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【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「八、替え玉」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

替え玉 1 松どやがおじ少し話があるここで聞こう いややが城介はためらう様子で辺りを 取り囲む山の手のものを帰りみまし た聞く通りだ友人が久しぶりで話があると いう見る通り旅だロギの尽きたことなどは の前でつけつけ言えることではないのう矢 おじ矢原城介はにがりとして傘を傾けまし た松波三郎の思いの他なる遠い即妙に少し 気を向かれた形ですいやま様しばらくその 辺りを見てまいりましょうお頼むぞ頭だっ たのが1人そいうと小勢をまとめて笹原の 方へ引き上げていきました お掘り出したか後ろを見送っていた松波 三郎たった1つ残した牙常神を手に取ると 接待茶屋の方へジのすを導きましたまず ここへかけよう野分ことにこんな交点では 通る人もあるまい話というのは一体なんだ やがくったことがあるというと雪の 降りかかる台を少し引っ込めるとを2人の 間に据え手を炙る形にくったくし切った城 のすの顔を見上げました戦国石勝破りが あるだろうと気候は言ったが全くその 通り石勝破りはこの俺だ えあの手方は手方を持った積書破りそんな ものがあるわけはないと思ったのでしょう 松波三郎の顔はすっかり酸っぱくなりまし たとはと本物だが手形のない妹を連れた ために俺も石取破りをやったのだよ妹と 言うとあのま殿かそうだそれは無法だでま 殿は捕まったとでも言うのかそれが分から ぬから心配だ多分逃げ果たせたろう自分の 妹を褒めるわけではないがあの女はどんな 場合に望んでもどうにか切り抜ける女だ それは俺も知っているがそれにしては 危ないなどっちへ行った箱根の町の方へ 行ったはずだそれは困った平山大館の手代 の役目を臨時ながら引き受けた松波三郎が すっかり積書破りの肩を持つことになった のですから物事が甚穏やかではありませ んなんとか妹の安否を確かめる工夫はある まか 松波東派の老師中第1の知能と言われた ですがさすがに妹の安否を確かめかねて 松波三郎の冷たい判断力に任せようという 気になったのです故障ではないか俺が箱根 へ行ってま殿を探してもいいがそれでは 履行なマ殿が顔を出さないだろう妹を探す のはやはり兄に越したことはないこの少族 をそっくり用立てるから山の手代に なりすまして気候がひっしてみたらどうだ えそんなことができるともう松波三郎は実 に気楽なことを言いますが散々辛い目に 合ってきた城のすから見ればそれは用意

ならぬ冒険ということがよくわかり ます気候はどうするとジのす俺はやが城 のすに成りすまして見島へ下る平山の道西 はほっておくまでのことさ松波三郎の包 極まる言葉に助もさすが二が告げません この白面倉庫の男が仲間のうちでも1番 ひかな魂を持っていることを常助は改めて ひしと思い当たったの ですにそれは無法だ松波夫いや非常の時は 非常の手段だそれぐらいのことが何の着物 えての同性を捨ててしまっては気候の立場 がなくなる俺の立場などは一向構わぬ江川 先生の違法をしっていずに来ていたのも 天下のためだ仮に大官手代の役を買って出 たところでそれは旅のつれづれにやと信の 防ぎのためにやってきたので幕府の安泰 など守るつもりはもとないそれよりは殿の 安の方がはかにではないかちょうどいい 安倍だ俺は近々山を退散するつもりであっ たからそれを少し早めて今晩退散すること に決めた何をそんな驚いた顔をする松波 三郎はもにこだわる様子もありません気候 はなんか重大なことを考えているだろうで もなければ気候がそんなことを言うはずは ないその通りだやがが俺はその言葉をその まま拝借して逆に気候に尋ねたいやが城介 は打点の床ぬ顔をちちの明りの中にあげ ました冷えてた額から離すじへ粉雪が さらさらと吹きつけてわった表情を一層 冷たいが重きのあるものにしております そうではないか日頃用人護な気候が石勝 破りをするとはよいのことではないことに 殿はそんな途方もないことをする人柄では ない俺が自分の立場を少しばかり不利にし て誠殿を助けてやろうと思ったのはその ためだやじそんなものではない か恐ろしい怪我やが城介もつい引き入れ られるように頷いて見せました話そう気候 の心持ちを測りかねたわけではない同士の た俺の一存にもならなかったの がもう隠すところは ないもう少し中へ入ろう大変な雪ではない か待て待て松波三郎は立ち上がると牙常智 の絵を腰へ挟んでどの奥雪の吹き込まぬ 辺りへ演台を入れました内道具あるかと城 のすあるでは女心を消そう雪明かりで話に 不自由はない三郎は腰のちちを前へ回して ふっと吹き消しました天地を清めるように ふりしきる雪の夜の中にプーンと牢の 煮える匂いがみなり ますかろほった立中の神上陸のことは聞い たであろうなと改めて城のす聞いた週月 21日というと明日だ立中の神の一光が 江戸を立って23日箱根を越すという 前ぶれが郎中から回っている庭山からこう

して夜中警備に出ているのもそのためだ俺 のようなものが手代わりに駆り出されたの もそのためだところでそのほった立中の神 が京都のク臭を金縛りにするため3万量の 大金を持っていくという話は聞いたかそれ も聞いたその3万量を京都へ持って行かれ ては天下の大事だ佐軍の神南子をげた震動 を進む今宮八ロラと結んでその御用金を 東海道で奪い取り潔よく海へでも沈めよう と団子したのがこの怒りだそれでわかった いや何を隠そう俺が山の手代になりすまし て今夜この山を見回っているのもその3万 両の匂いが嗅ぎたいためであったよなんだ きこもか2人は顔を見合わせて発しそうな 笑いを噛み殺しまし た 3山の手代になりすまして彩らしく山まり をしているのは3万両の匂いを嗅ぐためと 松波三郎の話も変わっておりますありそう なことださもなければ気候が積書役人の 真似などするはずは ないいや笑い事ではないところでその3万 の姿を気候は拝でもした か今度は松波三郎の方が少し乗り気になり ますどうしてどうしてそれではほったびの 神がここを通るまで箱に隠れて待っている つまりかそれにしても立中の髪が通る3日 も前に石取破りをするなどは念入りでは ないかそれには訳があるどんなわけだ3万 の御用金は常の物道中のなどを考えて3日 前にさの4人バワクランドが守護して江戸 を立ち今晩は箱根の本人鎌倉屋に泊まって いる何ババクランドというのは桜班第一の 知者ではないかそうだそいつをうっかり 逃して3日後から来るビチ神の行列を待っ ていると大変な手違いになるところであっ たありがたいやがそのババクランドの一行 に遅れたくないばかりに無理をして箱根を 越したんだよももさが南号らの同士は3万 両は泉屋の嫁入り行列の荷物に隠されて あるにそういないという見込みで俺と別れ てそっちを見張っているそうかさがと南郷 では容易に気候の言うことを聞くまが しかし勢力を2つに咲いてはいざという時 困るだろう松波三郎の顔には100人の さがや南号よりもたった1人の を信頼したいと言った不思議に思いた色が 浮かびました困るには困るが俺の方にも 少しばかり考えがあると言うと追って話そ 壁に耳だやがらジのす思わず吹く風にエリ をかきあわせて吉越に白くなった山のせヤ の影などを見やりましたそれも通りだ いずれこうなる以上は気候が嫌だと言って もせずには気が済まない俺だ三万をどうに かするまではどこまでも一緒に行こう

