【怖い話】最終電車【朗読】#怖い話 #怪談 #朗読
最終電車内には霧が立ち込め誰も言葉を 発さない列車は闇の中を滑るように進んで いた。座席にうくまる直は必死に現実感を 掴もうとしていた。事故そう確か夜の道夫 と車で帰る途中急な飛び出しにハンドルを 切ってだがなおはなぜ自分がこんな電車に いるのかまでは思い出せなかった。 かずや隣の席に夫の姿があった。顔色が 悪く口を開けようとしない。まるで何かを 受け入れてしまっているかのように窓の外 には異様な駅名が次々と現れていた。豪華 通り帰国ヶ原ノめ池前見たこともない不吉 なものばかり。これ現実じゃない。夢だよ ね。違うよ。低く響いた声。顔をあげると 痩せ細った男。車掌が立っていた。制服は すけて古びている。お前らは死んだ2人 ともな。だが、まだ認めきれていない魂 だけがこの列車の中で選択を許される。 選択1人をこの電車から突き落とせばお前 は戻れる。少者の世界にもう1度だけなお は言葉を失い座席に沈み込んだ列車は再び 走り出す。車内には誰も動かず誰も言葉を 発さない。ただ窓の外に現れる駅名だけが 何かを警告していた。血池3丁目小つ用前 残種が丘無限地獄どこで降りてももう戻れ ない。そこにいるのはみんな地獄の住人。 なおの手は膝の上で震えていた。嘘よ。 こんなの現実なはずがない。隣のかやは相 変わらず俯いたまま何も言わない。まるで 自分の運命を受け入れた人間のようになお は耐えられなかった。目を閉じても駅名が 浮かぶ血と炎と怨念に満ちた場所。この まま走り続ければいずれ自分もあの中に 飲まれる。そんな予感があった。戻りたい 。怖い。ここにいたくない。鼓動が早く なる。呼吸が浅くなる。指先が冷える。 そしてある考えが脳りをよぎる。かやが 代わりに行けばいい。自分が行かなくても いい。誰か1人が落ちればいい。だったら 彼がこの人にはもう未練がないじゃない。 なおは立ち上がり夫の手を引こうとした。 ごめんでも私行きたいの。あなたが言って くれれば私はかずやは俯いたまま小さく首 を振った。それがお前の本心か。最後に 知れてよかったよ。うるさい。私の代わり にさっさと地獄へ行って私だけでも 生き返るの。なおはかやの肩を掴んで窓の 方へと強引に引っ張った。その時だった窓 から半神を乗り出したなおの首元に強音と 共に何かが振り下ろされた。視界が一瞬で 安転し、自分の体が崩れ落ちるのを首だけ で見た。振り向いたそこには金棒を持った 巨大な鬼。目は燃えるような赤、顔は怒り と像で染まっていた。他者を犠牲にしよう とした魂。最も深く落ちるべし。 地獄の底よりさらに下戸人の奈クエ相関。 車掌は目を伏せたまま無言で合図を送る。 列車が再び動き出す。次の駅は戸人絶島。 かやはただ静かに座っていた。まぶを閉じ 何かを祈るようになおの魂は転生も再生も 許されぬ最強の地へと引きずり込まれて いった。愛を裏切ったものに救済の光は 2度と刺さない。転生も救済も許されず 永久に沈んでいく。
【怖い話】最終電車【朗読】#怖い話 #怪談 #朗読
Narration by 動画制作会社VIDWEB(https://vidweb.co.jp/)
日常のすぐ隣に、恐怖はひそんでいる。
「身近に潜む怖い話」では、ふとした瞬間に感じる違和感、見えない気配、思い出すと眠れなくなる体験談など、誰の周りにも起こりうる“リアルな怖さ”をお届けします。
一日3話アップ予定。
最終電車
車内には霧がたちこめ、誰も言葉を発さない。列車は闇の中を滑るように進んでいた。
座席にうずくまる奈緒は、必死に現実感をつかもうとしていた。
事故。そう、たしか夜の雨道、夫と車で帰る途中。急な飛び出しにハンドルを切って……。
だが、奈緒はなぜ自分がこんな電車にいるのか、までは思い出せなかった。
「……和也……」
隣の席に、夫の姿があった。顔色が悪く、口を開けようとしない。まるで、なにかを受け入れてしまっているかのように。
窓の外には、異様な駅名が次々と現れていた。
「業火通り」「鬼哭ヶ原」「膿溜池前」……見たこともない、不吉なものばかり。
「これ……現実じゃない。夢だよね……?」
「違うよ」
低く響いた声。顔を上げると、痩せ細った男。――車掌が立っていた。制服は煤けて古びている。
「おまえらは死んだ。二人ともな。だが……まだ認めきれていない魂だけが、この列車の中で“選択”を許される」
「選択……?」
「誰か一人を、この電車から突き落とせば――おまえは戻れる。生者の世界に、もう一度だけ」
奈緒は言葉を失い、座席に沈み込んだ。列車は再び走り出す。車内には誰も動かず、誰も言葉を発さない。
ただ、窓の外に現れる駅名だけが、何かを警告していた。
「血ノ池三丁目」。
「骨供養前」
「斬首ヶ丘」
「無間地獄口」
どこで降りても、もう戻れない。
そこにいるのは皆、地獄の住人。
奈緒の手は、膝の上で震えていた。
「嘘よ……こんなの、現実なはずがない……」
隣の和也は、相変わらずうつむいたまま、何も言わない。まるで自分の運命を受け入れた人間のように。
奈緒は耐えられなかった。
目を閉じても駅名が浮かぶ。
血と炎と怨念に満ちた場所。
このまま走り続ければ、いずれ自分も、あの中に飲まれる。
そんな予感があった。
――戻りたい。
――怖い。
――ここにいたくない。
鼓動が速くなる。呼吸が浅くなる。指先が冷える。
そして、ある考えが脳裏をよぎる。
「和也が……代わりに行けばいい」
自分が行かなくてもいい。
誰か一人が落ちればいい。
だったら、彼が……。
「この人にはもう、未練がないじゃない」
奈緒は立ち上がり、夫の手を引こうとした。
「……ごめん。でも、私……生きたいの。あなたが行ってくれれば、私は――」
和也はうつむいたまま、小さく首を振った。
「……それが、おまえの本心か。最後に知れて良かったよ……」
「うるさい!。わたしの代わりに……さっさと地獄へ行って 私だけでも、生き返るの!!」
奈緒は和也の肩をつかんで窓の方へと強引に引っ張った。
そのときだった。
窓から半身を乗り出した奈緒の首元に、轟音とともに何かが振り下ろされた。
視界が一瞬で暗転し、自分の体が崩れ落ちるのを、首だけで見た。
振り向いたそこには、金棒を持った巨大な鬼。目は燃えるような赤。顔は怒りと憎悪で染まっていた。
「他者を犠牲にしようとした魂、最も深く堕ちるべし。汝、地獄の底よりさらに下、咎人の奈落へ送還す」
車掌は目を伏せたまま、無言で合図を送る。列車が再び動き出す。次の駅は「咎人絶界島」。
和也は、ただ静かに座っていた。瞼を閉じ、なにかを祈るように。
奈緒の魂は、転生も再生も許されぬ最凶の地へと引きずり込まれていった。
愛を裏切った者に、救済の光は二度と差さない――。、転生も救済も許されず――永久に沈んでいく。
