まんが日本昔ばなし2024 Vol 3592
[音楽] 昔々広島県山形軍の小さな村にお百姓の 夫婦が住んでおっ たところでこの夫婦嫁さんは働きもん じゃったが向こさんの方は村1番の ぐーたらで毎日ごりごり寝んでばかりおっ た それでも2人は体操中のええ夫婦じゃった おい夢さん よい飯はまだかはいはいすぐできます よあんた1年中ゴロゴロしとるのはええが ほんまに病気になってしもうたらいかんで たまには外に出て日向ぼっこでもして くだされわかった よ そこでむこさんはゴロリゴロリと日向へ 転がっていってお店さんの下でうつら うすら眠っておっ たそうしたら屋根の上を飛び回っていた スズメどがむこさんの鼻先へ降りてきて ちんちん何やらさえずり出し たかの寺の岩山にやら銀やら出るだねのの 岩に なんじゃとかの岩山には金や銀が出るじゃ とおい夢さんやい支じゃ支度じゃ支支度 って何の支度じゃ旅の支度じゃよあれま あんた何年ぶりに自分の足で立ったかかと 思ったら旅の支度とはどうしたことかいの かけじゃかけじゃかけの寺の岩山にや金 やら銀やらたくさん出るってスズメがそう 言うて泣きよったみそれ嫁さん今にオたち は大金持ちじゃそりゃあんたがいつも何か ええことはないかと思うてゴロゴロしとり なさるでスズメの声がそう聞こえたんよ [笑い] それでもむこさんはやれ弁当じゃわらじ じゃと旅の支度をさせてかけの岩山へ 出かけることになっ たじゃあ行ってくるでそうけ気つけて なこうして嫁さんは呆れて笑いながらその 日のうちにむこさんを送り出し た バカに遠い なうこさんは歩きに歩いて1日がかりで やっとかの寺尾の岩山にたどり着い たうひゃこりゃすごい岩山 だこんな 岩山ほれ ねほりいいんだろ ほりでもどこを掘りいいん だそそうそこを惚れていうのじゃ な [音楽] こうして賭についたむこさんは毎日毎日 寺尾の岩山を掘り返し金や銀を探し回って
おっ たところが日も経ったある [音楽] 日 あやこんなこと普段やりつけねえでらもう だめ [音楽] じゃ てい て金じゃ進行じゃこりゃすげえスズメの 言うた通り じゃ 者者わしらはこれで大もし ちゃしかしじゃああんまり多すぎて俺たち じゃどうしようねいっぺん家へ戻って ちゃんと支度して嫁さんも一緒に連れて こようじゃが待てよ誰かにこの洞窟を覗か れたら大変 じゃなんとか そう [拍手] じゃえよいしょよしむこさんは考えた末に 近くから麦を持ってきて大きな蛇の人形を えて洞窟の入り口を隠し た これなら誰が来てもたげて逃げるじゃろう これで安心じゃさあ早く嫁さんを呼んで [音楽] こようおい夢 さん金じゃじあらあんた早かったです ねと金を見つけたぞじゃがあんまり たくさんあるでお前と2人で取りに行く ことにした早く度をせいそれはよかったで も私は田んぼのいかりの準備をせにゃ ならんで何を言うんじゃ大金持ちになれる というのにいなんどどうでも ええはよくはせん かうに 私はお金も大事じゃが犬も可愛いで ちょっとのまでもほっとかりゃせんのよほ かそんなら仕方がないほなわしとわこで 運ぶで当分留守にするがいいな構いません よあんたが日に開けてたくましなるだけで も嬉しいことじゃでなんぼでも行って きさいして朝嫁さんはまたまたニコニコ わろうてむこさんを送り出し たそうしてむこさんとわこはまた歩きに 歩いて1日かかってやっとのことで麦の 大蛇が待つ賭の寺尾の岩山にたどり着い たさてもうここまで来たら何も慌てること はないで弁当を食うてから掘り出す や [音楽] はあなんじゃ こりゃ
うわ出た出た出た出たひゃあ助けて麦笑の 大蛇がほんまの大蛇になった わ わ [音楽] もうむこさんは恐ろしくなって人かけらの 金も持たずに逃げ出し [音楽] たはあ驚いたもうここまで来れば大丈夫 じゃ寸でのところで大蛇に飲み込まれ ちまうところじゃったなあえ さ早く嫁さんのところへ帰ろう あれなん じゃ者 者それは眼下に広がる田んぼに見事に実っ た犬が夕日に輝き風に揺れて村の橋から橋 まで小金の波を打っている景色じゃった この金色に輝くの見さにこさんはもうに なってしもうたこれこそほんまの小金 じゃおいおい嫁さんやあらあんたもう金 運んだんですかバカ金なんか運ぶか金より もっといいものを見つけてきたそうですか それは良かったですねお前聞いて驚くなよ それはじゃないいねじゃよ えの田んぼに生えてるそうじゃほら