ところで差し当たりま殿の安否が心もない 気候はこの傘と羽織りを着て引き返すが いい松波三郎は傘を取って粉雪に顔を吹か せながらくるくると道中バリを脱ぎます 待った松苗そんなことをしたら気候は2度 とこの峠引っ越されないことになる 心えているババクランドは明日ここを通る のは分かりきっているぞ雪の中では よしんばババクランドの一向を襲って仕事 が成就したにしても3万両の大金を隠し ようもなく雪の足跡消しよもない雪のある うちは小人数で何にもできるわけはないふ やが常助も妹の身の上をじてそこまでは気 がつかなかったのでしょうの事情をよく 知っている松波三郎に注意されて自分の 取りのせた姿に初めて気がついたのです そう気候の羽織りと傘とそれに手方を貸し てもらおうか手方がなかった日には稲山の 道西に捕まるととんだ油を絞ら れる呑気な高笑い城のすは黙って羽織りを 脱ぐと手早く松波三郎のと着替えました この上つらの遠慮をして毎日妹の大事に なってはと思ったのです松波しばらく拝借 する立ち入れたのは振り切る夜の雪の 中随分用人してまとの救い出されるよ形け ない思わずちを掲げると2人の瞳は夜の峠 の寒さの中にも妙に温かく 合いまし た4矢城介はひきな心持ちでふりしきる雪 の中を箱根の町へ引っ越しました栗本を 立ちでてから毒にも親類演者にも離れて ひたすら東西に本する自分を影に日向に 助けてくれたたった1人の妹の誠が付け柱 の幻を背負わされて傷ついたうのように 駆り出されているのです誠の起点も勇気も 強靭な意志も兄の城介はことごとく知って おりますが物慣れたカウに追われて不安内 の土地を逃げ回るとしたら結局かい乙女の 身がどうなること でしょう常助は時々雪の中に立ち止まって 高ぶっていく心臓の鼓動をじっと沈め なければなりませんでしたしっかり者 らしいが若々しい魅力に溢れたまの顔化粧 や髪型に無頓着で少し律的なけれども十分 に美しい妹の顔が行手の雪の山路に ちらついて見えるような気がしてなら なかったの ですやがて箱根という時向こうの闇の中 からひたひたひと雪を切って飛んでくる ものがあります城のすは思わず立ち止まっ て平山の印の入った牙常VAを前の方へ ずいとかけましたと向こうから来た人間も 往来の上へぴたりと立ち止まってじっと こちらの様子を伺っておりますはっきりは 見えませんが先に立ったのは抜けまり

らしい小僧でそれに続くのは反転にすげ笠 を着た小柄の男どちらも心せく様子ですが 別に怪しいものとも思われません言うまで もなくこれは関所の小屋を飛び出した等々 さ桃吉と男姿に化けた常助の妹 誠ようやく箱根の町を抜けてほっと安心し たところへ平山大館の手代姿をした武に印 の入った際常ちを突きつけられたのです からこれは驚かずにいられません2人はに 息の詰まるような思いでドロップを下って 体しまし たやがて城のすは黙って長人を後ろへ引き ました前下がりに傘はかぶっておりますが 主情も知れぬ旅のものにあまり表を見られ たくなかったの です桃吉はその構えを腰をひねって一等の 使え手をかけるのだと思ったのでしょう ぎょっとした様子で一歩引き下がりました が武の平成な態度を見ると思い直し てどんなとうと振り出しましたな一歩 さりげない調子で前へ出るとこれも同じ ように傘を前下がりにかぶってエリへ粉雪 の振りそぐに任せているマを自分の背後へ かいましたどんな見回りの方でしょう助は 黙って頷きますこれは本人の屋に いらっしゃるさのご嫌ババクランド様のお 中原明日のお泊まりについて三島まで急の お使いに立ったところでございます女は ついそこで風に煽られて燃やしてしまい ましたが反転にはししがございますおとし くださいまし常助は黙ってこの校舎長で まくし立てる美翔の顔を見ておりました かぶり物を取るとかけてきたせからしい方 は桃色に輝いて言いよもなく美しい癖にと もすれば相手の傘の中に顔を探ろうとする 不敵な様子もあります主催はございません か旦那城のすは黙って道を譲りましたこの 少年の顔をまんざら知らないではありませ んが常助はそれに何の関心を持つもの でしょうただ少年の後にすをけむ男に心 引かれないではありませんがそれが妹の誠 とは元より知よしもありません両方警戒 し合いながらそのまま明りに遠くすれ違う と桃吉と誠は三島の方へ常助は箱根へ ほっとした心持ちで別れれに行手を急ぎ ました古る雪をつい て 5やが城のすは立ち止まって夜の雪の中に 消えこんだ2人の後ろ姿を見つめました妙 に心を惹かれますがそれは元より何の良し とも分かりません多分箱根の町が近くなっ て一松の不安を感ずるのであろうそういっ た心持ちで自分の強打をしるともなく足を 早めました 町へ入ったのはもう夜半近い頃登りも下り

