イベントに登場した狩野英孝（左端）とFRUITS ZIPPER
「ファン同士で揉み合っていると思ったら、最前列にいた男性が引き剥がされていて、驚きました。和やかだった雰囲気が一転、あたりは騒然としていましたね」
と、驚いた様子で語るのは、6月8日に東京競馬場で開催されたG1レース・第75回安田記念に足を運んだ男性だ。この日、レース後にパドックでおこなわれたのは、人気アイドルグループ・FRUITS ZIPPER（フルーツ・ジッパー）とお笑い芸人・狩野栄孝によるコラボ「かわいいけいば VS イケメンケイバ」のトークショーだ。
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「JRAが春競馬を盛り上げるため、『かわいい』の代名詞であるFRUITS ZIPPERさんと、イケメン代表の狩野さんをキャスティングして、競馬が持つ両方の魅力を発信するため、4月17日に特設サイトを制作しました。
サイトでは、各G1レースの告知チャレンジや、『かわいい』と『イケメン』が競い合うことをテーマに書き下ろされたオリジナルソングにのせたスペシャルムービーを公開しています。安田記念の日にトークショーが開催されることも告知されており、FRUITS ZIPPERの新衣装や、コラボダンスの披露なども予告されていました。
TikTokで楽曲『わたしの一番かわいいところ』が話題を呼んだFRUITS ZIPPERは、いまや若年層を中心にあこがれのスターとなっていますから、いままで競馬場に来たことがなかった層も、彼女たちを一目見ようと訪れたようです」（競馬誌ライター）
イベントそのものは、幅広い層に競馬を浸透させるJRAの狙いどおりだったわけだが、当日、冒頭のようなファンの“暴走”が起きたようだ。
「イベントは、競馬場に訪れた人なら誰でも見られるオープン形式でしたが、事前にアプリを登録すると、抽選に当たった人が最前列エリアの『優先観覧券』と、オリジナルのうちわをもらえるシステムでした。抽選は14時までだったのですが、開場すぐ定員に達し、終了していました。
トラブルが起きたのは、抽選に当たった人々が優先観覧エリアに入場しているときでした。多くの人々が走って最前列を目指していたのですが、急に複数人の男性が、最前列の真ん中にいた男性を引き剥がしたんです。引き剥がされた男性は、脇で首を絞められ、地面に倒されたのですが、その後、すぐに立ち上がり。最前列に戻ろうとするなど、かなり激しい攻防戦が繰り広げられていました。走って現れたスタッフらしき男性が『おい！ やめろって！』と叫びながら、暴行していた男性を連行していました。一連の騒動があったときに、別の男性2、3名がそのまま最前列に入っていたので、何が起きたのか不思議でした」（イベントに参加した男性）
SNS上では、一部のファンが金銭を払って最前列をあけさせるよう指示をしていた、という指摘があがっているが、芸能ジャーナリストはこう語る。
「人気アイドルが出演する野外イベントや、いろいろなグループが出るオールスタンディングの対バンでは、『最前管理』と呼ばれる一部のファンが最前列の真ん中を占拠し、最前列を“管理”することがあります。もちろん、運営側の知らないファンド同士のシステムですが、最前列の場所をめぐり、ファン同士の間で金銭のやり取りをするケースもあるそうです。こうした独特な文化のなかで、トラブルが起きたのかもしれません。
今回のイベントはあくまで“競馬トーク”がメインで、純粋な競馬ファンからすれば、一部の過激なアイドルファンが騒動を起こしたという印象です。万が一、怪我人が出れば、イベントは中止になっていた可能性もあります。今後はアイドルファンたちのマナーが試されるでしょう」
イベントの中止は、ファンにとって最悪の事態。平和に楽しんでほしいものだ。