ストックホルム大学でファッションとジェンダー学を学んだスコグは、ジェンダーレスな服をデザインすることに情熱を注いでおり、その想いをこう語る。「どうやって、あるいはなぜ服を性別で分けるのか、私にはよく理解できません。服は着るだけ。さまざまな組み合わせで、さまざまな体に着せることができる。それがファッションのエキサイティングなところだと思います」
LEONÍ レオニ
ストックホルムで最も成功したリテーラーのひとりであるナタリー・シューターマンは2年前、ベックマン(BECKMANN)で経験を積んだデザイナーのフィリッパ・フクスとタッグを組み、レオニ(LEONÍ)を立ち上げた。ふたりは、アートワークやオブジェが並ぶブコウスキーのオークションハウスで2026年春夏コレクションを発表。ミニマリズムにラグジュアリーで洗練されたひねりを加えたコレクションと、ロケーションは見事にマッチしていた。
フクセは京都を訪れたことでインスピレーションを受け、「セレモニーの一種」としての服装について考えるようになったと語る。また、ルックの多くはカスタマイズできるようデザインされている。
SEAMS シームス
最年少参加者のひとりである21歳のダスティン・グリックマンはカリフォルニア生まれ。セントルイスで育ち、7歳のときにストックホルムに移り住んだ。Tシャツとパーカを専門に扱うアバンダント(ABUNDANT)をスタートさせたのは、彼が16歳のとき。そして2023年、設立から5年が経ったシルバージュエリーブランドのシームス(SEAMS)のニマ・ラックが、グリックマンをアパレル立ち上げのために抜擢した。そんな若きグリックマンがデザインするのは、彼いわく「ストリートスタイルにパンキッシュな要素をミックスした」ウェアだ。
今シーズンのショーには、モデルにもヘアメイクチームにも、グリックマンの知り合いのクリエイターたちを起用した。グリックマンとシームスがタッグを組んでからまだ日は浅いが、彼は今、同年代のコミュニティに響くような服を意識しているという。「私たちはスウェーデン発のブランドとして見られたいと思っていますが、この地にはミニマルなブランドばかりではなく、私たちのような存在もあるのだとアピールしたい」と意欲をのぞかせている。
TEMESGEN テメスゲン
STHLMFWのラストを飾ったテメスゲン(TEMESGEN)は、ジミー・テメスゲン・サンドバーグが立ち上げたこの都市のアフリカン・ディアスポラを代表するブランドのひとつ。デビューショーには満員を超える観客たちが集い、このブランドを支持した。サンドバーグは以前、トーゴ系スウェーデン人デザイナーのアンジェロ・ダ・シルヴェイラ(ANGELO DA SILVEIRA)が設立したダイ・モンド(DIE MONDE)に在籍していたことがある(シルヴェイラもまた、会期中に中古ファッション専門のHUMANAとコラボレーションしたコレクションを発表した)。