ファッションショーにもいろいろあるが、なかには多大な期待をもって迎えられるものもある。6月26日(現地時間)、パリ・ファッションウィークで開催されたドリス ヴァン ノッテンのショーはそのひとつだ。
1986年に「アントワープの6人」のひとりによって立ち上げられたドリス ヴァン ノッテンは、創業者である同名のデザイナーによって運営されてきた。しかし、それも昨年6月までのこと。記憶に残る引退ショーの後、ヴァン・ノッテンの地位はジュリアン・クロスナーによって引き継がれた。昨年12月に新クリエイティブ・ディレクターに就任したベルギー出身のクロスナーは、師匠の後継者に相応しい人物として自身の力量を示してみせた。

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新クリエイティブ・ディレクター就任後初のメンズショー
この日、初のメンズランウェイを経験したクロスナーは、今季のパリ・ファッションウィークで最も成功した2026年春夏コレクションを披露し、ライバルに差をつけた。ドリス ヴァン ノッテンで7年間ウィメンズウェアを担当していた彼は、メンズでも偉大なデザイナーとしての素質を備えていることを証明した。
会場となったパリ東部のナシオン広場近くにある古い格納庫の跡地では、ルー・リードの「パーフェクト・デイ」が流れていた。「完璧な一日」を歌ったこの曲は、ショーが進むにつれ、ぴったりの選曲に感じられるようになっていった。