もすっかり人足が耐えてしらしらと積もっ た雪の上には先ほどあった2人の足跡だけ ちちの明りに影を作ってわずかに柔らかい へこみを見せるだけ ですどちらへバラバラと雪の中へ出たのは 小田原の印の入った 人へ曲がりとる年配の中原はその下から目 を光らせてやがら常助のともすれば背け がちな顔を覗きましたお名前は山の手代 松波 サロスお踊りくだされ山笠に印の入った木 ち疑う点は少しもありません石勝破りが あったように聞いたがまだ捕まらないかな やが城介振り返ると少し砕けた調子で 当たってみましたまだ捕まりませんがこの 雪では山ごもりもなりませんそれに足跡 追われますからすぐ駆り出されましょう それにしてもご苦労だなええこの雪じゃ 全くやりきれません石取破りがあると 分かっちゃ寝ることもならずどうせ弱かし でございましょう常助の下しげな調子に 釣られて万人の下もつい滑らかになり ますでは頼むぞ庭山のものも接待茶山では 来ている熱海街道の方は心配はあるまい さようでございますか行ってらっしゃい まし黙って傘を傾けたまま城のすは関所の 方へ急ぎました右手の山には何やら物の 気配もしますがよりとも道まで来てみると 雪が降ってから1人も通った様子はあませ ん常助は旗と途方にくれましたおは多分 自分を探して山へ山へと入っていったの でしょう誠は確かに寄り友道から箱根の町 の方へ逃げたはずですから捕まった様子が ないとすると町に隠れているにそういあり ませんが雪の中を一見一見探しもならす ここまでは来たものの妹を見つける方にっ てしまったのでし た どんど不にどす黒いような塩から越え城 のすはぎょっとして振り向きましたが人影 らしいものはどこにも見えませんいさ けよくバなったなのきの下からひょいと 飛び出したのはセシの吉座少し小になった 雪を満面に浴びて薄笑った周な顔傘のから ぬっ覗きあげますブレイムのさすがに城 のす飛びのきもしませんがちちはいつの間 やら左手に移って右手の一等のつに少し 嫌い越しにきっと見据えまし た驚いたろ大将何平山の手代に化けた 早変わりには驚いたが旦那は柄がいいから 束せあれや殿様にだってげられるよ だがね足の目はくらませねおっと危ねえ 吸物切りの心がありそうであんまりそばに はいられねえが離れちゃ声が大きくなる から帰って旦那のためじゃねえそんな物騒

なものなんかを入り回さずに足の言うこと を聞いてみちゃどうだねえおけどうせ妹 さんを探していなさるんだろう えもあまりのことににのが告げませ ん 6ちちの明かりを受けて反面かと思えまし たどんな驚くのは勝手だが抜き打ちに食わ せるのだけは良してもらおうか大概のこと には恐れないが旦那は相当行けそうで物騒 でかわねやは黙ってこの周回な下顔を睨み ました1つはどこまで事情を知っているか うっかり物を言われなかったせいもあった でしょうわしがいろんなことを知っている んでびっっくりなすったんだね旦那の顔に ちゃんと書いてあるよ種は赤じゃなんでも ない旦那は妹ごと天ジの辺りでセシ破りの 相談をしたことまで見通し さ何ないしことはもう少し小さい声で話す なりあたりに人のいないところを見定めて から話す方が無事ですぜ旦那ジのすも あまりのことにどけを抜かれました甘酒じ のみたをこんな怪物に盗み聞かれようとは 全く思いもよらなかったのですおっと刀 なんか回すのはよしてもらおうかそいつは 虫の毒 だこんなに見えても足は台の弱虫さ刀転換 というやつでねそれを引っこ抜かれると 受け合い目を回す誰れお前は何者だ常助は ようやく備えを立て直しました妹のことが 気にならないではありませんがこの上遊ば れるのは武士としての自尊心が許しません じこなしに願いましょうよそんな大きな声 を出したってごまかされるような相手じゃ ねたまれ平山に木人ぶさ治りまで寝りに 化けはたせたが旦那江川様の手代は識が あるから夜中1人で歩かないよそれに友達 を取った小倉の袴の裾からキハや安が 見えるよじゃぶち壊しだ土地のものに見 られたらたった1目で化けの顔がはげる よ常助は黙って自分のみを帰りみました なるほどそういえば上半身に比べて下半身 があまりにも貧弱ですもも大概のものは気 がつかないよ安心なさるがいいだが目の 高い書役人や雲助にあったらいぺに見され てしまうぜは石役人でも雲助でもねえが その代わり猫の めさ夜でも物が見えるという長方な人間な んだよもして雪明かりにちを振りながら 来る相手たもの10件先から墓の柄まで手 に取るように分かる ぜ悪いことは言わない黙って足へついてき なさるがいい旦那の探していなさる妹さん に合わせてあげるよだと思うあれなんと 難しい顔をするんだ石取破りの剣を恐れ ながらと訴えてたのはこの足だとでも思っ

ていなさるのがいとんでもねえ見えたって はばかりながら全頭な手方なんか持って 歩く柄じゃね洗い立てられた日にはこたら の首だって危ないんだ冗談じゃねえどこ まで本当かどこから嘘か大同役者のように この男の顔を見つめていたところでやが 城介には鑑定がつきませんよし穴せいそう でも言うより他には試案も浮かばなかった のですそう分かってくださりゃ閉めたもん だこおいでなさい吉は先に立ちました何の わかりもなく雪を踏んでほんの2ばかり まだかもうすぐそこ で吉が指差したのは告誠が逃げ出した ばかりの中原部屋の戸ではありません か7常助はふと立ち止まりました石長の 裏手怪しげな小屋の中へ何の用人もなく 入るのはあまりにも無謀だと気がついたの でしょうどんどどうなさいました後ろから 追ったてるようにセの吉その下にはなんと なく常助の遅れた心持ちを預ける辛辣な 調子がありますこの中に誰がいるというの ださすがに妹とはっきり言いきらぬところ に一脈の警戒気分が残っているのでしょう 誰あ驚いたな他ならぬ旦那の妹語だ168 の美しいお嬢さん名前は知らねえが江戸 から後ろになり先にになりきなすったんだ 間違いかはねどこにいる見たところいりの そばにはアドと墓前があるだけで万年ど 一方に押しつくねて何の不もない男女体に 妹の匂いもあろうとは思わなかったのです それはわからないごどのここは関所の裏手 の中原部屋だ一時ばかり前その辺で まごまごしている妹子が手取りにされて このへ引きずりこまれたことだけは確かだ いずれは手取りにするか見島へ引っかいで 叩きうるかろなことじゃあるねと思ったが お関所の中原にからがちゃ旅のものは後で 恐ろしい知らん顔をして様子を見ていると まもなくその中原は石取破りの借り出しに 出ていってしまっ た吉の誠しかな話を之は黙って聞くより他 に夫ももありません黄色いアドの明りは 細めに開けた戸口を漏れて往来の雪を薄く 照らしておりますが部屋の中にはどう見た ところで女系などあろうとは思われなかっ たのです えどんど推しはそのまま放っておこうと 思ったんだ妹さんはかわいそうだがこんな つまらねえことにかかりあって役人から 睨まれれちゃ年中道中をしているこが立ち かねぶらりぶらりと雪の中を小屋の方へ 行くと旦那が万人と話していなさるじゃ ないか妹さんを暗示て危ない橋を渡ってき なすった旦那に知らん顔をするのも罪だと 思えばこそ余計な切開をしてここまで案し

