Photo: Isidore Montag / Gorunway.com
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パジャマはすべて、シルクではなくコットンで仕立てられている。それが軽やかなムードを演出し、作り込まれていない、こなれた着こなしを実現。パステルカラーの引きひもウエストのワイドパンツとパイピングシャツはあえて無造作に纏われ、スリープウェアとカジュアルウェア、そしてテーラーリングを巧みに融合している。パジャマの上からダブルブレストのブレザー、パーカ、ゆったりとしたカーディガン、レザーのボンバージャケット、ファーやレオパード柄のカバーアップなどを羽織り、タオル地のスリッパやビーチサンダルを履いたモデルたちからは、究極のリラックス感が漂う。一見、どこまでもノンシャランに見えるルックだが、誰が何を言おうとこれはドルチェ&ガッバーナのショー。そこから漂う余裕は、緻密な計算の賜物だ。
Photo: Carlo Scarpato, Andrè Lucat / Gorunway.com
「今の若い世代が実践している、本能的な着こなしなのです」とステファノとドメニコは指摘する。「トレンドやファッショニスタたちに流されない、個性とそのときどきに着たいものを優先する、いわば“ファッションではないファッション”なのです」。おしゃれ賢者たちがストリートで披露しているコーデに常にアンテナを張っているふたりは、最後はそのストリートにショーの舞台を移した。フィナーレにさしかかると、ビジューや刺繍があしらわれた煌びやかなコットンのパジャマに身を包んだモデルたちは、そのまま会場を後にし、ピアーヴェ通りを闊歩。パジャマを現代仕様にアップデートしたドルチェ&ガッバーナは、これからも過去の栄光に甘んじることなく、時代とともに進化していくことだろう。