Yolancris/ヨーランクリス
「パラドックス」と銘打って、伝統と革新、ボーホーとクチュールといった二面性を表現したのは、バルセロナ発のヨーランクリス。今季は、ペレス家に継承される技術に手描きチュールやミカドシルク、繊細なレースやかぎ針編みを用い、職人技と現代性が融合。不完全さが紡ぐ美、丁寧な手仕事、創造性を反映しました。
Giambattista Valli/ジャンバティスタ・ヴァリ
昨年、バルセロナ・ブライダルナイトで初のブライダルランウェイを披露したジャンバティスタ・ヴァリ。第4弾となる今季は、12カ月それぞれに捧げるドレスで構成されました。手刺しゅうによるクチュールクオリティのオリジナルファブリックが彩り、クラシックとイノベーションが交差する、美のクロスオーバーが体現されたコレクションに昇華されています。
Georges Hobeika/ジョルジュ・オベイカ
卓越した刺しゅう技術を誇るレバノン出身のジョルジュ・オベイカ。息子ジャド・オベイカが共同クリエイティブ・ディレクターに就任して以来、タイムレスなエレガンスとモダニズムが溶け合うピースで魅了し続けています。今季は、繁栄と女性らしさを象徴する麦の穂や星空を描いたポエティックな刺しゅうが登場。清らかで洗練されたムードが漂います。
Antonio Riva/アントニオ・リーヴァ
イタリアのトップメゾンである、アントニオ・リーヴァは、花嫁の心の軌跡をドラマチックに描いた「アーバン・ドリーム(都会の夢)」を発表しました。19世紀のクラシカルなスタイルを、モダンな感性で再解釈。オーガンザやミカドシルクなどの上質素材に、フリルやリボン、サンレイプリーツを加え、構築的で優美なシルエットを描き出しました。
Marco & María/マルコ&マリア
一篇の物語を紡ぐようなコレクションで魅了する、スペイン・テネリフェ島出身のマルコ&マリア。今シーズンは画家ローレンス・アルマ=タデマに着想を得て、光と色彩、花咲く庭園や時を重ねた大理石の質感を、繊細な素材と刺しゅうで表現。古典と現代が交差する幻想的な世界で、普遍的な美しさとロマンチシズム、フェミニニティを讃えました。
Sophie et Voilà/ソフィーエトヴォイラ
建築とアートの街・スペインのビルバオから生まれたソフィーエトヴォイラは、今シーズンも構造的なフォルムや彫刻のようなドレープを披露しました。構築性とミニマリズムが共存する佇まいは、静謐でありながら揺るぎない存在感を放ち、会場を魅了。今回は”撮影禁止”という異例の形式で行われ、ゲストたちは自らの目でルックを記憶に焼き付けることに。
Text:AYUKA CHELSEA MATSUMOTO