【スカッと総集編】一緒に老舗温泉旅館を営む私を裏切った夫「売上と従業員はもらって行くw」残されたのは寝たきりの義母だけ…途方に暮れる私に義母「大丈夫さぁ、始めるよw」「え?」【感動する話】
夫である啓介は私にショップからの広告
はがきを渡すくらいの適当な態度で離婚
届けを手渡してき
たあまりに唐突な状況に私は驚きしばらく
方針しながら記入済みの離婚届けを
見つめるどうしたボールペンならあるぞ
印鑑がないと
かちょっと待って離婚どういう
意味私をすような口調でそう言うと胸
ポケットからタバコを取り出し火をつけた
この旅館は売却する私は耳を疑った先祖
代々続いた死旅館を
売却最近になって旅館の女将でもある
お母さんが体調不良でネタきり状態となっ
てしまったのは確かで
あるすでにホテルグループとの話は進め
てる
最終的に俺は実質的に旅館業務に一切の手
を出さずに収入を得られるんだすごい
だろちょっと待ってせめてお母さんの体調
が良くなってから旅館の話とかその離婚の
話とか
を彼は私を下げんだ笑を浮かべていたこの
旅館の売上と従業員はもらって
いく待って冷静にせめてお母さんの具合が
回復して旅館についての話し合いが進んで
からその後で私たちのことを話し合えない
の時間稼ぎのつもりかまあいい今日は帰る
よこの旅館をどうするかの決定権は俺に
あるんだ
し啓介が事務所から出て行った後私は呆然
と立ち尽くしてい
た部屋のの扉が開く私は啓介が戻ってきた
のかと思い一瞬体を硬直させたけど現れた
のはお母さんであっ
た今朝までネタきり状態でパジャマを着て
いたお母さんはいつも仕事で来ている無事
の着物に着替えて立っているそして微笑み
方針している私の肩を抱くと静かにごめん
なさいねと謝罪した
さて私の出番だ
ね今まで見たことのない上品で少し
いたずらっぽい笑顔が目の前に広がって
[音楽]
いる私の名前は優香大きなビルが並んだ
都内のオフィスビルで働くことが憧れだっ
たこともあり長年に渡り輸入ワインや
ビールなどを取引する勝者で働いていた
しかし今は数年前に移住し夫である啓介の
実家が営む旅館で若女として働いて
いる40代半ばで勝者のキャリアを失う
ことにはそれ相応のためらいもあったが今
はこの旅館で働くことにやりがいを感じて
いる毎日
だ旅館は随分と昔から代々続いている死で
あり深い3の奥に立てられたのようなきが
ある春になれば桜の花が咲夏には青葉秋に
は紅葉が美しくそして今の季節は雪化粧さ
れた危機に囲まれて
いる視界に広がる風景は全て白銀に染まり
温泉から湧き上がる湯だけがぼんやりと
夜空に
まう私が初めて夫と共に旅をたに思わず
発した言葉は不安だの
一言もも旅館を経営していた義父が高し
義母のくみ子さんが1人になってしまった
ため私と啓介も旅館に勤める運びとなっ
た結婚した頃に啓介はいずれは実家の旅館
を継ぎたいと私に宣言していたがそれは介
が仕事で大変そな時に言う愚痴のような
ものだと思っていて私は本気にしてい
なかっ
たしかし義父が亡くなってすぐに啓介は
仕事を退職し
た仕事を退職した日の夜差別会すら開催し
てもらえなかった啓介は自宅で酒を
飲むコンビニで買ったであろう安いワイン
を飲みながら上期限でスマホ画面に
映し出された麻雀ゲームを
い私には何だかわからないけれど啓介は
スマホの麻雀ゲームにはまっていて対局
すればするほどゲームの中でのランキング
が上位に食い込めることを生きがいにして
いる
様子なき義父も麻雀が好きだったらしく死
旅館を改築するという機会に麻雀ルーム
なる部屋を作って
いる宿泊のお客様用ではが希望があれば
人数合わせのために旅館のスタッフが参加
することもあるそう
だそのような話を聞いていた啓介はこの
旅館で働くことをとても楽しみにしてい
たいつお客様から一緒に麻雀しましょう
なんて誘いが来てもいいように麻雀好き
そうな中年の男性に微笑んで受付で立ち
続けてみ
たりしかしに働いてみれば麻雀の誘いを
受けるどころの忙しさではなく夕飯の準備
や風呂の準備など手の回らない箇所の
手伝いに向かうなど旅館での啓介の業務は
なかなかに激務であっ
た私のイメージしていた女という仕事は
もっと華やかでただニコニコとお客様を
出迎えるくらいに考えていたのだが意外と
裏方の仕事が多く覚えることも多く宿泊し
てい
たそんな私をお母さんは優しく指導して
くれる初めて教わったのは鶴の橋置きの
作り
方この旅館でお客様に提供する料理に使わ
れる橋置きはスタッフ袖手で全て手作りし
ていると
いう休憩中や仕事の合間に旅館のスタッフ
などとの交流の意味も込めて一緒に折り紙
をしているとすぐに旅館のスタッフとも
仲良くなれ
たいずれは啓介と優香さんにこの旅館を
継いてほしいと思ってるの私が元気なうち
は全力であなたたちをサポートするから
ね華暦を塔に超えているようには見えない
上品で美しいお母さんが
微笑ん長年振る舞ってきたが彼女の身に
染み込んでいるようでその一挙手一等速が
旅館の女という感じが
する私もお母さんのようなおになれる
だろうかそんな風に考えながらも義母で
あり女でもあるくみ子さんに尊敬の
まなざしを
向けるお母さんの方としても私の前向きな
視線を評価してくれているようで可愛がっ
てくれていた
私は若女将としてのそして啓介は支配人と
しての修行を2ヶ月ほど続けたある日の
ことで
ある優香さん昼くらいから啓介を見てい
ないんだけど何か聞いてい
ない受付でパソコンを見つめる私に
お母さんは少し焦った表情で聞くと素早く
手に持ったタブレットで客室の予約状況
などを確認して
いる見ていないです支配認室にはいないの
です
か啓介には支配人としての業務を覚えて
もらうためにまずは旅館内の各部門に順次
配属しようって話だったのよそれで今は
雑用がかりをさせているんだけど
ね啓介は支配人補佐なのに仕事していない
んですか
自分の息子ながら恥ずかしい話よね掃除も
きちんとできないし好きあれば逃げている
よう
ね
全くお母さんは小さく肩を落とす何気ない
落ち着いた会話の最中にもお母さんは片手
にタブレットを持って宿泊者の情報を確実
に管理してい
た私はスマホの着信を確認するが啓介の
名前は
ない優香
さん呼ばれて私は顔をあげたお母さんは他
のお客様に感づかれないように私に顔を
近づけ小さな声で言うごめんなさい
ちょっと胸が苦しいわ少し休ませてもらっ
てもいいかしらえはいもちろんです大丈夫
ですか何か私にることはいえ大丈夫よ私が
いない間はあなたがお髪よごめんなさいね
何か分からないことがあったら連絡し
てそれからしばらくの間お母さんは旅館に
顔を出さずに従業員用の部屋で横になる
時間が増えていっ
た時々私服で部屋から出てくることがあっ
たのだがお母さんは具合が悪いから病院に
行ってくるねと言って1人で車で出かけて
しまうお母さんの体調を心配して旅館の
業務が終わった後に何度かお母さんの部屋
を訪れ体調はどうですかと聞いてみたが
いい返事はなかったごめんなさいね何何
か所も病院回っているんだけどこの胸の
苦しみの原因が分からなくて
ねお母さんは申し訳なさそうに私に謝罪
する私は本当に判断に困るような事態に
ならない限りは女としての業務を何とか
行うことができるようになってい
たスタッフとのコミュニケーションも自分
ではできている気がするけれど誰も将来的
にはこの旅館の支配人となる啓介の不在に
ついては触れなかったそれがむしろ旅館
スタッフが啓介に対して期待していない
ような気がして焦った私はその夜少し酔っ
た状態で帰宅した啓介に話をすることにし
たなんだよ怖い顔し
てお母さん最近体調が悪くてほとんど旅館
の仕事ができていないって知っ
てるそんな話かとうんざりした様子で畳の
上に座り込む
介旅館から少し離れた場所に住居としての
家がある元々はお母さんと義父が暮らした
家なのだがお母さんはほとんど旅館内の
休憩所で寝泊まりしていて実際にこの家に
来ることはほとんど
ない未だに引っ越しした際の私たちの荷物
などを整理できていない状態でいくつかの
ダンボールが積んであるそのダンボールを
背もたれような形で啓介はあを描いた
なあ真面目な話だけどさ母さんがこのまま
具合悪くて動けなかったらスタッフの
スケジュール調整とか運営の統括とか全部
俺がやることになるわけ
じゃん当たり前じゃないそれで一生懸命
お母さんから指導してもらっているん
でしょ
ああなんか思ってたのと違うっていうか
ちょっと思ってたのとうとかそういう甘い
考えを言ってる前にきちんと旅館に出て
仕事してよ
