一度気に入ったものはいくつも集めたい! そんな偏愛アイテムをファッション業界のおしゃれパーソンに尋ねる「私の偏愛コレクション」。第1回はジュエリーブランド、ララガン(R.ALAGAN)を手がけるデザイナーの高橋れいみさん。
気に入ったものはずっと愛用! 自分のからだにフィットする、ヘインズ フォー ビオトープのパックTシャツ
――あなたの偏愛アイテムを教えてください
セレクトショップのビオトープがヘインズに別注している、ヘインズ フォー ビオトープ(Hanes for BIOTOP)のパックTシャツです。
洗濯を重ねることで、ヴィンテージのような風合いが楽しめるコットン100%のTシャツ。
――偏愛アイテムとの出合いは?
ビオトープは、ララガンを一番最初に買い付けしてくださったショップなんです。もともとお店にはよくお邪魔していたのですが、お取引が始まってから改めて伺った際に出合いました。
今では毎年少しずつ形やデザインを変えて登場している別注のパックTシャツですが、私は3~4年前に数年連続で出ていたこのノースリーブタイプが大好きです。
――その偏愛アイテムを集めるようになったきっかけは?
私は一度気に入ったものはストックしておかないと落ち着かないタイプ。というのも、なぜか気に入ったアイテムが廃番になってしまうことがしばしばあって……。ナーズのリップでいつから使っているか覚えていないくらいお気に入りのものがあるのですが、実はそれも廃番になってしまってもう売られていないアイテム。でも本当にないと困るので、あと10本は自宅にストックがあります(笑)。とにかく好きなものはたくさん買っておいて、安心したいんです。
このパックTシャツも、ここ数シーズンはノースリーブタイプは出ていないようなので、いくつか買い足しておいてよかったと思っています。
ブラック×ホワイトのセットをレイヤードして着用。
――その偏愛アイテムはいくつ持っていますか?
これまで……10パックは言いすぎかな? でも7~8パックは確実に買っているので、15枚はあると思います。シーズンごとにさまざまなカラーが出ていて、ブラック×ホワイトを主にリピートしていましたが、ライトブルー×ネイビーなども持っていました。コットン100%なので、使っていくうちに経年変化でくたっとしてくるのがこのTシャツのいいところなのですが、今回写真でお見せしているのはまだパックのまま保管してあったきれいなものです(笑)。
――お気に入りのポイントは?
昔はタイトなTシャツをピタピタに着るスタイルが好きだったのですが、年齢を重ねてベーシックなTシャツに惹かれていくように。私はわりと肩幅が広いほうなのですが、このTシャツはノースリーブといいつつもほどよく肩にかかり、自分のからだにもしっくりフィットします。ヴィンテージのカットソーのような、薄手で風合い豊かな生地感も好き。おなかや腰まわりにもゆとりがあり、ちょうどいい余白があるところがすごくいいなと思います。
天然石の造形美からインスピレーションを多く受けているという高橋さん。オブシディアンを潔くあしらったリングと、腓骨の形から着想を得たブローチでスタイリング。ともにララガン。
――どんなスタイリングで楽しんでいますか?
夏はスラックスと合わせたり、ジャケットのインナーにしたり。1枚でさらりと着るのも好きなんですけど、最近はブラック×ホワイトの2枚をレイヤードして、ちらっと見せるスタイリングにハマっています。
ロサンゼルスに住んでいた時はヴィンテージショップで働いていたこともあり、ヴィンテージからかなり影響を受け、色ものも好きでよく着ていたのですが、ジュエリーをデザインするようになってから自分自身をステーブルに保ちたくなり、白や黒、ブラウンなどのベーシックカラーをまとうことが基本になりました。よくほかのデザイナーさんがいつも同じ無地のシンプルな格好をしているのを不思議に思っていたのですが、その気持ちがわかるように。そのほうが精神が安定するというか、自分自身を常にゼロ地点に持っていけるんです。
このTシャツはそんな私に寄り添ってくれながら、自分のスタイルの根底にあるヴィンテージの要素もほのかに感じられる欠かせないアイテムです。
高橋れいみ:ジュエリーデザイナー。群⾺県で台湾⼈の⺟と⽇本⼈の⽗の間に⽣まれる。幼少期は台湾で過ごし、10代でロサンゼルスに移住。帰国後、セレクトショップで販売とバイイングを経験し、2016年にララガンを設立。2025年4月には、東京・外苑前にR.ALAGAN boutique & galleryをオープン。来店予約はこちらから。 Instagram: @reimi.takahashi
※この記事で紹介しているアイテムは私物のため、ブランドへの問い合わせはお控えください。
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