ルイ・ヴィトン クルーズ

Photo: Courtesy of Louis Vuitton

その昔、もう間もなく21世紀に入ろうとしていた2000年。ニコラ・ジェスキエールは南フランスの都市アヴィニョンにある、歴史的建造物のパレ・デ・パプ(アヴィニョン教皇庁)を訪れていた。14世紀に建てられ、現存するヨーロッパ最大級のゴシック様式宮殿であるこの建物にはかつてローマ教皇庁が置かれていたが、今ではユネスコ世界遺産、そして1947年より毎年行われているアヴィニョン演劇祭の開催地として広く知られている。

ビル・ヴィオラのインスタレーションやピナ・バウシュによるダンスパフォーマンスなどを含む展示作品が揃う、千年紀をテーマにした美術展を目当てにパレ・デ・パプを訪れていた当時のジェスキエールが、宮殿そのものに魅了されたのは言うまでもない。歴史と文化が交わる場所を前にすると、彼はついつい知的好奇心と創造力が刺激される。そしてそのすべてが交錯したとき、頭の中では見たことがないような光景が描き出される

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