ね私が少しきつい調子で行った自覚はあっ
たのだが次の瞬間に急に啓介ははと怒って
立ち上がり私を睨みつけてきたそれが
あまりに唐突だったために私は思わずきと
小さな悲鳴をあげると啓介は少し気まず
そうな顔をして部屋から出ていって
しまう部屋の壁にかかっている時計の針は
22時を刺しているその日啓介は朝になっ
ても部屋に戻ってくることはなかっ
た啓介は旅館の仕事を完全に放棄するよう
になってしまいお母さんの体調も良くなら
ない日々がしばらく続いた雪こそ降ら
なかったが寒さがさらに厳しくなる日が
続い
た私が旅館入り口玄関を掃除していると
すぐ近くに見える渓流の先からかかな鳥の
鳴き声が聞こえるおやと私が目を凝らすと
渓流の近くの折れた木の枝に奇妙な何かが
いる大きさは鳩くらいだろうか透明に見る
と頭以外が全部白っぽく見えるがよく目を
を凝らすと白黒のゼガをした鳥だ庭鶏
みたいな奇妙な頭をしているまるで寝癖の
ついた少年みたいな頭をした鳥は木の枝
からじっと渓流の水面を見つめている山せ
だ私がそのとても珍しい鳥に見れていると
坂を登ってくる1台の車の音に驚いた山セ
は素早く木々の奥へと隠れてしまう
車から降りてきたのはスーツ姿の
啓介ねちょっと今川の向こう側にすごい
珍しい鳥が話が
ある私の話を切り捨て言葉少なに私を連れ
て控室に
向かう啓介は私にまるでショップからの
広告はきでも渡すくらい適当な態度で離婚
届けを手渡してきた
あまりに唐突な状況に私は驚きしばらく
方針しながら記入済みの離婚届けを
見つめるそんな私に啓介はそっとスーツの
ポケットからボールペンを取り出し微笑ん
だどうしたボールペンならあるぞ印鑑が
ないとかあちょっと待ってリコどういう
意味私を見下すような態度で介は胸
ポケットからを取り出し火をつけ
たお前はなんだこの旅館で働くようになっ
てまるで魅力がない和服美人と言えば
聞こえはいいが地味でつまらん退屈な女だ
なとにかくつまらんお前はつまらんつまら
んつまらんって
何私が言葉につまらせて絶していると啓介
は近くにあったパイプイスに腰を下ろして
私を見上げるような姿勢になっ
たよく見るとスーツの袖からは私が見た
ことのない高級そうな腕時計が覗いて
いる私の視線に気づいたのか啓介は右手で
腕時計のバンドを撫でながら壁にかかった
カレンダーに視線を移し
たこの旅館は売却
する私は耳を疑った先祖代々続いた死旅館
売却啓介は女将であるお母さんがいつまで
も現場復帰できない状況ではいずれ経営
状態が破綻するかもしくは支配人である
啓介自身に多大な苦労が降りかかると断言
する今の状況を打開するにはこの旅館を
大きなホテルグループに売却し参加となり
経営権を渡してしまうのが最も効率的だと
[音楽]
すでにホテルグループとの話は進めてる
最終的に俺は実質的に旅館業務に一切の手
を出さずに収入を得られるんだすごい
だろちょっと待ってせめてお母さんの体調
が良くなってから旅館についての話とか
その離婚の話とかをそれで思ったわけよ
そんなすごい俺がなんでこんな地味女と
結婚生活しなくちゃいけないんだってそう
考えたらなんかだんだんイライラしてきて
さ私の話など全く聞いていない啓介が私の
手にボールペンを無理やり握らせ強引に机
の前に立たせ
た机の上に置いた離婚届けを指さし今すぐ
かけようと耳元でさいた全身から鳥肌が
立って思わず介を突き
彼は私を下げんだ笑を浮かべてい
たこの旅館の売上と従業員はもらって
いく待って冷静にせめてお母さんの具合が
回復して旅館の話し合いが済んでからその
後で私たちのことを話し合えない
の時間稼ぎのつもりかまあいい今日は帰る
よこの旅館をどうするかの決定権は俺にあ
だ
し啓介は机の上に置かれた離婚届けを指で
数回叩くそれは私に書いておけよという
ジェスチャーであったそれとこの旅館は
介護き老人ホームじゃないんだ仕事ができ
ないならどこか違う場所で寝泊まりしろっ
て母さんに伝えろ
よ啓介が事務所から出て行った後私は呆然
と立ち尽くしていた
夢か現実かの区別がつかなくなるくらいに
衝撃的な状況で理解が追いつか
ない部屋の扉が
開く私は啓介が戻ってきたのかと思い一瞬
体を硬直させたけど現れたのはお母さんで
あっ
た今朝までネタきり状態でパジャマを着て
いたお母さんはいつも仕事できている無事
の着物に
て
いるお母さんは微笑み方針している私の方
を抱くと静かにごめんなさいねと謝罪した
さて私の出番だ
ね今まで見たことのない上品でいたずら
っぽい笑顔が目の前に広がって
いる私より少し背の低い小柄なお母さんに
優しく頭を撫でられると不思議な気持ちに
なるやがてお母さんは私の背中を軽く
叩きごめんなさい本当にと再び謝罪した実
は私の体調が悪いというのは嘘だった
のへ嘘のなんでそんなこと
を試すような真似したこと謝るわでも聞い
て優香
さんお母さんは周囲に誰も聞いている人が
いないことをよく確認してから小さな声で
今までの経緯を説明し始め
た実は数ヶ月前から啓介が不審な動きをし
ていることに気づいたお母さんはたまたま
啓介の外出の理由はこの旅館の強豪企業で
あるホテルグループの経営人らしき人と
頻繁に会うためだと耳にしたらしい競合
企業の役員と会うことが啓介にとってどの
ような意味になるのかは分からなかったが
仮にお母さん自身が病気で床にふしている
という状況での啓介を試してみたかったと
告白
する結果的に啓介は支配人としての業務も
放棄しほとんどの仕事を私に押し付ける
ような形になり大きなをかけてしまった
ことをお母さんは何度も深く謝罪してくれ
たでもこれでようやく本当に守らなくては
ならないものが見えてきました旅館の後継
としても家族としても裏切った前はあの子
に必ずけさせ
ますそれからケは家にも戻ることもなく何
もない日々が続い
た1ヶ月が経ち旅館の周りの雪も溶け
始める日課である玄関掃除をしている私は
何気なく渓流近くに視線を移しもしかし
たらもう一度あの珍しい山せという鳥がい
ないだろうかと
思うどこか遠くの方で私の知らない鳥の
鳴き声がするたびに自分の心の中が綺麗に
なっていくような感覚がするのはきっと
こういう場所で暮らす人の特権なのかも
しれ
ない私は最初に感じた不安はどこへやら
この旅館が好きになってい
た旅館のスタッフも女将であるお母さんも
そしてここから見える景色全てが好き
だ手にもった掃除用のたぼ機を強く
握る視線の先
坂を登ってくる見覚えのある
車乱暴な運転で駐車した車から降りてきた
ケスは開校1番においあれはどういうこと
だと声を荒げた私は穏やかな声で事務所で
話し合いましょうと提案し啓介を案内
するさすがに啓介も他のお客様が旅館内に
ちらほらといるので感情に任せて怒鳴っ
たりするようなことはなかったが事務所に
入った途端に大きな声で私を問いただした
おい旅館を売却する話がなくなっちまっ
てる何をしたん
だお母さん啓介がどこの企業と売却の話を
進めるのか入念に調べてくれていたのだ
から私は私でこの旅館の方向性を考えてみ
たの
啓介が軽減そうな顔をする私は事務所の棚
に整理してあるファイルからいくつもの
資料をテーブルに並べた丁寧にまとめられ
た資料には私たちの旅館の経営状態や具体
的な事業内容が記されているそして啓介が
売却を持ちかけていた大手ホテル企業と
両者が提携することでのメリットをプレゼ
するための資料が分厚い束になってい
た売却ではなくあくまで定型という
形啓介はその資料の中の1枚契約書と書か
れた紙に目を
通すそそんなあんな大手企業と定型を組め
たのか完全にうちの旅館にとっては大きな
メリットじゃない
か優香さんはとても優秀な交渉人だったの
よ
いつの間にかお母さんが事務所の壁に
もたれかかって話を聞いて
いる啓介は未だに契約書と資料を何度か
読み直し唇を噛ん
だ啓介が売却を考えていた大手ホテル企業
には私とお母さんで共に出向いて事情を
説明し売の話は向こうにしてもらっていた
それだけでなく旅館の強みや両者が定型を
するメリットをプレゼしビジネス
パートナーとなる話を
つつける私が長年大手企業の
マーケティング部で培ったスキルが生きた
よう
だ旅館での新しい取り組みとして前に渓流
近で見た珍しい鳥である山セに感動してい
た私はこの旅館周辺に野鳥が集う宿という
コンセプトを目指すことにした
それにはこの秘境のような未の地を鳥たち
の生体系に注意しながら整備計画を進行し
なくてはいけないこの発想に至ったのは私
が女神としての視点の中で発見したもの
だ秘境の旅館に訪れる人の中に相ear鏡
