ファッション、特にヨーロッパのラグジュアリーの世界では、ブランドの個性を際立たせるために対象を狭く限定する傾向がある。しかし、オーラリーの服には、まるで馴染みの良いレギュラー古着のような懐の深さがある。
生地に関しては、もはや説明不要かもしれない。スビンコットン(インド産の超長綿)、ギザコットン(過酷な環境で育った長繊維綿)、ベビーカシミヤ(生後1年以内の小山羊のカシミヤ)……などなど、希少な原料を惜しみなく使用するだけでなく、岩井デザイナーが目指す手触りを実現するために独自の加工を施している。たとえば、ハードツイストデニムひとつとっても、通常より強撚した糸を用いることでドライな表面と落ち感を生み出しており、普通のようでいてまったく普通ではない。一方で、シャツは細い糸でもウォッシャブルにするなど、リアルクローズとしての機能も群を抜いている。
近年、直営店とオンラインで即完売するなど話題を集めたのが、レザーやフェードキャンバスのアイテム。エルエルビーン(L.L.BEAN)やカーハート(CARHARTT)のヴィンテージを彷彿とさせる、より土臭い雰囲気をたたえたこれらのアイテムは、新たな層からの支持を獲得している。
「ハードツイストデニムは絶対に持っておきたい逸品。また、これまではパステルカラーのモヘアアイテムがベストセラーでしたが、最近はレザーやフェードキャンバスのアイテムが非常に好評です。特に若い顧客層の間では、レザージャケットの人気が再燃していますね。オーラリーのエレガンスを維持しつつ、こうしたワーク由来のアイテムを求める傾向が見られます」
