2025年が幕を開けてからの3カ月で、アニメシーンやJ-POPシーンの話題をさらった作品といえば『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』だろう。これまで『ガンダム』シリーズを手がけてきたサンライズと共に『エヴァンゲリオン』シリーズで知られるスタジオカラーが共同であらたな『ガンダム』シリーズを手がける……という衝撃的なニュースが世界を駆け巡ったのが2024年12月のこと。そこから1月17日に本編の一部エピソードを再編集した先行劇場版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が公開されるやいなや、その衝撃的な内容を、ユーザーたちが”ネタバレ禁止”として密かにその熱量の高まりを共有するムーブメントが巻き起こった。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』特報
そしてその熱狂は、公式にあらすじがアナウンスされた現在も進行形で続いている。2月22日からは『Beginning』本編終了後に特別映像を追加したバージョンが公開され、翌2月23日にはTVシリーズが4月8日から日本テレビ系列で放送開始という発表がなされた。およそ1カ月の間で次々と情報が更新され、あとは1カ月後の放送開始を待つばかり……。ファンにとってはこのうえない幸福な時間が過ぎるなか、ここでは改めて『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を観たうえでの、“現段階”での『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の音楽について語っていきたいと思う。
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まず改めてこれまでの『ガンダム』シリーズと音楽、とりわけアニソンというフィールドにおける『ガンダム』ソングをおさらいしていこう。
1979年にシリーズ第1作『機動戦士ガンダム』が放送開始となり、翌1980年のガンプラというホビー面でのメガヒットもあって一大ブームを築くこととなる。以降の作品においては、『ガンダム』が持つ巨大なテーマを内包しつつ、他方で時代とリンクした音楽性というものが展開されていった。
1981年から公開された通称“劇場三部作”では、歌手としてブレイクする前のやしきたかじんや、ジャッキー吉川とブルーコメッツのメンバーであり、前年にはシャネルズ「ランナウェイ」でヒットを飛ばしていた井上大輔が参加。1985年の『機動戦士Zガンダム』では、アイドルを含む女性シンガーの台頭が見られるなかで鮎川麻弥、森口博子という若いシンガーを起用。1988年には前年に「Get Wild」でブレイクを果たしたTM NETWORKが参加している。以降も、特に2002年放送の『機動戦士ガンダムSEED』からは、時代を彩るアーティストたちとのコラボレーション色を強めていく『ガンダム』ソングたち。2022年放送の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』ではYOASOBIなど、現在のJ-POPシーンを牽引するネット発のアーティストが『ガンダム』ソングを担当した。
YOASOBI「祝福」Official Music Video (『機動戦士ガンダム 水星の魔女』オープニングテーマ)
上記のほかにも数々の名曲が存在するのだが、いずれにせよ日本アニメが誇る巨大コンテンツ『ガンダム』という偉大な作品のなかには、その時代に鳴らされるべき音楽が存在していた。そして今回の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の音楽もまた、(TVシリーズ放送前ではあるが)現在最新のJ-POPを含めた今鳴らされるべき音楽が封じ込められていることは間違いないであろう。