を首に下げて宿泊する人が何人かい
た理由を聞くとこのような人と離れ山奥に
は多くの野鳥がおりバードウォッチングと
して最適なのだ
と旅の庭に水場と餌場の
設置相手は野鳥だろ餌なんて巻いてたら
確かに集まるだろうけどそれじゃ勝って
いるのと同じじゃないか動物園でも開業
するつもりなのか
よ餌は冬場限定よたも冬はを探して苦労
するからね将来的には旅館周辺に小さな身
がなる植物を植えて植物の身とか虫とかを
利用して野鳥との強制関係を築こうと考え
ているのよしかしあまりにもトピな考え
じゃないかうちは旅館だぞそんな野鳥
なんかを旅館のメインコンセプトに変える
なんてそこで啓介は口をつぐんだ私は
もちろんお母さんですら冷たい目で啓介を
見ているからだ散々今まで旅館の経営を
面倒くがって売却だなんだの騒いでおいて
こっちが懸命に考え抜いたアイデアにケチ
をつつけるとは何事
か優香さんに失礼な態度を通ったらしい
じゃないかあんたもうこの旅館にも居場所
なんてないから
ねお母さんがそう啓介に言った後私も啓介
も黙り込んで
しまう壁にかけられた時計の病院が妙に
響く啓介は何も言わずただ長い時間資料を
見つめてい
たそして額に手を当てて床に座り込んで
しまうなんてことをしてくれたんだ俺が
どんな思いで売却を決めたと思ってる
こんなさびれた旅館を継ぐなんて苦労する
未来しか見えないこんな長時間労働ばかり
の職場優香にだって苦をかけるに決まっ
てるじゃない
か
啓介今からでも間に合う旅館を
売ろ海外投資家に旅館を売却すればここは
外国人御用たしの旅館になるスタッフの
ほとんどは英語を使えない状況じゃ売却後
はすに全員解雇される恐れもあるのよな何
そういうものか考えすぎじゃなく
て啓介が怯えた表情でお母さんの方に視線
を移すお母さんは無表情のまま小さく頷き
私の考えを肯定したいや正直言うと収後に
全員解雇は言いすぎなのだけれど今の介に
はこくらいの刺激的な言葉の方が効果が
ありそう
だ幼い頃はこの旅館で育ったようなもので
ある啓介にとって旅館のスタッフの中には
親戚のように付き合いの長い人もいるその
人たちに迷惑をかけたくないという気持ち
もあるのかもしれ
ないここは数百年も続いている死旅館これ
からもずっと存続してほしいと思ってるの
私の言葉を皮切りに事務所の扉が開いて
スタッフが入ってきたそれほど広くはない
事務所内に旅館内のスタッフである中井
調理師受付やドライバーなど旅館で働く
従業員が全員集まっ
た今回の事情は全ての従業員に報告して
ある啓介が支配人としてふさわしいか否か
は分からないが彼がこの旅館を自らの勝手
な判断で手放そうとしていることは他の
従業員にも到底許しがいことだった
らしいあるものは怒りをむき出しあるもの
は悲しそうな表情で啓介を
見つめるそれらの多くの人の熱い視線を
向けられ啓介はただうれて黙り込むしか
なかっ
たわかった分かったよこれからは俺も支配
人として頑張るよ
はい
えっともう離婚届けは無事に提出してある
んだけどの何ちょっと待て俺と離婚してる
なら優香が旅館で働くっておかしな話だろ
な
お母さんついに話の滅びでも見つけたよう
な感じで嬉しそうに半笑いで問い詰める
啓介にお母さんは着物の帯から1枚の写真
を
取り出すの中で介と派手なメイクをした
若い女性が腕を組んで
いる若い女の子に尻尾振って貢いで借金し
てたみたいだねそれで旅館の売却と離婚を
急いでたんだろう知り合いに調査して
もらった
よ写真を握りしめうめき声のようなものを
口から漏らした啓介は両腕で頭を抱えて床
に倒れ込んで
[音楽]
ちょっと待ってくれよ俺が間違ってるのか
よわかんねえ意味がわかんねえ
や旅館の従業員の1人が部会者には帰って
もらいましょうと言い数人で啓介を
抱き抱えて事務所から出て行っ
た事務所に残った私とお母さんは顔を
見合わせ深くため息を同時につい
た終わりました
ねそうね改めて優香さんにはこの旅館のお
として頑張ってもらいますよろしいです
ね私はお母さんに教わったおとしての所作
を思い出しながら静かな声で先月ながらと
ふぶかと頭を下げるのであっ
[音楽]
たそれから1年の月日がとしている私と
お母さんが切り盛りする旅館は毎日予約で
満室になって
いる啓介と離婚が成立した今となっては
義母という関係性ではないので今はもう
くみ子さんと呼んでいる私はこの旅館を
死にという理由で常連客に愛されるだけで
なく新しい客層の獲得や顧客満足度の工を
常に考えながら仕事に取り組んで
いる実家を裏切った啓介は末さから地元に
いられなくなり都内へと旅立ったようだ
共通の知人曰く見知らぬ土地で日労働で
食いついでいるようでまるで渡り鳥のよう
だなと
思う啓介はけすなりの人生を大切に送って
ほしいと心から
思う次々と新しい旅館のイベントや計画を
立てつつも私が最も大事に思っていること
は従業員もやりがいを持ち満足に働ける
旅館にしたいということ義母であった
くみ子さんもそれに賛同し私たちは本当の
親子のように仲良く支え合えて
いる現在は提携しているホテルに外国人
観光客向けのを教わっており新たな
取り組みを任せてもらっている私は今後の
旅館の姿をとても楽しみにして
いる雪解けが始まりもう春が近づいている
渓流の先にある山の向こう側に自生して
いる背の低い桜がもうすぐ先出しそうで
あるお客様の中に相ear鏡を首に下げて
いる方がいて何気なくバードウォッチング
の話になったその時私が旅館の近くで山
セミを見たという話をするとそれはすごい
と嬉しそうに微笑んでくれ
た時々仕事の休憩時間に私は渓流のそばに
座り自然の吹きを感じながら静かに時間を
過ごした青青とした木々の合間から1話の
美しい白黒の鳥が飛び出し私の視界を
横切っていく空想をしながら長い間水の
流れを眺めて
いる山々から溶け出した雪どけ水と脇道に
よって形成された渓流はどこまでも綺麗で
いつまでも流れ続ける永遠のようにも感じ
たあの日偶然に見た山セの姿をもう2度と
私は見ることはなかっ
た女将さんちょっと手を貸して
ください旅館の入り口で新人の中が困惑し
た様子で私を呼んでいる私は立ち上がりお
尻を軽く叩くと小走で旅館へと戻っていく
ことにし
た私の背後で山がさそと渓流を飛行して
いくある日いつものように夜の仕事を終え
て帰宅すると珍しく家の電気がついていた
この頃まりはもう私が家にいない時間に
しか帰ってきていなかったので2人で家に
揃うのは
珍しい玄関を開けて中に入ると引き出しを
ゴソゴソと漁るマリの姿が視界に入っ
た泥棒みたいなことはやめ
なさい仕事で疲れているせいもあるのか
久々に顔を見ることができた娘に対して
お帰りよりも先にそんな言葉が出てしまっ
た何よここは私の家でしょここにあるもの
は私のものでもあるでしょそう言ってマリ
が手にしたものは私がマリの名義でずっと
お金を貯めていた預金通帳だっ
たちょっと待ってそれありが大人になった
時に渡そうと大切にしていたものよ一体何
に使うの私が慌てて問い詰めると私結婚
するからとそっけなく言われて
しまう相手は誰かどこで出会った人なのか
お相手のご家族とはあったのか結婚式は
どうするのか聞きたいことが山ほどあった
しかしマリは何1つ答えてはくれ
ないあんたの存在が恥なの結婚式には来る
な私の母親は離婚したままいないことに
なってる
から最後にそを吐きしててマリは家を出て
いった私の中の全てが音を立てて
崩れ落ちる今まで自分のことなど放って
マリを育ててきたのに私の存在全てが否定
された私はマリが荒らして部屋の真ん中で
そのまましばらく動けないでいたがやがて
このままじゃいけないと思い1本の電話を
かけたそれから数ヶ月が経ち今日はマリの
結婚式当日私は影から花嫁姿のマリを見て
いた綺麗なドレス姿をこんな形で見たく
なかったなと今更ながら思うマリの隣に
いる新郎の顔を見るのは今日が
初めて年上の優しそうな顔の狼がマリに
微笑みかけてい
た反撃準備はでき
た隣の女性にそう声をかけられ私は大きく
頷い
た私の名前は花ぶさ雪子47歳格安賃貸の
ハで1人暮らしをしている元々は娘のマリ
と一緒に暮らしていたのだがマリは何ヶ月
も前に出ていったっきり連絡すら取ってい
ない
娘とは言ったが血はつがっていないバイ
同士て再婚した夫五郎さんの連れ子だ五郎
さんは私と出会う3年前に奥さんの浮気が
原因で離婚し
た娘は私が育てるのよと逆上した奥さんと
裁判の末に真剣を取ったそうだがその五郎
さんは私と再婚して翌年にガンが見つかっ
た
マリのこと本当の娘だと思って優しく
厳しく育てて