ゴロゴロ寝てばかりおってあがいに犬が 見事なもんとはちとも知らなん だ金や銀はとうとう手に入らなんだが汗を 流したおかげで金や銀よりもずっとえもを 見つけたむこさんはそれからというもの せっせと仕事にせを出し嫁さんと2人でつ までもせに暮らしたということ [音楽] じゃ 昔あるところに物持ちの家と貧乏な 水車小屋の家とがあっ た水車小屋というのは村の週から頼まれ 麦や泡をついて柄を取るのが仕事でなつい た麦や泡をわずかばかりもらってそれで 食うていく貧しい商売じゃっ た人様の麦よこぼさんように なわかっ とる水車小屋は年中粉だらけのもんじゃ じゃがそん中でもこのいかは年寄から 赤ん坊まで達しでよを働いとっ た一方物持ちの方の商売はぎな金かしで金 に困ったものに金を貸しては法外な利息を むしり取るのじゃ体を動かすことはない から年中目の下の水車小屋を見下しては その貧乏ぐらしを馬鹿にしとっ [音楽] たいか揃って放かりしとる泥棒みたい じゃ ある雨の日の夕方のことじゃったこの村に 1人の旅の坊様がずぶ濡れで震えながら
通りかかっ [音楽] たなどんどん と何枚ラブ何枚ダブ一夜の宿をお願い申す 何ダブ何ダブ 何坊主がうちはそんなものは止めん何枚 ダブ何枚ラブ何枚ダブ何枚ダブまだいる この乞食坊主が何枚ラブ何枚ダブ何枚ラブ 何枚ラブナ枚ラブナ枚そでも [拍手] 食らえ物持ちの家で宿を断られた坊様は次 に水車小屋へよ [拍手] [音楽] [拍手] はいはいあれも坊さん が何枚ダブ何枚ダブ一夜の宿をお願います えお安いことでさあさあ粉だらけじゃがお 入りなされ ささふ貧乏人が乞食坊主に宿を貸してどう することかい水でも飲ますん [拍手] じゃろじいちゃん巻きじゃ冠をとんか [音楽] いさじがあまってくだせ [拍手] あれまいいとこに座らせてもろ てじゃあ今日は早島してみんなで芋がでも すすることにします [拍手] て坊様は芋がゆと水車小屋の一家のモな人 で胸も腹もいっぱいにしてむの布団でその 世はぐっすりと眠ったのじゃっ [拍手] [音楽] た今日も水車に働いてもらわんば のふんクソ坊主が帰りある俺と言うて何も ねえだがこの玉を受け取ってもらいてだよ そんな何もいらねえだよ坊様いやいや納め てくだされこれは願いの叶うたじと言われ とるだでななんかもらったよし行ってみる べ坊様はお礼の玉をお上に晴ればれとした 様子で水車小屋を後にした [拍手] それ水車小屋の一家は坊様の残していった 3つの不思議な玉をつくづくと眺めておっ た願いがかじゃと大変なものをもって しまう た願いが叶うたじゃとじいさんあのクソ 坊主を捕まえてこい や水屋のの一家は1つずつ玉を手にして それぞれに願い事をすることになっ た初めはじいさんの番じゃったじゃ癌を かけてみるか [音楽]
なうお弾が消えた次はおとが癌をかけ た引 てあれ消えた最後はおっかじゃっ たあれ消えてしも たじ様は何を願っただあのな孫たちやお前 たちがなしで暮らしますようにとなはほら もな様や子供たちがいつまでも達しでいる ようにと なんじゃ裏もよみんなが他者でおります ようにとなみんなで同じ1つの癌かけただ な [音楽] 捕まえてきた ぞしあがれさあさあ ささあさ遠慮しなさるなれえ団子はどう です じゃへどうやら食っただな食ったからには わしらにもあの玉をくれるじゃろうな くれるななくれる じゃろ この玉は願いが叶う玉じゃと言われて おるこれじゃこれだいいかこの3はこの家 の主のわしはもらうぞなんだとこれ手を 出すなまじ様まず1つずつ持って癌をかけ てみてばどうじゃわあわかっ た光っとる光っ とる まず初めにババが癌をかけた頼む頼む頼む 綺麗な着物100枚綺麗な着物を100枚 だよ100枚枚枚枚枚枚 枚 う光る玉は本当にどんな願いも叶う玉 じゃったひやキ着枚じゃ100枚 じゃわしだってガウンをかけるぞええか米 がいっぱい詰まっているくらを100無ね 米がぎゅぎゅ詰まっている米ぐらを胸じゃ ぞ胸胸胸胸胸あああああ あ光様は物持ちの願いも叶えてくれて立派 な米倉が胸も現れたのじゃっ た ひやあ私は本当の物持ちになったぞ米の 詰まったクが100じゃぞ弾はまだ1つ あるあそこだよこせ いき はなんて言うラブなくそじじめ よこせなんじゃその顔は鬼まみが本日ので も生して鬼になればよい わあ いやあゆるなゆるなゆるな角でも生やして 鬼になれ物持ちの言葉が3つ目の願いと なってしまったのじゃなババは本物の 鬼ババになったのじゃ うわー うわー物持ちは鬼になってしもうたババと 暮らしたくはなかったが胸のくを捨てる