てきたようなわけなん だ危ないと思うなら見島へ帰んなさるが いい人だこれでごめを被ったところで誰に 恨まれるわけもあめ旦那それじゃあお やすみなさい ましや とがら吉はくるりと背を向けました真意は 知りませんがとにかく2散歩雪の中へ 踏み出したことは本当ですうこれしばらく 待てえここへ本当に女が担ぎ込まれたと いうのだなええ私の目と来た日には何の 因果か夜も見えんでしなお袋は心配しまし たよてめえはそんな目を持っちゃ末四十ろ なことはあるまいって無駄を言うな ふいその娘は確かに2度と外へは出ないの だなおし物事にごまかしのない人間で城 のすは黙ってもう一度部屋の中を覗きまし た他人の家へ押いるさえあるに関所の中原 部屋と上がってはは案内者の様子が様子 だけにうっかり中へ入れなかったの でしょう おの上に吉座後ろから城のすをかきのけ ますなんだあのしきはあ吉のさアドの影を 見て城のすも愕然としました見覚えのある 朝の歯を絞ったしきが生々しい血をこぼし たように薄の上にを巻いていたの です 8アントンの影に押しねたような美によっ てはわざと悩ましく戸を任したような赤い しごきは城のすにとっては全く恐ろしい 暗示でした押入れた後ろから吉座に煽ら れるまでもありませんわらじのままさっと 飛び込むと後座の上へ雪に濡れた足跡を 残してまっすぐに押入れのとえこの部屋に は他に人間1人を隠せそうな場所があり ません城のすの手は何の躊躇もなくさと 押入れを開くと中は氷が1つ貝が1つ他に ガラクタ少しばかりという影を作るものも ないような貧弱な有様まの姿などは元より そにあるわけもなかったのですしかし事件 は思いもよの方へ発展しました押入れの中 を遠目に見定めた吉田は何を考えたか いきなり入口の塔をピシと閉めて念入りに 外から輪木をかけた上自分の背中で押さえ てわめき立てたのです石長破りを捉えたぞ みんな出てこいなんというわけのわから ない人間でしょう中にいる常助も吉田の 裏切った心持ちを測りかねてしばらく呆然 としましたがやがて自分が恐ろしい罠の中 に押し落とされたことに気がつくとほれ 押入れを見捨てて入口の戸に飛びつくと 力任せに明けようとしましたが行けません 厳重一方にできたとは若木をかけた上セシ の吉座が無双の合力で抑えているのです 石勝破りを捉えたぞみんな出てこい吉座の

塩越は夜の空気をビリビリと振動させて 箱根中に響き渡ります何を馬鹿なこと やがらジのすこの時ほど腹を立てたことは ありません妹の安否が分からなかったせい もあったでしょううまうまここまで おびき寄せて必死の罠に落とした吉田の 悪賢い手口が滅多に同じない城のすを煮え こぼれるほど怒らしてしまいました 今度は黙って引き抜いた一等吉が持たれて いると思うあたり戸の隙間を拾ってずぶり と突き立てましたも冗談じゃねえといたご の電差しは卑怯だぜそよい隙間からきらり と光ったから避けたもののそうでなきゃ 間違いなく胸板をやられたところよみや 一丁らの脇を2ず下がれたじゃないか先で 誰がこれを塗ってくれるんだへなんという 太太しさでしょう常助はそれを聞き捨てて 手早く一等をたぐり寄せ第2の襲撃に かかりましたブケもう一来るかいい心がけ だがそれぐらいのことをするなら初めから 明りを消してやるこったうちにアドがあっ て外は闇だはかりながら覗きからくりは 見通しさ木戸にはってねえ よ言いたい放題のことを言って吉沢は人し にちょいちょいと塔を鳴らして見せます たまでげろげろときた ねと様お腹立ちだ箱根中の人間に赤し破り の男だけでも見せてやりてえが因果と足の 達者なのはさっきの騒ぎで対抗道へ行って やがる肝心の破りが山の手代に化けてお 役所の中原部屋にいるとは気がつく めえ後の1人のメスは安心のために教えて やろう公爵地のちに救い出されて男姿に 化けて見島へ落ちたらしいよ えお前さんもこいつは驚いたろうが俺も 大手ぬかりさここの物置きへ放り込んで夜 いる料理に取りかかるつもりでいると少し の隙を見て逃げちまいやがったあの娘は 兄貴のお前さんよりはよっぽど すばしっこいぜ何まは逃げた気球の場合に もジのすはほっとした心持ちになりまし た 9妹の誠が男姿で逃げたといて之も思わず ほっとしました妹が守よくたならもう 危ない橋を渡るまでもありません親なよう でも相手はたった1人人の夜前に切って 捨てて逃げ出すに何の手間暇がかかる でしょうそれにしても男姿に負けて公爵師 の小と一緒に逃げたというのが本当なら さっき道であった2人のうち物も言わずに すれ違った若い男は多分妹の変装姿だった でしょう 妙に心引かれるとは思いながら何にも知ら ずに行きすぎてしまってこんな野郎に遊ば れるとはなんとしたまけなことでしょう