ほしいそれを最後の言葉に五郎さんはこの
よう去った昨年13会期が終わったところ
である残ったのは出会って1年もしない
血縁のない私とまり当時まだ小学生だった
マリの母親になるために私は必死に生活費
を稼いでいた
私には前の夫との間にも子供がいたしかし
価値観の違いにより
離婚両親はおらず専業主婦だった私に子供
を育てることは難しく真剣は元夫のものと
なっ
たでも今マリのことを守れるのは私しかい
ない今度こそ自分の手で子供を守って
育てようと私は仕事も家事も手を抜か
なかっ
た一方でマリは五郎さんに連れて来られた
時から私にはあまり反応を示さなかった
それは五郎さんと結婚する前五郎さんが家
に招待してくれて初めてマリと顔を合わせ
た時の
ことまりちゃん初めまして
善夫との子供より少し年下のマリ私は
しゃがんでマリと視線を合わせて声をかけ
たしかしマリは一瞬目を合わせはしたが何
も言わずすぐに遊びに戻ってしまっ
たマリ前に話したお母さんになる人だよ
五郎さんがそう言ってくれてもマリの態度
は変わらなかったそれもそうだまだ小学生
の子供がいきなり母親がいなくなってそれ
からしばらくして新しい母親になる人が
れるなんて拒否反応さえ示してもおかしく
はないさらに私は元夫と離婚してから水
商売を始めた五郎さんと出会ったのもその
お店で働いてた時のこと五郎さんが私の
働いていたお店にお客さんとしてきてその
時私に一目惚れしたそうだそれから定期的
にお店に通ってくれたが五郎さんは他のお
客さんとは違った
他のお客さんみたいにお酒で大変なことも
ないし嫌なことは一切してこない五郎さん
はすごく私に優しくしてくれているこう
いったお客さんはいないわけじゃないが
ここまで続くのは本当に稀なことでやがて
わずかな警戒心とせっかくお金を払って
いるのにという罪悪感もあり本人に聞いて
みることにしたあの来てくれるのはすごく
嬉しいんですが楽しいですかもっと好きに
楽しんでもらってもいいんですよせっかく
自分にお金を払ってきてくれている人に
こんなことを言ったらもう2度と来てくれ
なくなるかもしれないのにそれでも聞かず
にはいられなかっ
たいやあなたに会いたくてここに来てい
ますダメでしょうか
五郎さんはほんのり頬を染めて恥ずかし
そうにそういうこの人が嘘をついてると
思えなくてただ五郎さんが私との会話を
純粋に楽しんでくれていることに嬉しく
なった次第に私もお客さんとして五郎さん
に来てほしいなと思うようになり五郎さん
がお店に来てくれるのが待しくなった彼が
お店にるになて数ヶ月が経った
頃結婚を前提に付き合ってほしいですと
いつも通りお店に来た五郎さんが花束を
持ってきてそう言ったいきなりのことに
驚きはしたが私はその日にお店を辞めた
五郎さんがお店に通っている時からお互い
にバイであることは知っていたし五郎さん
が娘さんを引き取ったことも聞いていた
から私は今度こそちゃんとした母親になり
たいとその時本気で思った私と五郎さんの
馴染めはこんな感じだそれを五郎さんが
どこまでマリに話していてマリがそれを
どれだけ理解しているかは分からなかった
が少なくともよくは思っていなかったんだ
と思ういくらお付き合いを始めた時にやめ
たと言っても水商売は水商売だ私はこの
仕事をやるようになってから誇りを持てる
ようになってきたが理解できない人の方が
多いことは承知の上それでもマリには少し
ずつでも私のことを母親と思って接して
もらえるように努力していくつもりだっ
たしかしその1年後に五郎さんは亡くなっ
てしまっ
た五郎さんが亡くなった時1人でマリを
育てていくために私は1度辞めた水商売の
店に戻った
それからマリの母親になるための覚悟とし
てマリをちゃん付けで呼ぶことをやめ
たマリ
ちゃんマリ夜ご飯だよ私が初めてマリの
ことを呼び捨てにした時マリは一瞬だけ
驚いて顔をするしかしそれ以上の反応は
なく私の母親として距離を縮めていこうと
いう作戦がマリの心を開くことはなかった
もも学校になじめていなかったマリは五郎
さんが亡くなってからは一切学校に行か
なくなってしまったそれどころか中学に
上がってからどこで知り合ったのか分から
ない友人と昼夜を問わず遊び明かすように
なっていた私には何の相談もしてくれずに
私は母親としてマリのために今している
ことは良くないと
してきたがそれに対する反発は次第に
激しくなっていき言い争いのようになる
こともばしはあったマリは断るごとに私に
本当な母親じゃないくせにと言ってくる私
はそれを言われるといつもそれ以上何も
言えなくなって
しまう確かにいくら形式上はマの母親に
なったとはいえ私たちはまだ親子には
五郎さんが亡くなったのはこれから3人で
ゆっくり家族になっていこうと考えていた
矢先のことだ私だって急に1人でマリを
育てることになってからマリとどんな風に
過ごしたらいいのか分からなかったのに
それでもマリの言葉に自然と悲しみを覚え
始めた私は気持ちだけでも少しはの母親に
慣れてきたんだと
思うと一緒に家にいる時間は次第に減って
いったマリが家にいなくても私が家に帰っ
た時にマリが家にいた形跡があると今日も
ちゃんと元気に生きてくれているんだと
感じることができてそれだけは安心できた
しかし私が仕事から帰ってくるとマリーは
家にいないことが多くて家に置いている
財布を見ると明らかにお金を抜き取られれ
ていることもあったいくら家族とはいえ
そんなことは許されない私はマリが家に
いる時に困っているなら話してほしい勝手
にお財布からお金を盗むんじゃなくてと
優しく伝えたがマリはうるさいと言って
逃げるように出かけてしまったもうこう
なってしまったらマリと親子としての良好
な関係は気づけないのだろうかマリが中学
を卒業する少し前私はたまたまいつもより
早く家に帰った日があったバリが寝ている
時間のため家に帰る時は静かに入る今日も
そっと鍵を開けて家の中に入ると奥の部屋
からすすりなく声が聞こえてきたマリが
1人で泣いている五郎さんが亡くなった時
も私の前では一滴も涙を流さなかったあの
マリが本当は誰もいないところで1人で
泣いていたんだとこの時初めて知った私は
音を立てないように静かにその声を聞い
たどうしてお母さんは家を出ていっちゃっ
たのどうしてお父さんは死んじゃった
の新しいお母さんは私の言葉を聞いてくれ
なかっ
たいくら私に反抗していたってまだ中学生
の子だ両親ともいなくなって残ったのは血
のつながらない名前だけの
母親しかもその母親が水商売をやっている
となると受け入れられなくて当然だ私は
肝心なことに気がつくのが遅すぎたマリの
与えてくれたチャンスに気がつかなかった
それはある日の休日マリが出かける前に
ぼそっと言った言葉があっ
たねえ
あんたなんてやめた
な初めてマリから仕事について言われた
その時マリがどうしてそんなことを言った
のか私には分からなかったでも今なら
わかるマリは本当に水商売をやめてここ
から普通の親子になろうというチャンスを
与えてくれていたそれなのに私はマリを
育てていくお金のためにやめられないかな
それに今はこの仕事に誇りを持っている
なんて答えてしまったその日の夜マリは
帰ってこなかったどこかで泣いていたのか
もしれないよく思い出せばあの日を境いに
マリが家に帰ってくる頻度が減っていた私
はあの時完全に母親としての資格を失った
んだもっとマリのことを考えていれ
ば私は母親失格ね思わず声に出してしまい
マリがそれに気づいて家を飛び出して
しまったしかし私にはマリを追いかけられ
なかったマリの真っ赤に泣きはらした顔が
頭から離れないここで追いかけるのが母親
として正しいのかそれともそっとしておく
のが正しいのか私にはもう分からなかった
私はその場で1人涙を流したこの日のこと
はなかったかのように私たちの関係は
ずっと変わらなかったマリは高校にも進学
せず家にいる時間を減らすためか毎日の
ようにバイトをしていたもちろんどこで何
のバイトをしてるのかは教えてくれない
おそらく友人の家に泊まっているのだろう
家に帰ってこない日も増えていっ
た私とには血が繋がっていない私はマリの
本当の母親じゃないでも私は五郎からマリ
を頼まれて親として
マリオそんな悩みが尽きることは1度足り
てもなかった考え込んで何度涙したかも
わからないもう1度チャンスが欲しいと
まだやり直せるんじゃないかと何度も願っ
たそれでも私は母としてマリを育てようと
ただ仕事に励むしかなかっただから私は
自分が母として娘との時間を作れてい
なかったことにずっと気づくことができ
