“texture_bells_CMaj”や“texture_atmos_A#maj”、“texture_transmission_AMaj”などのファイルをループに差し込めば曲全体に静かに動き出すような気配が生まれ、イントロに置くだけで何かが始まりそうな予感を感じさせ心が躍る。“Melody Loops”フォルダには爽やかな素材が多く、“melodic_piano_tonk_lofi_BbMaj”のピアノをカットアップしたところ、グルーヴの軸として機能しながら、抜けが良いトーンで耳に残るフレーズができた。
ドラムはしっかり鳴るキックと軽やかなハットのコントラストが心地良く、優しい音色設計によりJポップ的な親しみも感じさせる。また、“Song Starters”フォルダーのループを起点に、好きなコード感のパッドを重ねたり、リズムを組み替えたりするのも楽しい。例えば“songstarter_ethereal_Ebmaj”。透明感あるコードと風の中で鳴る管楽器のような音色のたった数小節のループが、曲の世界を立ち上げる。シンプルながら自然と手が動くような魅力が満載で、音に揺らぎを与えたいとき、静かな刺激をくれるパックだ。
okkaaa

【Profile】ミュージシャン/ライター/フォトグラファーというさまざまな側⾯を持つ今期待の新世代DIYアーティスト。心地よく響くウィスパー・ボイスと歌詞が特徴で、ヒップホップ、R&B、ゴスペルなどさまざまなジャンルの要素を感じることができる。楽曲制作もさることながら、ミュージック・ビデオの制作、楽曲のジャケットやwebサイトなどもすべてセルフ・プロデュースしている。2019年2⽉には楽曲「シティーシティー」がSpotifyのバイラル・チャートにランクインし、2019年7⽉にはSpotifyの新人発掘プロジェクト「Early Noise」のカバーを飾る。Enter Tech Lab主催『CHACCA CHALLEGE』で最優秀賞を獲得。シングル「積乱雲」は2019年のベスト・ミュージックとして数多くのキュレーターからピックアップされ、グラミー賞にノミネートされたプロデューサー/DJのstarRoなど、日本の最もホットなプロデューサーからの支持を得ている。2020年にはVirgin Music Label and Artist Servicesから、シングル「CODE」および5曲入りEP『ID20』をリリース、作品の幅を広げるとともに新たなリスナー層をつかんできている。9月にはシングル「煌めき」、11月にはシングル「明晰夢」をリリース。流動的でボーダーレスな芸術性を持つokkaaaは、インディペンデントな姿勢を保ちつつ、現⾏シーンを横断する今期待のマルチクリエイターである。
SOUNDSMITHS
SYNTHETIC FLORA – BOTANICA BEATS
5,302円
(為替レートによる価格の変動あり)
▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:297MB ▪データ・フォーマット:WAV