ここでおいさんも石勝役人に私は三島まで 行くうちには妹さんに追いついて存分に 踊らせる暇があるよ一度見込んだ鳥をそう ややと逃す俺じゃねえげな吉座の工場に 常助は誰だ お前は何をしようというのだ見えくり返す 怒りを抑えることもできませんでしために 名乗るようなさしじゃねえ熊坂の犯とでも 石川の五衛門とでも思っておくがいいねえ お侍いてっとり早く言えばお前の狙った 3万料こいたらも狙っているだけの話さえ 彼の使いよも知らねえ老人者なんかに汚い されて海や川へ埋められた日にゃ天下のお 宝が浮かばれねえこいたの手に渡ってみ ねえそれだけありゃ随分江戸中の下り場を 明るくしてみせるぜ何を言うそう言なせん な金はどうせこっちのものさついでに妹子 ももらっていくぜばよあ待てどれが持って やるものかこれからますぐにお席書へ 書き込んで恐れながらとやらじゃ褒美は2 両とコメ2方だこいつは欲しかったらくれ てやら おりやが城のす没allahとして古い 立つと妹のしきを取ってそのまま懐中へ ねじ込みました深い考えがあったわけでも ありません後でここへ入ってきたものに 可憐な妹の持ち物処女性を暗示するような 生めかしいしきを怪我さしたくなかったの でしょう続いてアドを吹き消すと見定めて おいた裏の窓へ寄りました鍵も3もない天 を押し開くと外は雪明かりのおぼろよ頑丈 な光子がくっきり目の前へ浮いて見えます 常助はもう躊躇しませんでした1つ2つ 諸手をかけて動かしてみましたが容易な ことではビクともする様子がないと分かる と23歩引いてえいと猛烈な体当たり体術 で鍛えた石のような肩が2寸角もあろうと 思う皇子を砕いてメリメリメリと凄まじい 音を立てますおやろふざけたことを し上がる5六歩遠ざかった吉はこのもを 聞くとさっと裏の方へ取って返しました なんてことをし上がるんだ魂に響くぞ キョロキョロ見回すと目にについたのは しまい忘れた物干座中原の6尺粉としと 腐った反転をかけたまますっかり雪になっ たのを外してさっと1つしごくと半ば破れ た窓をめがけて毎文字に突き立てましたえ 何をする身をかわして竿の先を鹿と掴んだ 城のす2度目3度目の体当たりが見事に 決まって甲子が2本小柄のように折れ飛ぶ 下から身をひがしてさっと雪の中へ 飛び降りました石勝破りだぞみんな来い どいつもこいつもみんな出てき やがれ夜の空気にりんりんと響くのは吉の わめく声この時箱根の町もヤハの眠りから

覚めて次第に騒がしくなっていき ます10 城のすが皇子を破って飛び出すはみに物座 はさっと吉座にたられまし た雪をかぶった青だけは油を塗ったように 滑らかで力ずくでは一たまりもありません これでも暗いやれ長い手でしいて流儀もほ もない達3元余りの竹竿の存分に尖ったの が城の喉笛へさっときまし た身をかわした城のすつつつつっと つけいると一等を抜き打ちに吉座の真行へ くえ思わず振り上げた竹竿は草のごとく 切られて余るき裂は吉の布子の袖を つんざくますじ冗談もする冗談も真剣も こうなっては吉座ごの手に終える城の助で はありません畳みかけてもう人たちと思う っこへちくしくたまってしまえ一歩りいた 座手に持った御石ばかりの竹竿一方の 切り口が刃物のように尖ったのをさっと 叩きつけました えいあまりに近かったので常助もさすがに 驚きましたわずかに首をかげると竹竿は 飛んで今城のすが抜け出した中原部屋の 雨戸にずぶりとつったちます恐ろしい力城 のすも思わず下を巻きましたがそんなこと で機械をうる城のすではありませんひねっ た体をそのまま一等を横一文字にさっと 払うとうお吉沢後ろ飛びに3弱ばかりの 池垣を超えて雪のオへ追い出された猛獣の ように飛び出してしまいました待て続いて 常助もう躊躇も猶予もあります 雪の夜の薄明かりに一等をめかして誠に 隙間もなく追いすがります何よ吉さも負け てはいませんでしたが何分の素いや懐の中 には相口を潜めてはおりますが打ち物技で は常助に勝てそうな見込みもないと分かっ たかそんなものには手を触れようともせず 凡の体力とばれた点を頼りにあくまでもを しながら救いの来るのを待とうとする様子 です現に後ろに迫る大勢の人声関所役人と 雲助と中原小物の一体はよりとも道を 引っ越してここへ殺してくるのでしたそれ と察した城のす一等を斜めに引いたまま 攻撃に出ると見せて実は一歩一歩三島街道 の方へ引き下がっていきます逃げる気だな 万人石勝破りだぞわめく吉 座言われるまでもなく戦国常助と言葉を かわした町の万人は万十ガを傾けて6石棒 を鳴らしながら飛んできましたがどっちが 積書破りでどっちが手なのかしばらくは 検討もつきません追われる形になっている のは山笠に明りはけしてありますが入った ちを腰に一等を構えた城のすわめき立て ながら方はすでに大橋に旅の物とも土地の ごろつきとも形のつかぬせむし男です何を

まごまごしてやるんだい赤し破りはその山 の手代だ向こうでもくっってやれよと吉 よしそういえばなんとなく物慣れた万人の 本能に之の様子がふちないがあります いきなり石棒を竜におっってさっと足をぎ ましたがいけませんえ飛び上がった城のす の一等は中空に稲妻を描いて万人の たけのこがを物の見事に台から切って 落としたのですおおひしいいやもうタも ありませんが常助にとって恐ろしいのは 背後に迫るおの人数でし た11 えいだらしのね人足じゃないか飛び込んだ 吉座尻まをついた万人の手から六石棒を ひったくると逃げ延びた城のすの後ろへ 一気に追いついました昆虫のように強靭な 長い足は雪を蹴ってさっと城のすの後ろ え逃げるかサピ卑怯だぞ追いついて後ろ から打ち下ろした棒木本の力に唸りを生じ て城のすの肩をみじんにと思うと大違い バカめ一括した城のす身を開いて流るる6 石棒をぴたりと捉えると逆にとって何の苦 もなくもぎ取り右手の一等をさっと飛ぶと おおさすがの吉も思わず雪の上へ尻もちを ついてしまいまし たなんとも言えない恐ろしい気分具体に ずんと響いて思わず頭を囲った手に触る 曲げの先が物の見事に切られているのです やが城のすはそのまま一等をさやに収めて 後ろも見ずに見島道をやがて急ぐ様子も ないのに夜の雪に隠れてしまいまし たのざ体力と起点と動物のような大勢な 気力にかけてはかつて誰にも引けをった ことのない男ですがこの時ばかりは増富を 引き抜かれた人間のようにしばらくは 立ち上がる気力もありませんでし た恐ろしい人間もあるものだということを この時初めて岸沢は悟りましたいや初めて ではなく2度目と言った方が本当かもしれ ま座ほどのものがどうはしりしても手に得 ない人間はもう1人あったのですそれは 言うまでもなく吉さが姉ごと頼む女足かろ のおれでこの女の鋭さと美しさと悪しさと それから肝の太さには吉座ほどのものも 二目も見目も犯されていたのですこのおれ を覗けばこの世の中で腹の底から恐ろしい と思ったのはやが城介が最初の人間であっ たと言ってもいいでしょうあの親者の小木 平田優でさえ物の数ともしなかった吉座 ですがこの時ばかりは全く雪の上から しばらく起き上がる気力もないほどやられ てしまいまし たしかしさっきからわめき散らした効果は この時初めて現れてきました後ろからは 盛りこぼれるようなおの