なかったんだ本当に必要なのはお金でも
掃除された家でも美味しいご飯でもなくて
一緒に過ごす時間だったんだとある日いつ
ものように仕事を得て帰宅すると珍しく家
の電気がついていたこの頃のマリはもう私
が家にいない時間にしか帰ってきてい
なかったので2人で家に揃うのは
珍しい玄関を開けて中に入ると引き出しを
ゴソゴソと漁るマリの姿が視界に入った
泥棒みたいなことはやめ
なさい仕事で疲れているせいもあるのか
久々に顔を見ることができた娘に対してお
帰りよりも先にそんな言葉が出てしまった
何よここは私の家でしょここにあるものは
私のものでもある
でしょそういってマリが手にしたものは私
がマリの名義でずっとお金を貯めていた
預金通帳だっ
たちょっと待ってそれはマリが大人になっ
た時に渡そうと大切にしていたものよ一体
何に使うの私が慌てて問い詰めると
私結婚するからとそっけなく言われた相手
は誰かどこで出会った人なのかお相手のご
家族とはあったのか結婚式はどうするのか
聞きたいことが山ほどあって全て周りに
聞いてみても何も答えてくれ
ないずっとそうだマリは肝心なことは何1
つ私に教えてくれないもううるさいあんた
には関係ないからほっといて
先に声を荒げたのはマリの方だっ
たちょっと待ってよ母親の私に何も教えて
くれないのは違うじゃないつい私も
かっっとなって高論が始まりそうな雰囲気
になってしまっ
たいいあんたの存在が恥なの結婚式に来る
な水商売をしてる母親なんて私にはいない
の私の母親は離婚したままいないことに
なってるから最後にそう吐きしててマリは
家を出ていった私の中の全てが音を立てて
崩れ落ちる今まで自分のことなど放って
マリオを育ててきたのに仕事のことも悪く
言われ母親なんていないと言われてしまっ
た私の存在全てが否定された多分もうマリ
は家に帰ってこないのだろう私の母親とし
ての役割はあっさりと崩れるように終わっ
てしまった私はマリが荒らした部屋の
真ん中でそのまましばらく動けないでいた
がやがてこのままじゃいけないと思い1本
の電話をかけたそれから数ヶ月が経ち今日
はマリの結婚式
当日私は影から花嫁姿のマリを見ていた
マリの綺麗なドレス姿をこんな形で見たく
なかったなと今更ながら
思うマリの隣にいる新郎の顔を見るのは
今日が
初めて背が高くて年上の余裕のある優しい
顔の新郎がマリに微笑みかけていた隣の
女性に反撃準備はできたと声をかけられ私
は大きく
頷く堂々とした態度で
失礼しますと声をかけ隣の女性と2人で
部屋に入ったその声を聞いたマリと新藤
家族はこちらを確認するそして入ってきた
人物の1人が私だと気づいたマリは
母さん来ないでって言ったのにと声を荒げ
た私の隣にいる女性が失礼ですがせつ子
さんは等式所のスタッフですがととぼけて
見せる実は私の隣にいる女性はこの式場の
スタフであり私の実の娘ユだマリもそれを
理解したのだろうユの方をきっと睨んだユ
はマリたち夫婦の担当プランナーではない
とはいえ打ち合わせなどの時に何度か顔を
合わせていたはず今まで顔を合わせたこと
のなかった娘同士が静かに睨み合う私が元
と離婚してからもゆとの関係は良好で
たまに電話をしたり年に12回は会ってい
たマリが家を出て行ったあの日私が電話を
かけた相手はユだった電話でマリとの騒動
をありのままに話すユは私と元が離婚した
後も私のことを変わらず母親と思って接し
てくれていた私は元夫と離婚してからは
自分の生活のため
今でこそ楽しいと思えている水商売に当時
はかなり苦労していた真剣が元夫になった
ため私にはもう雪に遭う資格はないとただ
ひたすらにお店と家の往復をする毎日早く
雪のことを忘れたい気持ちもあったのかも
しれないそうして1年もの間水商売の仕事
に没頭していた時私のスマホに1通の
メールが届いたそこには
お母さんに会いたいと書かれていた中学生
になってスマホを買ってもらったのだろう
私はそのメールがユからのものだとすぐに
分かった母親としての資格をなくした私の
ことをまだ母親だと思ってもらえている
ことは嬉しかったしかし今の私が雪に会う
資格があるのかと考えるとその自信がなく
てしばらくそのメールに信ができい
たそれから何度かメールをして会う日と
場所を決めて本当に会うことに当日の朝私
は緊張して朝ご飯が全然喉を通らなかった
もしかしたら会うのは今日が最後になるか
もしれないという恐怖があったからだ今更
やっぱり会うのはやめようとは言わないが
会って失望されないか不安で仕方がなかっ
た
いざ集合場所に行くと雪の姿が目に移る
子供の成長は早い離れていたのはたった1
年それだけなのに雪は最後にあった日より
も背が伸びていて髪も長くなってい
た
ユ恐る恐る名前を呼ぶユはその声を聞いて
振り返り私の顔を確認するなり思いっきり
胸に飛び込んできた
お母さん成長した娘を肌で
感じる久しぶりね涙をこらえながらユに
話しかけるお母さん会えたかったよその
言葉だけで私の不安は消えていった話をし
ながらカフェに入りユの好きなパフェと
オレンジジュース私のコーヒーを注文する
ユが今の暮らしについて色々話してくれた
元夫は変わらず仕事を続けているようで雪
が半分以上の家事をしているらしい
お母さんも定期的に家にお手伝いに来て
くれているそう雪や料理にはまっていて
得意料理はおしだと自信まんまに話して
くれた離婚したとはいえ元夫のことを人と
して嫌いになったわけではない元夫はユが
しっかり大人になるまで面倒を見てくれる
と信じているふと雪に私のことをどう思っ
ているのか聞い
たお父さんと離婚してユには母親がいなく
なってこの1年だけでも大変なことが
たくさんあったと思う私にはもう母親の
資格がないって言われても仕方がないって
覚悟してきたの母親の私が娘の雪にこんな
弱を吐くべきじゃなかったそれでもゆは
笑ってゆっくりと話し
始めるお父さんとお母さんは別々に生きて
いくことを決めたけどそれでお母さんが私
のお母さんじゃなくなるわけじゃないから
お母さんが私のことを大事に思ってくれ
てるのは知ってるしだからこれからは
私たちなりの親子で言うよそう言ってくれ
たユは私の娘というにはもったいない
くらいの立派な人に感じた
こんな未熟な母を許してなお私をユの母親
でいさせてくれるその日を境に私とゆは
定期的に連絡を取ったり会うようになった
誕生日プレゼントやクリスマスプレゼント
お年玉も渡して入学や卒業のタイミングに
お祝いをさせてもらえた普通の親子とは
違う形だけれど私ものたった1人の母親と
してできることはしようと思えるように
なった私の再婚が決まった時も雪には
きちんとあって話をすることにしたただ
再婚するだけでなく相手の男性は子持ちで
ある私は別の子供の親になってしまう
もちろんそれで雪に関心がなくなるとか
そんなことは絶対にないが雪としては複雑
な気持ちになるはず
だそでも雪に内緒で再婚することはしたく
なくて私は正直に話すことにし
たお母さんがそれで幸せになれるならいい
よ再婚しても今までと変わらずにいて
くれるユが不安そうに聞いてきた当たり前
じゃない私はユのその不安を消せるように
思いきり
抱きしめる私の言葉に安心したユは私の
再婚を祝福してくれた私が再婚してからも
ユとの関係は変わらずに続い
た初めのうちはマリについて話すことは
控えていたのだがユの方から子供について
話してほしいと言われてからは私の方から
話をするようになったさすがのユもまり
ちゃんに会いたいと言ってくることは
なかったし私も合わせたいとは思わなかっ
たがが話をしたり写真を見せたりはユも
楽しそうにしてくれたユとマリはあまり年
が変わらなかったのでマリとの関係に悩み
続けていた私にユはアドバイスをしてくれ
ていたユは高校卒業してから専門学校に
進学し卒業後はウェディングプランナーと
して働いていたゆが就職してからは忙しく
なって会う頻度が以前よりは減ったが仲の
良さはずっと変わらなかった電話で事情を
把握したゆが苗字って何だっけ年齢はと
突然マリについて根ほりはり聞いてきた私
が聞かれたことについて知っていることを
全て答えるとユはもしかしてと言って1度
離してしまったバタバタと雪が戻ってくる
なりきめ声で話を
始めるまりちゃんうちの式場で式をあげる
ことになってるよ担当は私の先輩だ
けど加えて一応お母さんとえど新郎さんの
情報は教えてあげられないけど私いいこと
思いついちゃったかもと楽しそうに言った
そしてユの言ういいこととは私を臨時
スタッフとして式場で雇うことだっ
