今年は、西城秀樹の死が日本中に衝撃を与えてから7年目、そして生誕70年にあたる。秀樹の光輝く野性に夢中になり15歳で上京してアイドル評論家になった中森明夫氏が、「アイドルを超えるアイドル」だった秀樹の魅力とアーティスティックな先駆性を論じ尽くす――。
今年は、西城秀樹の生誕70年である。1955年4月13日に誕生、2018年5月16日に死去。春に生まれ、春に逝った。享年63。5歳下の私は、ああ、とうとうヒデキの歳(とし)を超してしまったな……とため息をつく。10年前、「ヒデキ、カンレキ(還暦)」なあんてギャグを耳にしたのを思い出した。
西城秀樹は、私にとっても特別なアイドルだ。日本のアイドル文化は、1970年代初頭に生まれたと言われる。天地真理・南沙織・小柳ルミ子の新三人娘、そして野口五郎・郷ひろみ・西城秀樹の新御三家が、その黎明(れいめい)期を盛り上げた。三人娘(美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみ)や御三家(橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦)が、舞台や映画――銀幕のスターだったのに対して、新三人娘や新御三家は、テレビの――お茶の間…
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週刊エコノミスト
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