人声吉さはようやく起き上がりました妙に 力が抜けた感じですがこの上グズグズして こんな格好を見られたくなかったの でしょう食し破りだみんなかいもう一度精 一杯の塩から声を絞るとどこだどこだセシ 破りは大だと押しかぶさるように飛んで くる 人数のに分けて向こうへ逃げたんだ万人も 知っている吉は急に気づいて真っ先に立ち ましたそれ行け傘の台だけかぶった万人も 照れ隠しにそれへ続きました逃がしちゃ ならね続く人数武は関所役人23人だけ ですが中原小雲助矢を加えるとこれは かなりのになります峠を越して字に対じの 方へ雪は小になりましたが月はどこにある とも分からぬおぼろ幸い埋まりきらぬ足跡 を知るべに山に慣れた一体の人数はわと 完成を上げて迫っていきましたがしかし それも大して遠くへ行くまでもありません でした対じがもう1息と思う頃三島の方 からちちが1つ糸ものどかに陽極などを 口ずさんでのりのりとこちらへ登ってくる のが見えたの です近づくに従って雪明かりながらほかに 見える山笠印の入った牙条ちそれは紛れも ない戦国の武ではありません か12あの野郎だと 吉山の武遠慮のない指をさします何俺が 関所破り関所の役人も驚きましたこいつ気 が違ったとでも思ったのでしょう吉沢は 構わずなおも三島の方へ追撃を続けようと します親国人様間違いじゃねえ石取破りは あの野郎だやがらなんとかいう爆派の老人 そうでなくてせえ火のついたネズミよりも 物騒な野郎だよ吉は一生懸命でしたもう 10歩の間に迫った二の武をさし ながらかしらだった役人の袖を引いており ますあれは笑顔殿の手代ではないか祖が あってはならんぞだからおかしいんだい風 と羽織りとちちは紛れもねえ江川様の手代 だが人間は妹連れで積書破りをした役人に 間違いはねえ万人集吉沢は止まらず同じ ひどい目に合わされた万人のじじこの時 ようやく追いついて行跡切っているのへ 助け船を求めまし たそそうだよその通りだよいきなり引抜き あがって俺の傘を切ったのはあの野郎にち ね幸いちんちくりんだから助かったような もののもう少しぜがあったや傘の大事と 問うところよ冗談じゃねえひどい下がり なりでトトスと語る万人の言葉に嘘が あろうとは思われませ んお番の方はご苦労に存ずるそのうちに 近づいた江川大館の手代傘の淵に手を かけると流儀の挨拶を折り目正しくかわし

てそのまますれ違うとするのですおいよ 庭山のお手代しばらくお待ちを願いたい 関所役人もようやく決心がついたものか すれ違いざこう声をかけました拙者で ござるかさよう手代は何のわかりもなく雪 の中に足を止めまし た御用とおっしゃるわ先ほどセシ破りが あったハギを起きれあろうなさよ それを聞けばこそ夜中出いたし熱海街道と 三島街道現状に固めております稲山の手代 はこだわる様子もなく長に受け応え ますところが箱根町で積書破りを見かけ 惜しくも取り逃がした2人のものが機殿の 様子をお見受けして失礼の段はお許し いただきたいが石破りの物そっくりだと思 ほういことを受けたるものだな平山大館の 手代がセシ破りとは前代未 ももうすまでもなく箱根の山は小田原の 大久保香の神様並びに拙者の主人稲山大官 江川太郎西門半々に守備いすことに愛なっ ている大官手代は陰金を極めますが実に 等々とやりまくります それはおっしゃるまでもないが何分下人の 疑念は容易に話しがい近頃恐れいった次第 だが傘をおりくだすってご生命を受けたる わけには参るまか次第によっては名のりも いたそうが殿ご生命は実に適し逆襲です いやこれは恐れいった小田原の 石 申す関所役人の頭だった武傘を取って丁寧 に小をかめましたしかし場合によれば相手 の顔を見定めた上一等の元に切っても捨て ん意気込みなかなか油断のある人物では ありませんいやこれは恐れいる拙者は江川 太郎左門手代松波サブロお見知り置き くだされば 幸せ大手代と城持ち大名のケでは身分が 違います言葉の生きがかりでつい競り合っ たものの改まったこととなると小田原班で 300国もはむ石沢半士郎と平山大館の 居ろをしている松波三郎ではまるっきり核 が違うのですそう言いながら手代は山笠を 取って左の小に顔を見てくれと言わぬ ばかりに女人の上差し出すのでし た 13お驚いたのはセシの吉でした息を吐く 暇もなく追い立ててきたやがらジノスが いつの間に変わったのでしょう明りの中に 傘を取って見てくれと言わぬばかりに 突き出したのは若い武にはそういありませ んが矢城介とはにもつかぬ全くらぬ顔だっ たの です五道勢中には拙者の顔見知りの人も あろうもう7日あまりこの辺りの警備を いたすなおご疑念があらば山の司法に別れ

て警備するニの同ぜを呼んで鑑定いたさせ ましょうかいやそれには何に1つ疑いが あっては拙者の役目にも差しかえる ごめんとを探って 呼び子を取り出すとそのまま唇に当てて 止めるまもなくピリピリと吹き鳴らしまし たとどこもなく人の立ち気配雪のぶ林の影 茶屋の背後などからぞろぞろと集まってき たのは紛れもない江川大官の手のもの23 人松波三郎の号令を待つように少し下手に 差し控えます これにてもご疑念が晴れるとあれば稲山 まで供を願った上大官直々にこの首の鑑定 を申し上げるで あろう暴無人の高笑い石澤郎思わずむっと しましたが理の当然でいくもありません とんだ骨を捕まった平にいやお疑いが晴れ くさればそれでよろしいお書を守る大事の お役目それくらい念を入れられるのは当然 でござろう本当の山の手代なら小田原班の 着物を捉えてこれほどまでには言えなかっ たでしょうがこちらは仮に手代にやした 天下の死士日頃関所役人のり返るのが少し ばかり尺に触っていたの ですそれではセッションもこっから返すと いたそう箱の方へ参って一応石取破りの 様子をお尋ねいたそうと思ったが拙者に似 た人間がくもとあればこの上の目印はない 最も近頃はたぬきや狐が餌に困ってこの 辺りへうつかりもないそれなる男は多分 そんなものでも見たので あろういやはやとんだ1つ話だ ごめん松波三郎がカラカラと笑ってその まま元北方へ引き上げをとしまし た心外先番なのは石澤半士郎いやそれより 悔しがったのはセの吉座です落ち着いて みると松波三郎はドアかをつけ川まで吐い ておりますからよれよれの小倉を吐いた やが城介とはまるっきり下半身が違います とさの場合それに気のつかなかったのは大 失策ですが幸い雪は止んで峠道には足跡が はっきり残っておりますから気をつけて みればここまでやってきた常助がこの本物 の寺ととっさの間に入れ替わったことは 疑いもありませんあまりのば さ動物的な劇場に委ねることになれている はどんなことがあったにしてもこのまま指 を加えて引っ込む気にはなりません ちくしょうどうするか見がい まくば先へ行った城のすを受け取ってその 上男姿に化けて公爵士のこにげたあの妹も 物にしてやろうそういった気持ちで小田原 の同ぜを離れるともなく2歩松波三郎へ 追いついていくと これお前に不信がある来いとって返した