たそんなことしていいのかなももマリの
ことは私が母親になれなかったのが悪いし
今回のマリにはさすがに怒りが込み上げて
きたが自分自身の不甲斐なさや情けなさも
まだあって自信が持てずにい
たあのねお母さんは十分やってきたよそれ
にまりちゃんももう大人って呼べる年齢に
なったんだしここは1回ガツンと行か
なきゃがそういうので私はその作戦に乗る
ことにしたそうして私は式場スタフと同じ
スーツでマリの結婚式に姿を表したので
あるいきなりスタッフ姿で現れた私を見て
うえるマリに対し新郎
が母さんてどういうこと離婚して連絡も
取ってないってと
問いただす新郎の言葉を聞いたマリが雪を
睨むのをやめて慌てて振動に作り笑顔を
向ける違うこれはそのこの人が勝手に私の
ことストーカーして調べてきたんだその場
しのぎな言い訳を並べるまり新郎は軽減
そうな顔をしながらも話は後で聞くと式は
そのまま強行された私はあくまでも式場の
スタッフとして最後まで式に参加した
マリは何度か私とユのことを睨んできたが
気にしないこの何ヶ月かは水商売の仕事を
お休みしてここの式場で研修や他の方の式
をお手伝いして普通のパートスタッフとし
て働いてきた全ては今日この瞬間のために
新郎のご家族がユに説明を求めてきたが
我々はスタッフなので個人情報に関しまし
てはお答えできかねます神父様から伺って
くださいと返事をした心身共にボロボロに
なりながら式を終わらせたマリ私は式の
最後マリにおめでとうお幸せにとだけ伝え
てその場を後にしたマリはあくまでも私と
他人であると演出したいのだろうまともな
返事はせずただ悔しそうな顔だけが見えた
後日ゆからこのまま式場のスタッフを
続けるのはどうと言われたが今までの生活
が私には合ってるからと伝え水商売に戻っ
たマリとのわだかまりがなくなった今は
仕事にも身が入るようになり順調に売上を
伸ばしている一方マの方は自分の母親の
ことが明るみに出たことやさらにお金め
結婚にまでこぎつけたことがばれて即離婚
となったそう後からゆに聞いたことだが
あの式は一般的な結婚式の相場よりも
かなり豪華になっていたらしいそれだけお
相手の方がお金持ちだったということだ
離婚を言い渡された後のマリは頼れる人を
探して男を特会引かしながら住居も点々と
している
らしいもしが私にしっかりと謝って頼って
きたらそれは母親として受け入れるつもり
だったがマリは絶対私に頼りたくないの
だろう家に帰ってくることも連絡を取って
くることも1度もなかった私とゆはそれ
からも変わらず連絡を取り合っている今日
は久しぶりに2人で再開した時のカフェに
来てい
たマリのことは本当に
ありがとう私はねいくつになっても母親
失格よ苦笑い浮かべながら雪にまた弱を
吐くいいんだよ私にとっては大好きな
お母さんだからそれよりお母さんにこれ
渡したくてそう言って手渡されたのはユの
結婚式の招待上私が母親として出席させて
もらえることに胸が踊った家族の分だけよ
祝金だけ置いて帰れ
え私たち夫婦は息子嫁のほさんの言葉を
理解できず固まってしまっ
た彼女の目つきが獲物を軽かのような鋭い
ものへ変わっていくお食い染めの時なら
祝金がもらえると思ったから呼んだのよ
こんな少ない学しか来れない義両親なんて
いらないわ
さっさと帰ってちょうだい
なんですっ
てあのはきの両親だからはりがいいんじゃ
ないかと思って結婚したけれどまさか
こんなにケチだとは思わなかったわなんで
もっと出してくれない
のどうやらなほみんは私たちの包んだ祝い
金の金額が納得できない
らしいお誘いをした時に派手にと言ってい
たのは金額のことを指していたの
だ出産前からそうだった何かにつけてベビ
用品を買わされ家事を代わりに行ってきた
か所詮私たちは彼女の中でATMという
認識だどこまでも自分勝手な人なの
だろうほさんの言う家族という言葉に
私たちは含まれていなかっ
たおい染めだってにんでもいいじゃない
はきに言われたから仕方なく用意させた
けれど私たちを招待したのはふたのお祝い
を一緒にしたいという気持ちではなかった
らしいあなたの考えは全部そういうこと
だったの
ね私はなほみんに対する怒りと悲しみで
震え
たこのまま家を出ていってしまおうかその
ような考えも浮かぶそんな私の肩を夫の
史郎が抱いてき
たそうだなこれが最後だからな
えその時玄関のドアが開く音がし
[音楽]
た私は松坂
小春都内でパートをしながら夫の史郎と
2人で生活している55歳の主婦
だ息子と娘がいるが2人とも成人し家を出
ている娘のしおりは就職と共に千葉の方に
移住した結婚して旦那さんと2人で生活し
ている仕事が忙しいことと実家まで距離が
遠いこともありなかなか会えてい
ない息子のはきは大学卒業後大企業に就職
した結婚してからは実家から徒歩20分
程度の同じ市内のアパートで生活して
いる結婚相手のなほみは艶のある肌に長い
栗色の巻髪が印象に残って
いるまつ毛は美容院で量を増やしネイルは
ゴテゴテとしたものをつけてい
た彼女はいつ見てもみを整えていて実年齢
よりも若く見える綺麗な女性だっ
た近所に住んでいるということもあり
時折り食事をして
いるはきの仕事も忙しく頻度自体は多い
ものでは
ないほさんは緊張もあるのか結婚直後は
あまり私たちと話をしてくれなかった
しかし妊娠発覚をきっかけに私たちに甘え
てくることが多くなっ
た
妊娠本当におめでとう
ありがとうございますでも私うまくやって
いけるか心配
で初めての妊娠だものね不安になるのも
仕方ないわ私もパートがあるから同居は
できないけれどできる限りはサポートする
わ私もはきを妊娠した時そうであった
きっとほさんももあの時の私と同じように
不安なの
だろう元々あまり体が丈夫ではないと聞い
て
いる助かるよ俺もできる限り仕事の調整は
するけれど完全には難しいから
なはきの職場も育児には理解を示してくれ
ている様子だが仕事料自体が多いため
なかなか定時では帰れていないと
いう元々優しく責任感の強いはきだ仕事で
も自分の分だけではなく後輩のフォローも
積極的に行っているの
だろうなほみは友人の紹介で知り合った
ため別の職場で働いているそのため2人
ともどのような仕事をしているか知らない
というあまりお互いのことには干渉しない
家庭
らしい様々な家庭があることは理解できる
ので疑問には思わ
ないそれから私はほさんから頼まれことを
することが多くなっ
たまだつりが収まっていなくってなかなか
家事まで手が回らないんです手伝って
もらえません
かほさんは体調が悪いという理由で給食し
自宅療養を始めている一方私は仕事が繁忙
機に入ったことや家事で忙しかっ
たしかし少しでもほさんのためになるなら
とほさんに言われるがまま私の家とはき
たちの家2件分の家事をする生活が始まっ
た仕事が休みの日は朝の11時頃から家に
向かう食材の買い出しはもちろん掃除や
洗濯まで行っている間さんは部屋に
閉じこもることがほとんど
だ体調が優れないのだろうと私もあえて声
はかけなかっ
た食事ははきの分も作り置きなほみの分は
部屋の前に置いておく食べ終わった頃には
殻の食器が置いてあるためそれを回収して
食器を
洗う夜の18時には自宅へ帰り私と史郎の
分の食事を作るそんな生活が続きほさんの
つりも落ち着いてきた頃
だ家にいるばかりでは気がおかしくなり
そうなんですなので外の空気を吸ってき
ますねあ
ちょっとそう言って私に家事を任せきりに
して気分展開に出かけることが増えていっ
た帰ってくる時間は決まって遅く21時を
過ぎることも多々ある私はパートの仕事も
続けていたので正直苦しい日々だった一刻
も早くこの生活を終わりにしたいと思って
いたそれだけでは
ないあのおくるみもあの哺乳便も必要なん
ですでも貯金があまりなくて出産の前祝い
ということでお母さんどうですか
と次々とベビー用品などもかわされていっ
たのだっ
た確かに私たち夫婦は孫を待ち望んでいた
子供は授かり物だからできないこともある
現に2人が結婚して数年間は子供ができ
なかったからあまり圧をかけないように
意識はしていたしかし少しさんたちにおか
になりすぎていたのかもしれ
ない孫ができた時用にためていた貯金は
少しあるだが貯金額以上にかわされていき
孫用の貯金はそこをつい
たそれでもほさの要求は止まらず私の
パート代もどんどん消えて
いくその間はるからの連絡は業務的なもの
しかなく忙しいことがわかる私はなほみに
対し少しの違和感を抱えてい
たしかし直接確認することもできない状態
だっ
たそのような日々が数ヶ月続き無事にほ
