By

AFP

掲載日

2025年7月11日

インターネット上で低価格で販売されている化粧品の “コピー商品”(スキンケア製品、メイクアップ製品、日焼け止めクリームなど)は、宣伝されているようなお得な商品とはほど遠く、健康を害する危険性があると、化粧品業界の専門家は警告しています。

フランスでは偽化粧品の販売が増加傾向にあります。フランスでは偽化粧品の販売が増加傾向にあります。 – Shutterstock

「ソーシャル・ネットワーキング・サイト、特にTikTokでは、若者たちが既存の化粧品の “偽物 “を見つけると、それを紹介する動画が数十万件投稿されています。

ファンデーション、口紅、モイスチャライザー、サンケア製品。

フランス美容企業連盟(Febea)の法務担当ディレクター、グザヴィエ・ゲアンがAFP通信に語ったところによると、6月4日の世界偽造品防止デーに「警告」を発したのは、偽造品の同類で、「この現象はより微妙で、時には特定が難しい」。

これらの製品は「ますます数が増え」、「若い消費者の間でますます人気が高まって」おり、「健康上のリスク」を表していると同氏は主張。

同連盟がターゲットとしているのは、EU圏外のeコマース・プラットフォーム、主にTemu、Shein、AliExpressといったアジアのeコマース・プラットフォームで販売され、「衛生や品質管理の規制枠外で製造された」製品。

フランスのコンサルタント会社C-Waysが2025年3月にFebeaのために実施した調査によると、フランス人の31%が過去1年間にデュープを購入したことがあるとのこと。しかし、そのうちの96%は、そのリスクについて知らなかったのです。

「重金属とフタル酸エステル 」

「フランスでは、制度は深刻です。しかし、この枠組みから離れ、管理されていないサイトから購入するやいなや、複数の危険に身をさらすことになります」と、毒物学の専門家であり、Expertox研究所の所長であるStéphane Pirnay博士はAFPに説明。

アレルギーのリスクだけでなく、「質の悪い」製品には、禁止されている、あるいは認可された限度を超える「有毒」物質が含まれている可能性があり、これは「真の健康リスク」になり得ると同氏は主張。

毒物学者は化学的リスクについても警告しており、テストされた製品の中には「重金属」や「フタル酸エステル」、内分泌かく乱物質とされる化学物質が定期的に含まれているものもあります。

もう一つの危険は感染症のリスクで、調査された製品の中には多数の病原体が含まれている可能性があります。

「土、石、排泄物、鳥の羽など、偽造品全般から検出されるあらゆるものが検出され、本当に驚いています」とピルネー氏。

フランス西部にあるナント大学の薬学教授で、美容学が専門のローランス・コイファール氏は、このようなプラットフォームで販売されているサンケア製品を調査しています。

SPF50+を謳う2つの偽造品と、いくつかの模倣品を分析しました。

その結果、「どの商品にもUVフィルターは含まれていませんでした。

「日焼けが皮膚がんの主な原因であるにもかかわらず。

コイファードさんにとって、TemuやAliExpressのようなウェブサイトは、偽造品やデュープ製品の「最高の販売ニッチ」であり、ヨーロッパの規制要件を満たすことなく販売されているため、「そこに君臨することができる」のです。

「現象規模の大きさに圧倒 」

欧州消費者機構(BEUC)が2月に発表した調査によると、テムで購入されたテスト製品の80%以上が欧州の法規制に準拠していませんでした。

化粧品の場合、最も重大な欠陥は成分表の欠落や誤記であり、実際に何が含まれているのかを知ることは不可能でした。

「このような価格を設定している以上、安全性評価を合理的に行うことはできません」とグザヴィエ・ゲアンは指摘します。

また、たとえ規制が存在するとしても、「市場があまりにも巨大なため、プレーヤーは現象の規模に圧倒されています」とコイファール氏。

アプリケーションから直接購入できるTikTokショップについて、グザビエ・ゲアンは、売り手と買い手がより直接的につながることで、ダフ屋や模倣品業者が利益を得ることを懸念しています。

彼はFebeaとともに、「グレーゾーンを明確にする」ために法的枠組みを強化し、取締りにもっとリソースを割くよう求めています。

Chloé RABS
2025年7月11日、パリ発(AFP=時事)

無断複製・無断転載禁止
© 2025 Agence France-Presse
この記事(もしくはこのページ全体)にある情報は、フランス通信社の権利下にあります。 フランス通信社の許可なくこれらの情報を複製・編集・転載・翻訳・商業利用・その他再利用することは硬く禁じられています。フランス通信社は、遅延・誤り・ 遺漏、あるいはこのページの情報を元に行われた行為やその結果に対して、一切の責任を負いかねます。

Write A Comment