松波三郎鉛筆を伸ばして吉の襟髪をむと つかみましたあ何をしるんだ座は驚き ながら持ち前の合力で振りもろうとしまし たがどこにコがあったものかやぎの松波 三郎の腕が釘抜きのように頑固で抜くこと も振りもることもできません 14おう何をしやがるんでと吉座必死と 争いましたが松波三郎の腕は下げ加減に雪 の上をぐいっと引き寄せ ます来い下ろ太いやつだいこのそにかやろ それでも口だけは達しに噛みつきそうな顔 を松波三郎の方へねじけのでした 石沢殿しばらくお待ちを願いたい行きかけ た半士郎の後ろから松波三郎は静かに声を かけましたセシにごかさよう受けたまろう 妙な生殺になって半立ち去りもならず少し 握りきって振り返り ますこのもは家中の関係者またはお所の雇 でもござるかとんでもない身も知らぬ男 多分旅のものであろう半郎はもっての他と いった表情を強調して見せました全くセブ の吉田の周回な顔を見るとこれを万に1つ も積書の関係者と思われたくなかったの でしょうしからば役目を持って取り調べる ご依存はござるまいな松波三郎はすっかり 平山の手代になりきりました拙者の目から はこのものが一番怪しいこれ下ろ石車の 手方を自賛いたしたか何を山の手代とか なんだか知らねえが手方がなくて石勝が 通られるけブレを申すのブレとが聞いて あれな吉さは太太しい役を並べながらうぶ とへ手を突っ込んで何やら探おりましたが やがて腹の中から取り出したのは もみくちゃになった手方が1枚自分の襟髪 を掴んだままの松波三郎の話先へ 猫じゃらしにひょいと出しましたみせ見せ なくてさちいとおテト様に出てもらいて くらいのものではかりながら小心照明 まじりけのねえ手方をお目にかけてやろう 松波三郎は黙って受け取りました しばらく腰にさした牙ちの明りに透かして おりました が州 郡山これはお前の小国だなそうだよ少しも 欧州なりのないのはどうしたわけだほぼ こりながら江戸で座ったんねそんなまけな なりなんかあるものかいそれに氷山の手方 はどうして手に入る生まれしだもの時々は 行っても見るさ領主は何と言われる え郡山は日本に3箇所ある髪型に1つ伊達 に1つ欧州に1つお前の小国の欧州郡山の ご両子はどなただと聞いていいのだ知ら ないよバカものすごい一括セムの岸座も 思わずぎっとしましたそれくらいのことを 知らなくて手がもらえるはずは

ない理性を申すとその分にい出さんぞ へえおかじなことになったものだねそれ じゃあ伺いてえかお前さんは知ってい なさるかい吉は見にくい顔をねじ曲げて 猛烈に逆襲してきました何を申す箱根の山 を守護する庭山の手代がそれを知らなかっ た日にはお役目のおちとだ欧州郡山の殿様 なんという名前か受けたもあろうかそれは 知らなかったいはお前さんは偽物だぜ何は 言う郡山は南部みの神様の領地お城は森岡 の小にある へえつまらねえことをしてあるんだねそれ くらいのこなら俺だって言えるよ聞いてみ ねバカいよいよこの手方は怪しい石澤お 聞きの通り だめこのもをてみましょうそれにてご覧を 願いたい全く妙なことになってしまいまし た15お違ったよ稲山のおた少し待って おくなさい吉は急に調子を変えました松波 三郎の木組の激しいのと辺りを取り囲んだ 小田原と西山の同然に威圧されたの でしょう なんだと松波三郎釈のない顔を吉の前へ 持っていきますでたの間違えだだんな足は 南部の郡山のものなんかじゃねえこえても 混じりけのねえどっこだ待ってくんな 腹掛け手を入れてめちゃめちゃにかき回し ておりましたがやがて取り出したのはもう 1枚の手がったおっとおっとこっちの方が 本物だだなんだこれで負けておくなさい どれ松波三郎は取り上げてしばらくちちの 明りに透かしました何江戸神田末町五福 とせ越後山吉米番頭コ並びに友のも登録 商売用にて髪型へ越し相老につきお席書 通行差し許されたくこれがその方の手形だ というのかええそれにそういございません 嘘だと思ったら何でも聞いてみておん なさい江戸のご領主 はバカ江戸は上様のお膝元だご漁師という やつがあるかふえ吉はすっかり十々になっ てしまいましたその方はどう見てもやのか ごまの輩だそんな騒な顔したご服屋の番頭 があるかそうおっしゃったってつらは 生まれつきでこんな念想の野郎はご服屋の 店へ座ってはならんというおフれはござい ませんバカひい顔もそうだが第一言葉が アキドじゃないそうしちゃったってったん な急に改まってもつかるぞ いいそれに手形を2枚所持するとは怪しい 南部の郡山の旅人をあめてその懐中物を 抜くとか冗談じゃねえそんな大それたこと をするものかいセの吉座も全く降参して しまいました泥棒稼業で年中街道筋をまに かける必要から随時いかさ手方をいく前も 用意する癖がとんだところで尻尾を捕まえ