さんは男の子を出産名前はふたと名付けた
らしい出産したという話をはきから聞いた
私は夫の史郎と共にすぐさま病院に
駆けつけ
た出産お疲れ様今はゆっくり休んで
ねありがとうござい
ます産んでくれて本当にありがとう2人で
頑張っていこう
な1週間ほど入院した後なほみんとふたは
無事に退院した入院中の面会は時間の制限
がありごくわずかしかできなかった出産し
たてのほさんに負担をかけるのも申し訳
ない入院中に面会したのは出産直後の1回
のみにしたはきから時折りふた君の写真が
送られてくるその写真を見ることで癒され
てい
た私たちは少しでも顔を見たいと少し経過
してからほさんに自宅を尋ねていいか確認
したまだ体調が悪いので控えてくださいで
も生活していくにはお金が足りないんです
支えてくれません
か私たちの思いも虚しく断られてしまっ
たその時はデリケートな時期だから
仕方ないかと私たちはなくなく諦めたの
だあまり頻度が高いとプレッシャーにに
なってしまうと考えそれから1週間2週間
と時間を開けて何度か尋ねたしかし毎回
同じ返答のみ帰って
くる子育てって本当にお金がかかりますね
前にもらった金額では全然足りないん
ですもうすでに結構な金額を渡しているの
だ
けれど結局ふに会うことはできずお金だけ
ほさんに支払う生活が続い
た少しずつ増えていく正学さすがに私は
この現状に疑問を抱き史郎に相談すること
にし
た史郎は初めての子育てで余裕がないん
じゃないかと
いう私たちも1人目の子供であるはきを
育てた時は確かに余裕なんてな
私も実家に里帰りしたり史郎の実家も
近かったためサポートしてもらいながら
育てたの
だほさんの実家は東北にあり私たちの住む
東京からはかなり距離が離れて
いる実際ほさんは結婚する前もあまり実家
に帰っていないそう
だほさんの口から友人についての話をた
ことは結婚前から1度も
ないはきも仕事で頼れず初めてのこと
ばかりでストレスが溜まっているのでは
ないかその場合逆に私たちが近くにいる方
が悪影響かもしれ
ない私たちは遠くから様子を見ることにし
たもちろん金銭的なこと以外で助けを求め
られた時に助けてあげられる体性は整えて
おくという条件
だ特にほさんからは義実家という立場で
あるあまり余計なことを考えさせるのも
申し訳
ないしかしなぜほさんは毎回お金を要求し
てくるのかあのはきがお金を渡していない
とは思えない大金持ちというわけではない
が収入は一般企業に務めている人よりは
多くはき自身も老化というわけでは
ない風太が生まれる前に必要なものの大半
は私たちが購入し
たはきの収入で合有しなければ不自由なく
生活
できるそこまでお金が必要になる理由が私
には理解できなかっ
たなほ子考えているのかしら
うん史郎は決まってほさんの話をすると何
か悩むような表情になるそして決まって
様子を見ようという私はほさんの本当の
気持ちが分からなくなってい
た妊娠前は距離があったが妊娠後は甘えて
くることが多かったしかし出産後は状況が
一転したまた妊娠前に戻ったよう
だほさんはどのように考えどんな生活をし
ているのだろう
かきっと本当に何かあった時は向こうから
連絡が来るはずだそう思い連絡を控えてい
た私たちの元にはきとなほみんから連絡が
入っ
た久しぶり仕事が忙しくてなかなか実家に
顔を出す時間もなくて悪いと思っているん
だ今度ふたも連れて実家に一度帰れたらと
思ってるよそうなのねお父さんも喜ぶ
わそうだ実は今お食い染めを家で行うこと
になったん
だお母さんたちも是非いらしてください
久しぶりにふたの顔も見たいですよ
ね是非行かせていただきたいはいつ
かしら来週の日曜日なんだ予定は大丈夫
俺は大丈夫だ
行こうお父さんも開いているみたい2人で
伺うわ
ね派手にお祝いしましょう
ね私と史郎は久しぶりに会う孫息子の顔を
見ることが待ちしかっ
た当日はお祝いもを用意していった方が
いい
なそうしましょうほんのお気持ち程度しか
出せない
けれどそして迎えたお食い染めの
日私たちは少しではあるがお祝い金を用意
してはきたちの家に
向かう家で出迎えてくれたのはなほみんと
ふたのみだっ
たお邪魔し
ますわざわざありがとうござい
ますあらはきはどうしたの
かしら仕事にトラブルが発生してしまった
みたいで出かけてしまったんですもう少し
したら帰ってくると思います
よ休日に呼び出されることもあるんだな
大変そうだなほこも1人で大変じゃない
かお気遣いありがとうございますでも
大丈夫です
よこれ少ないけど祝い金受け取ってくれる
かしらあありがとうござい
ます私はなほみんに祝い金を渡し
た祝い金を持ったなほみんは別の部屋に
移動してしまったお金を片付けに行ったの
だろう私たちはその間ベビーベッドにいる
ふたと触れ合うことにした特に夫はずっと
孫に会えるを楽しみにしていた表情の
少ない夫が笑顔で風太を抱っこしている姿
を見て月沼の幸せに
浸るふと部屋の四隅が目に入った部屋には
私が買ったベビーベッドやおくるみが散乱
して
いる隅に追いやられているのは慌てて
片付けをしたということか掃除はあまり
行き届いていないようだ
私が買ったもの以外はあまり見当たらない
ふを抱っこしながら座っているとなほみが
ご馳走をテーブルに並べ始めたしかしお
食い染めにしては少し対象年齢が高いもの
だらけ
だこんなに立派なごじそを作ったのねお
疲れ
様テーブルを見渡すと食器が2人分しか
用意されてい
ない気づかなくてごめんなさい並べるのを
手伝うわ初期はどこにある
かしら家族の分だけよ祝禁だけ置いて帰れ
え私たち夫婦はほさんの言っていることを
理解できず固まってしまっ
たなんでわざわざあんたたちを呼んだと
思ってんのよ顔を合わせるなんて面倒だ
からしたくなかったの
になほみの目つきが獲物を狩るかのような
鋭いものへ変わって
いく食い染めの時なら祝金がもらえると
思ったから呼んだのよこんな少ない額しか
くれない義両親なんていらないわさっさと
帰ってちょうだい
なんですってあのはきの両親だからはりが
いいんじゃないかと思って結婚したけれど
まさかこんなにだとは思わなかったわなん
でもっと出してくれない
のなほみんが部屋を移動したのは祝金の額
を見るためだったのだどうやらほさんは
私たちの包んだ祝金の金額が納得できない
らしいお誘いがあった時派手にと言ってい
たのは金額のことを指していたの
だどこまでも自分勝手な人なのだろう
ほさんの言う家族という言葉に私たちは
含まれていなかったお食い染めだって別に
何でもいいじゃないはきに言われたから
仕方なく用意させた
けれど私たちを招待したのはふたのお祝い
を一緒にしたいという気持ちではなかった
らしいそれだけではない目の前に並んで
いる豪華な料理も自分で作ったものでは
ないと
いうここに並んでいるものは全て市販され
たものか火星さんに作らせたものだそう
だ聞くと今までもなほみんは自分で家事を
行っていなかった
らしい思えば妊娠中からほさんは私たちを
財布化家政府の代わりとしてしか扱ってい
なかっ
たきっとさんは私たちのことを都合のいい
ATM程度にしか考えていなかったの
だろうあなたの考えは全部そういうこと
だったの
ね私はなほみに対する怒りと悲しみで震え
たこのまま家を出ていってしまおうかその
ような考えも浮かぶそんな私の肩を夫の
史郎が抱いてきたそうだなこれが最後だ
からな
えその時玄関のドアが開く音がしたきっと
2人が到着したの
だろうお邪魔しますなほ子ぶり
です入ってきたのははきと私たちの娘で
あるしおだっ
たいきなりのしおの登場にほさんは驚いて
ほさん出産おめでとうございます是非私も
一緒にお祝いさせてほしいなって思って
お兄ちゃんに頼み込んじゃいましたあこれ
お祝いですしおりはニコニコと無邪気な
子供のような笑顔を浮かべ
たさすがのほさんもしおりの勢いに圧倒さ
れているしおりは昔から物持ちせず発言を
できる子だ動揺しながらもなほみはしおり
から祝菌の入っているであろう袋を
受け取っ
たお祝いはふた君のために使ってください
ねホストなんかに使わないでください
よホストどういうこと
だなほみんの顔がさっと青くなっ
たしおりはスマホの画面を見せながらある
SNSを開くそれはホストクラブにいる
なほ子だっ
たなほみんのSNSアカウントこれを見れ
ば全部分かる
よしおりのスマホを借りて私たちはSNS
を逆っ
た顔を出した写真を多く投稿しているよう
でこれがなほみんのアカウントであること
は否定でき
ないそこにはホストに肩を抱かれている
写真や酔い潰れたのか床に寝ている写真の
