「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガンが監督を務め、DCユニバースの新たな幕開けを告げる『スーパーマン』(7月11日公開)。本作の吹替キャストとして声優のささきいさおが参加していることが明らかとなった。
普段はクラーク・ケントとして大手メディアであるデイリー・プラネット社の新聞記者として平凡に働き、その正体を隠すスーパーマン(デイビッド・コレンスウェット)。そんな彼を人類の脅威と考え、陥れようとする最大の宿敵であり、最高の頭脳を持った天才科学者にして大富豪レックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)に立ち向かう。絶体絶命のピンチに颯爽と現れ、その超人的なパワーで人々を救いだすスーパーマンの姿は誰もが憧れを抱くものだったが、時に国境さえも飛び越えていく“無尽蔵なヒーロー活動”は民衆からも政府からも問題視され始めていく。
ささきいさおが『スーパーマン』の日本語吹替キャストに![c] & TM DC [c] 2025 WBEI
「あなたも空を翔べる!(You’ll Believe a Man Can Fly)」というキャッチコピーでも有名な『スーパーマン』(78)。クリストファー・リーヴが主演し、リチャード・ドナーが監督を務めて当時の最新技術を駆使して制作された同作は、初めて全世界規模で公開された「スーパーマン」の映画であり、驚くべき映像体験をさせてくれる革新的な映画として、興行収入が全世界累計3億ドルを記録する大ヒットを叩きだした。全世界の人々が「スーパーマンと言えばクリストファー・リーヴ」と考えるまでの存在となったこのスーパーマンの吹替を担当したのがささきであり、1987年にかけて公開されたシリーズ全4本に参加した。
ささきが担当するのは、スーパーマンことクラーク・ケントの地球での育ての父親であるジョナサン・ケント(通称ジョン)。今回のオファーについて彼は、「僕はもう『スーパーマン』に出たりかかわったりすることはないだろうと思っていたところでお話をいただいたので、『なんの役?』と聞いたらお父さんだと。しかも、クリプトン星の実の親(ジョー=エル)ではなくて、地球のお父さんと聞いて、いままでやったことのないような役だったので驚きました」と振り返る。
また、故郷で息子の活躍を見守るジョナサン役を演じるうえでこだわった点について、「田舎っぽく出来るといいなと思いつつ、僕がやるとどうしても都会的になってしまうので苦労しましたが、『地球の親ってこういう考えなんだよ』という優しい気持ちや、親としての信念のようなものを、あまり押しつけがましくなく出せるといいかなと思いながら演じました」と明かしている。
1983年に『スーパーマン』吹替版がテレビで放送された当時から、リーヴが演じるスーパーマンの声を担当してきたささきは、「スーパーマンは子どもの頃から憧れの存在で、幼い頃にまずはコミックでスーパーマンを知って、それから実写のスーパーマンを観て。機関車よりも速くて強くて、かっこいい。そしたらいきなり僕がスーパーマンをやることになって、『えっ!僕がスーパーマン!?』と思ったのをよく覚えています。クリストファー・リーヴは僕にとって忘れられない役者なんです。本当に素晴らしい役者さんでした」と、スーパーマンへの強い想い入れを言葉にする。
続けて、「色々なスーパーマンを見てきましたが、今回新たにスーパーマンの物語が始まるというのを知った時はびっくりしましたね。僕自身とても期待していますし、本当にじっくり観るのが楽しみです。そして、こんな素晴らしい作品にかかわらせていただいたので、本当に楽しみたいです。スーパーマンはやっぱりヒーローの王道と言える存在ですからね。何度観ても面白いので、ファンのみなさんもぜひ楽しみにしていてください」と新たに紡がれるスーパーマンの物語に期待を寄せるファンに、熱いメッセージを贈った。
さらに、宿敵ルーサーに追い詰められ、世間からの批判を一身に受け、思い悩むスーパーマンの背中を優しく押すジョナサンの言葉が映しだされる日本語吹替版の予告もあわせて解禁となった。
劇中ではスーパーマンを“希望の象徴”として支持する人々がいる一方で、誰にも止められない無尽蔵なヒーロー活動を理由にスーパーマンを“人類の脅威”とみなし反発する人々による批判がスーパーマンに降りかかる。ただ「目の前で傷ついている人を救いたい」というシンプルで力強い願いの元、人々の平和を守り続けるスーパーマンだが、SNSで叩かれ、市民にゴミを投げつけられ、さらに強敵を前にして自身の信念も揺らいでしまう。
そんな時、育ての父ジョナサンによる「お前の選ぶ道、お前の行いが、お前が何者かを決めるんだ」という言葉によって、スーパーマンは再び立ち上がる。目の前で傷つく人を決して見捨てない、希望の象徴であるスーパーマンへの期待がますます高まる映像となっている。
ついに本日より公開となる『スーパーマン』。ぜひ映画館の大スクリーンで見届けてほしい。
文/平尾嘉浩