られてしまったのです石澤お聞きの通りだ よいよ持って捨ておき がい石澤半士郎も背を見せるわけにはいき ません関所の手にも表も裏もあり無蓋の もの顔見知りのものは深く作もせずたて 通すことになっておりますが庭山の手代に 手落ちを発見されて大沙汰になるとことが 穏やかに住みませ ん足り慣れた様子から見ると石取の下役に 見知りのものがあって多分いい加減の手形 で通したものでしょうしかしそれを 洗い立てられると石長を預かる自分たちを 始め主君大久保かの神の落ち度にもなら ないとは限らないのです 石沢セシ破りは多分このものであろう人風 物の怪しげなところどうも全な人間とは 受け取れないそれに手形2枚処理するのは いかにも捨ておきがいことではござらぬか そよ半士郎も酸っぱい顔をして合槌を打ち まし たこのものを塩気にあげる前に手形の出所 を取り調べなければなるまに世上の噂では 小田原にはお席書の手形を売買するものも あるとのことこの2枚の手形もそのような 筋から手に入れたものではあるまいか自説 からいかにも捨て置きがいそよ半士郎の 苦い顔というものは全くありません一方 松波三郎は常助から吉座のあらさを聞かさ れたか少しもせめてを緩めませ んこもし上る前とにかくこのものにりの熱 を注いでも口を任せてご覧に 入れる山へ引立ててまるにご依存はござる まい な 16平山に引いていって拷問にかけると 松波三郎の言葉はまざらの脅かしとも思わ れません散々最高した挙げ句この手代まで 茶にしてかかった軽率さをセムの吉座も つづく後悔しましたが今更どうにもなる ものではありません来い下ろ松波三郎の声 は鉄のように冷酷でした襟首にかかった手 を振りなしても手癖引いて待っている平山 の土星はあっという間に吉をガジがめにし てしまうこと でしょう石澤半郎も今は口の聞きよがあり ませんこの上さを乾い建てでももしよう ものなら松波三郎は全くどんな切り札を 出すかも分からなかったの ですしからば松波おじこれにてお別れます 妙にわだかまりのある心持ちですが長いは 無用と思ったのでしょう傘を傾けて丁寧に 一礼し ますお引き上げでござるか 石澤さよここはもはや平山の支配我らが 口ばしを挟むことではない

そのもの始末はお任せますますそれは残念 しこの物にもう少し流せてお目にかける ものを石澤フ史郎は黙って引き上げました 後に続くのは織原の同ぜ道の背にしらしら と積もった雪を踏んで一路箱根の方へ どんなもうよがしょうこんなことで負けて おくなさいなと吉松波三郎をやがら城のす の仲間と見たか小田原の同ぜの後ろ姿が 見えなくなるともうこんななめきったこと を言いますブレも何を 言うたらしい顔してよが旦那はさき飛んで 行ったやがだってブケと同じ穴の無なさ吉 はエリを捕まれながらまだ長いヤを 突き出して見せます男をしって山へ引け 逃げようとしたら切って捨てんのだぞ松波 三郎は過ししません左手を上げて差し招く とバラバラと飛びつく山の手のものやろ しみにせい何よ同時に松波三郎の手を離れ た岸はたを立たれたお牛のように猛然とし て人数の中へ割って入りましたこよだ 手向いすると切って捨てるぞ平山の土星は とっさの間に豆を巻いたような配置になっ て吉さをめがけて威嚇の嵐を浴びせ ますふざけたことを言いやがる吉も負けて はいませんでした鉛筆を働かせて23人犬 頃投げに投げ飛ばすといつの間に抜いたか 左手に光るのは半月型の相口見たぞ余人 しろめく人数へもう一度飛び込んで赤い糸 を引いたように雪の上へ結露を開こうとし ましたが行けませんいつの間にもあったか 松波 三郎よし俺が相手になってやるぞ刀も抜か ずにのりと立ちふさがりますサンピン覚え たかと吉座相口を額にかざすようにさっと 襲いましたがどうして外したか松波三郎の 左の腕は吉の胸をどんとつきますああと よめのつけいって引き抜いた一等完封を つんざく真光からさっとこれが決まると吉 の体は間違いもなく真になるのでしたが 夢中になって 一歩後ろへ飛びのく弾み真光から来る刃は 免れましたがつるりと雪持ち沙に滑ったと 思うと ああ雪に隠された先人の谷が吉田の体を音 もなく飲んで箱根の夜は心身と毛はたる ばかりあまりのものすごい結末に山の同ぜ も谷を見下ろす気力もなく吹きある死の風 にぞっと袖をかきあわせ ます

1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk

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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧

■用語集
飛白……カスリ・かすったようにところどころに小さな模様を出した織物。またその模様。
権助……ゴンスケ・江戸時代の下男に多い名であったところから。下男、飯たき男。
洗足盥……センソクタライ・よごれた足を洗うのに用いるたらい。
九つ……子の刻、十二時
科人……トガニン・罪を犯した人。罪人。
蓮っ葉……ハスッパ・女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。
巳の刻……午前10時から正午までの2時間。
慷慨淋漓……正義にはずれた事などを、激しくいきどおり嘆くこと。勢いのあふれているさま。元気いっぱいなさま。
苦衷……クチュウ・苦しい心の中。
糞土……フンド・きたない土。掃きだめの土。そのように、いやしむべきもの。
ちょぼくれ……ちょんがれ、とも呼ばれる門付け芸
でろれん……でろれんざいもんの略、門付け芸
やつ……2時
逸出……ぬけ出ること。とびぬけてすぐれていること。
さなきだに……そうでなくてさえ。 ただでさえ。
半間……まぬけなこと
おたんちん……のろま、まぬけなこと
大束……オオタバ・大雑把、おおまか。
炯眼……ケイガン・ぎらぎら光る目。鋭い眼力。
怯懦……キョウダ・おくびょうで気の弱いこと。
猪突……チョトツ・猪(いのしし)がまっすぐ突っ走るように向こう見ずに進むこと。
粗忽……ソコツ・軽率で不注意なこと。そそっかしいこと。それによるあやまち。粗相。
悪辣……アクラツ・自分の目的を達するためには、どんなひどい事も平気でするというように、たちが悪い仕方・性質であるさま。
駅路……ウマヤジ・宿駅のある道。街道
卯の刻……むつはん・朝の6時から7時頃のこと
鳥目……チョウモク・一般に金銭の異称。
国府……コクブ・鹿児島県国分地方産のタバコ。 上質のタバコ

■2.情炎篇 目次
0:00 真琴危難 1
4:45 真琴危難 2
9:01 真琴危難 3
13:12 真琴危難 4
17:28 真琴危難 5
22:16 真琴危難 6
26:41 真琴危難 7
31:05 真琴危難 8
35:26 真琴危難 9
39:33 真琴危難 10
43:35 真琴危難 11
47:42 真琴危難 12
52:11 真琴危難 13
56:24 真琴危難 14

#野村胡堂 #三万両五十三次 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本

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