Search for:

確かにチームも必要だ。しかし、レンツは6週間もの時間をかけてキャラクター像を細部にわたり研究し、特殊メイクや小道具の準備、そしてメイクアップのテストとフィッティングを徹底した。彼曰く、アデルに扮するのはこれまでで最も困難だったという。

「私の男性的な顔立ちを隠そうと、骨格を過剰に補正してしまったんですよ」とレンツ。「多くの人に愛される美しい女性にオマージュを捧げるときに一番やりたくないことは、スニッカーズの広告のように変身すること」と言う彼は、アデルの長年のメイクアップ・アーティストであるアンソニー・グエンと、マダム・タッソー蝋人形館のチームの手を借り、よりリアルな再現を追求した。カットクリースメイクにウィングアイライナー、レトロなヘアスタイル、3Dプリントされたグラミー賞のトロフィーはもちろん、20代のアデルが持っていたガラケーといった小物も取り入れ、ボディラインを似せるために腰まわりにはパディングを施した。「人々が注目するのは、(ヘアメイクの)プロダクションと派手な演出です」とレンツは言う。「それがなければ、セレブはただの『人』なんです」

ドラァグクイーン、アレクシス・ストーン、アデル、そっくり

Photo: Mateusz Sitek

ドラァグクイーン、アレクシス・ストーン、アデル、そっくり

Photo: Mateusz Sitek

今シーズンはすっかりアデルになりきったレンツだが、そのムードボードには一時、別の人物が掲げられていたそうだ。「デムナからはもともと、テイラー・スウィフトをやってほしいと頼まれていました」と彼はため息交じりに言う。「でも、ここで私がどう返事したかは繰り返せません。絶対に真似したくない人もいるんです」。こう話すなかで、次のターゲットはすでに決めているとも付け加える。「デムナは真の友人。私たちはいつも、夜遅くまでアイデアをメールし合っています。彼はただ、周りの人たちのためにできる限りのことをしたいんでしょうね。私たちは過去に荒れていたこともありますから。私にできることがあるとすれば、そんな私たちの内なる子どもを癒してあげること。私たちは『ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語』のクルエラ・ド・ヴィルや『プラダを着た悪魔』のミランダ・プリーストリーのような架空のキャラクターに魅せられてきましたが、現実とファンタジーの境界線を曖昧にすることで、誰もが楽しめるようになるんです」

Write A Comment