スキンケアの効果が表れるまでにかかる時間は? タイムラインを知ろう | ビューティ | ELLE [エル デジタル] - Moe Zine

スキンケア成分

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あらゆる肌悩みには、それぞれに合わせた最適なアプローチがある。たとえば、みずみずしく弾むような肌にはヒアルロン酸入りの美容液を、肌トーンを明るくしたいならビタミンCをプラス。気になる肌トラブルにはグリコール酸トリートメントを投入し、エイジングケアにはレチノールをチャージ! といったように、美容好きにとってはこれらの成分を活用したスキンケアの基本はすでにおなじみといえるだろう。

そして、理想的なスキンケアコスメを手に入れたなら、すぐにでもその効果を実感したいところ。けれどもここで一呼吸。なぜなら美しさは一朝一夕で手に入るものではないからだ。

実際、スキンケアが肌に効くまで具体的にどれくらい待てばよいのだろうか。この疑問に答えてくれたのが「DECIEM」のサイエンスディレクター、プルドヴィ・カカ氏。カカ氏によると、その答えは一筋縄ではいかないし、明らかになっていないことも多いとのことだ。

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肌のターンオーバーのサイクルがひとつの目安

30日、4週間、1か月。これらの期間は、美容トリートメントの最初の効果が顔の肌に表れるまで“少なくともこれだけの時間は待つべきだ”とよく言われる目安。こうした日数は、肌が自然に生まれ変わるサイクル、すなわち細胞が完全に再生するまでの平均的なターンオーバーの期間をもとにしている。この平均期間は、表皮がスキンケアアイテムやその有効成分の恩恵をしっかり吸収し、その魅力を最大限に発揮するための猶予と考えられている。

効果を見極めるには2~12週間の継続がカギ

「肌に有益な効果が見られるまでには、定期的かつ継続的な使用で約2〜12週間を要します」。一見するとこれが一般論とされてきたが、カカ氏はこの答えに疑問を呈している。「一般的に言って、スキンケア製品の効果が実感できるまでには、最大で約12週間の使い続ける期間が必要です」。

この12週間という幅広い期間は、肌への変化を実際に感じ始めるタイミングが多くの要因によって左右されることを示している。たとえば、有効成分そのものの特性はもちろん、肌のもともとの状態、有効成分を補完する処方設計、テクスチャー、使用頻度、そして全体的なスキンケアルーティンまで、あらゆるファクターが絡み合うからだ。

保湿系成分は時間をかけてゆっくりと

スキンケアにおいて“正解”と呼べる絶対的な科学は存在しないようだ。「ある成分は、他の成分よりもはるかに早く肌に作用します。一般的に、直接的な酸やレチノイドなどは角質除去を促し、即効性のある変化をもたらす傾向があります。一方、天然保湿因子やナイアシンアミド、抗酸化成分などは、即座の劇的な変化ではなく、時間をかけて肌の健やかさをサポートする長期的な効果を目指します」とカカ氏は指摘。

たとえば、「オーディナリー」のナイアシンアミド 10% + 亜鉛 1%を用いた製品は、肌のトラブルにアプローチする処方で、試験結果によればわずか7日で肌のバリア機能が強化され、うるおいを実感できたという。そして8週間使用すると、よりなめらかな肌質の向上が見られることが確認されたそう。このアイテムは短期的な恩恵と長期的なサポートが同時に存在することが明らかなのだとか。

「臨床試験は、製品が美容効果を充分に発揮できるようあらかじめ設定された期間や条件が考慮されており、個々人の経過ではなく、参加者グループ全体で標準化されています」。つまり、製品の効果は一括して平均化された基準で評価されるため、一人ひとりが感じる変化のスピードは異なり得る。結局のところ、スキンケア効果が表れるまでの期間は一つの成分や製品に依存するのではなく、複合的な要因によって左右されるといえる。

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有効成分を最大限に引き出すための3ステップケア

スキンケア有効成分の効果が現れるまでの期間を正確に予測するのは難しいものだけど、その力をより引き出すための工夫は可能だ。エキスパートが推奨するのは“準備・アクティブケア・密封”という3ステップのルーティン。

まず準備段階では、肌を整えて製品を受け入れやすくする。ここで活躍するのが洗顔料やトナー(化粧水)。汚れや余分な皮脂をオフし、肌を清らかな状態に整えたうえで、アクティブケアのステップへ移行しよう。次に選ぶのは、有効成分を含むセラム。肌悩み別に狙い撃ちできるので、シワ・くすみ・毛穴など、求める効果に合わせて1〜3種類を上限に組み合わせる。ただし、混ぜ合わせてはいけない成分同士があることを忘れずに。

最後の密封のステップでは、よりリッチな保湿アイテムやクリームを重ね、有効成分が肌から逃げないよう封じ込める。こうして成分を肌内部でしっかり働かせることで、課題となるトラブルに的確にアプローチ。確立されたフルルーティンを取り入れれば、有効成分の浸透と効果を高め、望む肌状態へとスムーズに導くことができるはず。

Related Stories長期的な視点と一貫性がカギ

最後に留意しておきたいのは、スキンケアは一朝一夕で劇的な変化をもたらすわけではないということ。まさに継続は力なりということで、結果が目に見えるまで製品を適切な期間きちんと使い続けることが大切だ。一貫したケアこそが、肌を長期的に健やかな状態に保つ鍵となるからだ。

もし、推奨される12週間を過ぎ、辛抱強く使い続けたにもかかわらず、目立った改善がない場合にはその有効成分が自身の肌には合わなかったと考え、スキンケアルーティンの見直しを検討しよう。常に“待つこと”と“見極めること”をバランスよく取り入れ、自分の肌に最適なケアを探し続けることが、美しい肌への近道といえそうだ。

Realization : Pauline Jacmart、Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI

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