数々が
ある見た目を綺麗にしていたのはホストに
気に入られるためだったんですかち
違ういつも私にお金を要求する時ですら
表情を変えないほさんが徐々に焦りの表情
を
見せる見た目に気を使うのはとってもいい
ことだと思いますででもよそから見たら
一切未満のこの育児中とは到底思えない
です本当にふた君を自分の手で育てました
かオム交換から授乳から何から何まで行っ
ていたんです
か日付を確認すると時期的に私に家事を
任せている間もホストクラブにいたことが
わかった妊娠中にも関わらずホストクラブ
に通い詰めていたという晴らしという名目
で外に出ていたのはホストとの外出目的
だっ
たほさんは早口になりながら否定の言葉を
並べるこれは何かの間違いですよ私に似た
人がいるんじゃないですかやだなしおさん
長い間会っていなかったからって間違え
ないでくださいよなんだからお酒を飲む
ような場所にいるわけがない
でしょフルネームの本名で登録されている
SNSに特徴的な栗色の髪の毛ネイルが
写っている写真今なほみんがしている
ネイルと同じものだホストに肩を抱かれ
グラスを傾けている写真まで
ある否定できる要素がないこの状態でもな
さんはは大きく首を振りながら抵抗を
続けるお母さんたちやお兄ちゃんのこと
ふた君のことも書いてるこれだけやって
おいて別人ですなんて言い訳は通用しませ
ん
よそれ
はどうやら妊娠中から私たちにお金を
もらい浮かせた生活費をホストに見いでい
たよう
だ産後はふをベビーシッターに預けてまで
ホストクラブに通っていた
らしいSNSの様々な投稿には私たちを
馬鹿にする分と共にそれらが綴られて
いるそしてホストクラブの支払いに困って
いるといった内容の投稿もあっ
たはきは現実を受け入れられていないのか
方針状態で立ち尽くしているそうなって
しまうのも仕方ないだろう
実は私はこのことについて数日前から知っ
てい
たそれは遠くにいるしおに電話していた時
のこと
だ声が聞けて嬉しいわたまには実家に帰っ
てきて羽を伸ばしてもいいの
よ私の仕事もなかなか忙しくてさ夫も昇進
したばかりでちょっとバタバタしてたんだ
お兄ちゃんが近くに住んでいるしでも
やっぱり私も近くにいた方がいいかなっ
てしおり何かあっ
たいつもハキハキと明るく話すしおりの声
が少し暗いその声に何か悩んでいることが
あるということに私は気がついた
うん私に何かあったっていうわけじゃない
のそう言いたくないことなら無理には
聞き出さないわでも相談には何でも乗る
わ実は
ねしおは思い口を開きSNSのことを話し
始める私はSNSに疎いため実際の画面
までは見ていなかったしかし内容を聞いた
だけで大体の想像は
つくどうやら史郎に私が相談していた内容
はしおりにまで伝わっていた
らしいその話を聞いたしおりも違和感を
抱えネット上で調べていたと
いうその結果本名で登録されていたことも
あり情報はしりの目にすぐに入っ
た内容を細かく確認していくとあまりに
衝撃的なことが並んでいたため私たちに
報告するか悩んでいたそう
だはあまり口数が多くないしかしほさんの
話をすると決まって何かを悩んでいる表情
を見せたのはそういうことだったの
だろうきっと私の話を聞きながら様々な
可能性を想像していたの
だその場にいた史郎に確認すると彼も調べ
ていたというSNSに疎くホストクラブと
いうものの実態も知らないた
まだ20代のしおりに尋ねた
らしい多分このことを知らないんだと思う
お兄ちゃんネットに疎いから知っていたら
お兄ちゃんの性格的に絶対に許さないもん
でも私たちからこれをどう伝える
かはきが知っていたら間違いなく離婚して
いる私たちはこの事実をはきに伝えるべき
か検討を重ねたもしかしたらふたのことを
考えてホストに貢ぐことをやめてくれるの
ではないかもしかしたら自分の収入の範囲
でのみ遊んでいるのではないかそんな淡い
期待も抱いた現実逃避という言葉の方が
合っているだろう現実はそんなに甘く
ない最悪の可能性を考えることにした
その結果後々知った方が苦しいであろうと
いう結論に至っ
た直接伝えないとほさんがどのような行動
に出るかわからないそのため私たちは全員
が直接会うことのできるタイミングを伺っ
てい
た食い染めの誘いがあったのはこの話をし
た1週間後のことで
ある私はすぐさましおりに報告
しおも仕事の都合をつけてきてくれ
たはきはしおから自分が来ることはほさん
に内緒にしてほしいと頼まれていたよう
だしおはこの事実を知っているのかあるき
に探りを入れてい
たこれを知っていて了承しているのなら
私たちは何も口出ししないよこの話を聞い
てどう思っ
た
俺を騙してたんだ
なはきはSNSを確認すると怒りで肩を
ふわせ
た少しずつはきも口を
開く違うはるこれは私がやったことじゃ
なくて誰かが私になりすましてやっている
の私じゃない信じ
てなさんは慌てた様子ではきに説明して
いる徐々にさんの目に涙が浮かぶ時折り
言葉をつまらせながらも否定の言葉が口
からとどなく溢れ出すしかしはきは全く
聞く耳を持たない何を言ってるんだどう見
てもほじゃない
か彼は曲がったことが嫌いな性格だホスト
クラブに通っていたという事実以上にフタ
を利用していたことの方が許せないと語っ
た
俺は他人を利用して自分が甘い蜜を吸う
ような人間と結婚した記憶はないもう出て
いって
くれどんな言葉も聞き入れないといった
様子ではきはほさんを攻め立て
た待ってはき話を聞い
て泣き叫ぶようなかん高い声が部屋に響き
渡るはきは今までに見たことのないよ酷な
表情のまま淡々と話を
続けるほが出ていかないのであれば俺が
この家を出ていくふたも連れて行くからな
しばらくは実家の世話になってもいい
か一緒に帰りましょうもちろんふた君も
ねお邪魔しました今までありがとうござい
まし
たなほみんははきに対し叫び続けている
それでも止まらないはきになほみは
すがりついたしかしはきはなほみの手を
振り払う手を振り払われたなほみは床に
うまって泣いて
いるはきが振り返ることはなかっ
た私たち家族はそのまま場を後にし
たはきは家へ帰るまでの道で収支私たちへ
の謝罪と感謝の言葉を口にする
はきが家に帰る頃には日付が変わっている
ことも多く夜に出かけていたことは気が
つかなかったそう
だ数少ない休日には3人で出かけることも
あったというふたに対しての愛情はあった
ようだしかし愛情があれば全てが許される
というわけではない今回はベビーシッター
さんを呼んでいたためまだ良かった今後
もう少しふーが成長したら1人で留守番さ
せられていたかもしれ
ないビビーシッターさんを呼ぶお金も
ホストに費やしてしまう可能性もあるそう
考えるとぞっとして
しまうさすがにここまでされたら許せない
よ弁解の余地はないなもし離婚に同意して
くれなかったとしたら調定でも何でも行う
今まで買ってもらった分の返金というも
込めて慰謝料も請求する俺からも実家には
お金を入れる
から後々しおりに確認するとあの時渡した
袋にはお金は入っていなかった
らしい白死の画用紙を詰めたものを渡した
そう
だ最後まで袋を握りしめていたナホさんが
そこまでお金に執着していたということの
現れだっ
たその後なほみんとはきは離婚したなほみ
んは最後まで離婚したくないと抵抗した
ため離婚調定まで行うこととなった結果と
してほさんは有責配偶者と認定風太の世話
をまともにしていなかったことも認められ
真剣ははきになっ
たほさんははきに対する慰謝料と風太の
養育費の支払いを命じられた
離婚が成立し数年経過したが今のところ
慰謝料と養育費の支払いは継続して
いるほさんの職業や今までの暮らしぶりを
見る限り慰謝料により家計は日の車である
ことは明確だとはきは言うそれでもホスト
がいも辞められない
らしいはきと風太はあの日から実家に戻り
私たち夫婦と4人で暮らすこととなっ
たさらに結婚して遠方で暮らしていたし
よりも実家のそばに戻ってきて暮らすと
いう今回の一見で何かあった時に実家の
近くにいた方が安心するというしおりの
意見が通ったそう
だ来年にはこの子も増えるからふた君も
一緒に仲良くしてね
うんベランダでは風太としおが仲良く遊ん
で
いるそれを史郎と共に見守るのが今の1番
の幸せで
あるこの景色をずっと見てい
たい来年の春にはここにしおりのお腹の
子供も加わるの
だろう温かな日差しに包まれる孫たちを
想像して私は温かい気持ちになるのだっ
たY
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