【滑走屋対談】フルプロデュース高橋大輔×応援団長の声優・春瀬なつみ

プロフィギュアスケーターの高橋大輔(38)がフルプロデュースするアイスショー「滑走屋」が3月8、9日にひろしんビックウェーブ(広島市)で再演されます。昨年2月に初演され、スピード感あふれ、精緻な群舞を操る斬新な演出が話題に。ショーの在り方も従来とは一線を画し、1日3公演で1公演75分とし、低価格に設定。高校生、大学生のスケーターを自らスカウトし、「アンサンブルスケーター」として新たな可能性も授ける舞台となりました。今回、初稽古に潜入。応援団長に就任した声優で人気アニメ「メダリスト」で主演の声を担う春瀬なつみとの稽古後の対談から、心境に迫ります。(敬称略)



フィギュア2025.02.19 06:00

































































































アイスショー「滑走屋」の公演に向けた練習で、アンサンブルスケーターたちとフォーメーションの確認をする高橋大輔(手前右から3人目)(撮影・千葉一成)

アイスショー「滑走屋」の公演に向けた練習で、アンサンブルスケーターたちとフォーメーションの確認をする高橋大輔(手前右から3人目)(撮影・千葉一成)

「間に合うのかどきどきしてます」

2月上旬、午前10時のスケートリンクに「滑走屋」の文字が入ったパーカーを着込んだ選手たちが集まっていた。慣れた手はずでリンクの端にコーンを設置していく。1年前、競技用リンクに比べて縦横の幅を小さくした舞台を駆け巡った。その記憶を呼び起こすように、高橋も参加して、いよいよ初稽古開始の時間が迫ってきた。約1年ぶり。その姿をリンク脇から春瀬が見学していた。

アイスショー「滑走屋」の公演に向けた練習を見つめる声優の春瀬なつみ(撮影・千葉一成)

アイスショー「滑走屋」の公演に向けた練習を見つめる声優の春瀬なつみ(撮影・千葉一成)

10年バンクーバー五輪を見てフィギュアスケートのとりこに。いまではNHK杯や全日本選手権での現地観戦はもとより、海外試合ではジュニア選手の動向まで気にかけている。

高橋はその姿を見かけて、あいさつをかわし、早速オープニングの動きの確認に入っていく。対角線上になった2つの登場口から、この日参加したスケーターが二手に分かれ、隊列を作ってリンク中央へと進んでくる。

春瀬スピード感をすごく感じました。しかも、みなさんが同じスピードで、あの速さで進んでいく。青木(祐奈)さんが先頭で次が高橋さんでしたが、もう女性と男性でスピードを合わせていけるのがすごいと。アイスダンスの方だったら感覚的にできるかもしれないですが、シングルの方で男女合わせて同じスピードで滑るのはすごく難しいのではないかと感じました。

高橋今日は初参加の選手が4人いましたが、前回と同じテンションでリハーサルをスタートして。最初は一瞬戸惑ってたんですけど、でも「こんな感じでいくから」みたいな感じで伝えたので。一生懸命対応してくれました。

アンサンブルスケーターは前回の13人から19人に増え、総出演者も19人から26人になった。この日は早速、不在の選手の代役を初参加者に頼む一幕もあった。

高橋みなが集まれるのがギリギリなこともありますが、図形やパターンかなり細かいので、演出側として、どういう動きがきれいに見えるかを知りたく、手伝ってもらいました。すごく細かいので、彼らにとってすごくいい経験にはなると思います。でも、今日は2、3個の場面をやると思ったんですけど、ほぼ1個とちょっとしかできなかったので、間に合うのかどきどきしてます(笑顔)

対談する高橋大輔(右)と声優の春瀬なつみ

対談する高橋大輔(右)と声優の春瀬なつみ

春瀬私には練習初回とは思えないぐらいでした。今回から初めての方も振りがすぐ入っていて、すぐに追いついている感じの印象で。細かく番号に合わせて確認されているところも、どんどん確認してやり直すにつれて、迫力が増していて、かっこいいなと。このスピード感で皆が滑るのは滑走屋でしか見られないなとあらためて思いました。本番の照明、演出の中で見たら一生の思い出に残る、やっぱりスケートって素晴らしいなと思えるんだろうなって。広島で公演を見るのが楽しみです。


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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。


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