フランスの新法案「ファストファッション規制法」とは? | 文化放送 - Moe Zine

7月25日(金)、ニュースキャスター・長野智子がパーソナリティを務めるラジオ番組「長野智子アップデート」(文化放送・15時30分~17時)が放送。午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、「ファストファッションの魅力と問題点」というテーマで、ファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏に話を伺った。

手頃な価格で流行の最前線を次々と更新するファストファッション。そのビジネスモデルの構造的な問題に対して、フランスが世界で初めて国としてメスを入れる法案「ファストファッション規制法」を可決した。

長野智子「フランスの新法案『ファストファッション規制法』というのはどういうものなんでしょうか?」

軍地彩弓「ファストファッションというのは、ウルトラファストファッションとファストファッションの二つに分けられるようになったんですけど。『SHEIN(シーイン)』とか『Temu(テム)』みたいな中国の企業が作っている、ものすごく速いスピードで物を生産していって、広告を出して売っていくみたいな仕組み、たとえば今だとTシャツが500円くらいで売っている時ありますよね?」

長野「えー!? 安い」

軍地「そう。そういうあまりにも速くて、あまりにもサプライチェーンを変えていくような仕組みのウルトラファストファッションに対する規制なんですけれども」

長野「あー、なるほど」

軍地「上院がこれを今もう決定したっていうところですね。去年だとファストファッション全体だったのが、上院になった時にウルトラファストファッションの規制になったと。規制ポイントは、いきすぎた広告を全面禁止するということ、あとは特定の環境基準を満たさないものは2030年までに1商品あたり少なくとも10ユーロ、今だと1700円くらい、または税抜き価格の最大50%の罰金が科されると。で、結構値段が変わってくるということなんですね」

長野「いまおっしゃったテムとかシーインとかって、ほとんど中国ですよね?そういうところをウルトラファストファッションって言って、そちら側の企業は何か言ってるんですか?それに対して」

軍地「中国は『私たちはファストファッションじゃない』っていう言い方をしていますね。抗議もしています。これ(ファストファッション規制法)がなぜウルトラファストファッションにシフトしたかというと、それまでファストファッションといわれていたのは『H&M(エイチアンドエム)』とか『ZARA(ザラ)』とか、まぁ解釈によっては『UNIQLO(ユニクロ)』もファストファッションですけれども、それはもう世界中に大きなサプライチェーンがあって、ヨーロッパ中心でできているものだったりしますよね。2013年にラナ・プラザ事件というのがあって、バングラデシュでTシャツ工場が潰れたんですよね。それは劣悪な労働条件と安く物をあまりにも早いサイクルで作ることの弊害として、先進国が開発途上国を踏みにじっているような構図になったので、大きく世界的に規制、ファッションをサステナブルな方向に持っていこうっていう流れが生まれていたんですけれども。なので今、ザラとかエイチアンドエムは、商品の回収だったりリサイクル商材を使うようになっていたり、かなり構造的に変化してきているのが背景にあるんですけれども」

長野「へぇ〜」

軍地「最近、なぜウルトラファストファッションっていうのが台頭してきたかというと、やはりSNSの台頭と、あとは極端に安いものを求める市場が広がってきた」

長野「フランスでは、それがもう出てこなくなるってこと?」

軍地「これから広告を減らしていく方向と、あとタバコに入っているような警告みたいな言葉をちゃんと入れなさい、みたいな表示規制みたいなことを始めていくっていうのと、あまりにも極端に安い物は、ちゃんと環境を配慮していない物作りをしているものに対しては罰金が科せられます」

「長野智子アップデート」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時、文化放送
(FM91.6MHz、 AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間
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