※日経エンタテインメント! 2025年4月号の記事を再構成

“アジア版グラミー賞”を日本から――音楽業界の主要5団体がタッグを組み、2025年5月に京都で初開催となる日本最大級の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」(MAJ)。J-POPのグローバル化を大きな命題とする同アワードの進捗と“進化点”とは。いよいよ5月21、22日に行われるMAJを前に、『日経エンタテインメント!』の特集記事を転載。第1回は野村達矢実行委員長に話を聞く。

(写真/藤本和史)

(写真/藤本和史)

野村達矢(のむら・たつや)

1962年生まれ、東京都出身。サカナクション、THE ORAL CIGARETTES、Saucy Dogらをマネジメントするヒップランドミュージックコーポレーション代表取締役社長、MASH A&R取締役。一般社団法人日本音楽制作者連盟理事長。CEIPA理事、MUSIC AWARDS JAPAN実行委員長。デジタル・ディストリビューション「FRIENDSHIP.」や若手起業家支援など、新たな音楽業界の発展にも尽力している

 「音楽業界5団体がタッグを組んで、オールジャパンで世界を目指す」――「MUSIC AWARDS JAPAN 2025 KYOTO」の実行委員長で、自らも日本音楽制作者連盟(音制連)理事長を務める野村達矢氏はこう切り出した。

 音楽業界には現在、日本レコード協会、コンサートプロモーターズ協会(ACPC)、日本音楽出版社協会、日本音楽事業者協会(音事協)、日本音楽制作者連盟(音制連)と、大きく5つの団体がある。これらが垣根を越えて設立した一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)は2024年10月22日、国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」の開催を発表した。

 “アジア版グラミー賞”ともいえる同賞の大きな特徴は3つ。まずはその「規模感」だ。主要部門は6つ。「最優秀楽曲賞」「最優秀アルバム賞」「最優秀アーティスト賞」「最優秀ニュー・アーティスト賞」に「Top Global Hit from Japan」「最優秀アジア楽曲賞」と“海外”を冠した賞を加え、“日本の音楽を世界へ”“アジア最大級の音楽アワードに”といった強い意思をうかがわせる。

 サブカテゴリーには60もの賞を用意。日本に関するものは、「J-POP」「Jロック」「ダンスポップ」「シンガー・ソングライター」から「アニメ」「演歌/歌謡曲」までフォロー。「アイドルカルチャー」「ボーカロイド・カルチャー」など日本ならではの賞や、Spotifyによる一般リスナー投票もグローバル、ベストソングを設置。また、アジアの8つの国と地域の音楽アワードと連携、関連賞を設けた。

 次に「透明性」だ。25年3月に発表されたエントリー曲は、Billboard Japan、オリコン、GfK/NIQ Japan、LUMINATE他主要データと連携した“客観指標”で自動選出。4月に国内投票メンバーにより、エントリー作品の中から各部門5作品・5アーティストをノミネート。最終5月には国内外の投票メンバーにより、最優秀作品・アーティストを選出する。この投票は、音楽業界に関わる様々な職種の人たち――アーティスト、クリエーター、レコード会社スタッフ、コンサートプロモーター、音楽出版社、海外音楽賞審査員といった関係者によって行われる。

 3つめは「グローバル」だろう。授賞式が行われるのはインバウンド人気が最も高い都市の1つである京都。25年5月21、22日、平安神宮のすぐ側にあるロームシアター京都(京都市左京区)で、国内外からゲストを招き、レッドカーペットを敷いて行われる。その模様は、NHKで放送、またYouTubeで全世界に生配信。17~23日は開催ウィークとして会場周辺でイベントも企画される予定だ。

「MUSIC AWARDS JAPAN」は「世界とつながり、音楽の未来を灯す。(ともす)」をコンセプトとした国内最大規模の国際音楽賞

「MUSIC AWARDS JAPAN」は「世界とつながり、音楽の未来を灯す。(ともす)」をコンセプトとした国内最大規模の国際音楽賞

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