ファッションと音楽の表現者、ステファノ・ガリーチのルーツを探る【FAB FIVE】 | Vogue Japan - Moe Zine

ステファノ・ガリーチ Stefano Gallici

今春開催された伊勢丹 新宿店でのポップアップイベントでは、ロックバンド・Gliiicoのメンバー3名を招きトークショーも開催。左から二人目がステファノ・ガリーチ。Photo: HAYATO TAKAHASHI

2年前、ステファノ・ガリーチは26歳でアン ドゥムルメステールのクリエイティブ・ディレクターに就任した。「私にとって最初の挑戦は、ブランドらしガリーチさと自分のヴィジョンをどのようなバランスで両立させるかでしたが、デビューコレクションに関しては、『自分はブランドのコードをちゃんと引き継げる人間です』という事実を証明することでした」そしてシーズンを重ねた今は、ボヘミアンかつダークなロマン主義的要素を含むアン ドゥムルメステールのDNAをしっかり受け継ぎながらも、そこにステファノ・ガリーチらしさを刻むことに成功している。

Photo Courtesy of Ann Demeulemeester

Photo: Courtesy of Ann Demeulemeester

「アン ドゥムルメステールはNY的な東海岸のカルチャーにインスパイアされていたのに対し、私はLA的な西海岸のロックシーンやユースカルチャーからインスピレーションを得ています。お互いに細かい個性の違いはありますが、音楽という大きな括りでつながっている。その二つの要素を融合することで、ブランドのDNAを受け継ぎながらも新しいアン ドゥムルメステールらしさを生み出せると思うんです」

自身のヴィジョンがはっきりと見えているのは、人生をかけて自身のテイストを突き詰めてきた賜物だ。「今後は単にファッションブランドとしてではなく、アン ドゥムルメステールを中心に、ブランドに関わる多様な人たちやアーティストが集うコミュニティを形成できたらなと思っています。私がコラボレーションに積極的なのは、いろいろな考えを持つアーティスティックな人たちとつながることができるからです。ファッションの枠を超えた、ワクワクを醸成するハブになれたらいいなと思っています」

1 ノージア・ツインズ(Nausea Twins)としてアーティスト活動もされていますが、どのような音楽やアーティストに影響を受けてきましたか?
幼い頃から、自分を表現する手段が音楽と絵をスケッチすることでした。父親の膨大なレコードコ レクションを漁り、気になるジャケットのレコードを選んで聴くのが大好きでした。お気に入りは 50〜70年代にかけてのUSロックですが、なかでもリンジー・バッキンガムが参加したフリートウ ッド・マックのアルバム『RUMOURS』は、ジャケ写も音楽も大好きで、今でも聴いています。

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