こともできず訪れる人もない家の中でババ と喧嘩しながら暮らしたそう [音楽] じゃ一方水車小屋の一家は相変わらず貧乏 のままじゃったら達者で暮らせますように との願いが叶えられたのじゃろ 誰1人病気するでもなくいつまでも豆に 暮らしたということ [音楽] [拍手] [音楽] じゃ [音楽] 昔瀬戸内の海は堺や大阪へ往来する たくさんの船で賑わっておっ たその瀬戸内の海に浮かぶ島の1つに百島 という小さな島があっ た [音楽] 百合島には不思議な言れがあっ たそれは真中ともなる と [音楽] 坊 [音楽] に 化け物 じゃ 風に も目にすんでねえぞ耳抑えるんじゃ道あら ね早く島から離れるん じゃお [音楽] にお船にも [音楽] この辺りの海は1日何回か潮の流れが 変わるため百島に怒りを下ろし潮待ちを するのを常としておったわいつしかこんな ことがしばしば起こったので百島には船を 止めないようになっ た [拍手] ところがある時の ことこの安梅じゃ明日の夜明けまで待っ とらんといけんゆっくり体を休めておけ やどこの船や 一層の船が急に変わった塩に流されて百島 に怒りを下ろさねばならなくなっ たなおい百島の化け物の噂知っとるかああ 聞いとるなんでも恐ろしげな女の化け物が 出て呼びかけてくるって言うん じゃろお船に申すお船に申すとゆうそう じゃ俺なんだか背中がゾクゾクしてきた よそろそろ 出るんじゃねえのか出ても返事者なんねぞ
聞きとない言うて逃げてしまえばいいん [拍手] じゃい船を さその化け物じゃ が今まで返事をしたものはおらんのかな へえそう聞いて ます何でも恐ろしい化け物が現れてそれを 見た何人もの船のりが気が変になった なんて噂を耳にしました がこの辺りの海は潮の流れが早くそれに 流れが変わりやすい それなのにこの百島に船をつけられんとは 他の船の臭も何気なことじゃろう なお [音楽] 船 船 [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] 何のようじゃもうして みおさ返事しちゃいか [音楽] お船に [音楽] も 何の真似じゃお船に申すと言うから返事を したんじゃ何のよう じゃ申して み ええい怒りを上げ発 [音楽] じ もしはそ [音楽] そ [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] う 先導たちは正気に戻ると恐る恐る光の方に 近寄っていっ たなんとそこには金銀道に埋もれて船が 倒れておっ [音楽] た我が願いに おたみもし ますわかっ た約束を する船さ大丈夫です かあの女のの魂が大阪に連れ帰ってもらい
たいもんでここで塩待ちする船に頼んで おったのじゃじゃこれ は大阪までの船ちんというわけじゃなどみ の船を沈まさんようにしっかり大阪まで旅 しようや 船は約束を 守りその後何日もかかって無事大阪に着い た先導たちは果てこの産の銭で何をしよう のと相談したそう なそして船具屋を始め た船具屋の野号も百島の銭でできたもんで 百屋と名付け店は結構繁盛したそう [音楽] な [音楽] はて百島の一角に今もなおお船に申しと いう地名が残っておって瀬戸の潮の流れの 早い海を見下ろしているということ [音楽] じゃ 昔昔ある村に不思議な男が住んでいました と さだってこの男村人が朝から晩まで汗水 垂らして働いているのをよそに1日中 ゴロゴロゴロゴロ寝てばかりいるのです 村人たちはすっかり呆れはてあれはなけも じゃもぐ太郎じゃと馬鹿にしておりまし たでもこの男根からのなけもではなかった んです がところがいつの頃からかふと寝たきり 起きてこなくなってしまったん です誰がにもきませんゆすっても起きませ んくすぐって も殴っても起きませ ん朝になっても起きません夜になっても いよいよ起きませんとにかくただただ ゴロゴロと寝続けておりまし た またこんなとこで生けの太郎に近づくと病 が映っちまう ぞこうして太郎は村のもからは怠け者とし て鼻つまみにされ果ては子供たちにまで 馬鹿にされる始末でし たしかしこんな太郎でもたった1人心配し てくれる人がおりましたは優しいおっさん ですおっさんはこんな怠け者の息子のため に村の長老の屋敷で下働きの方向をして おりまし た はあ旦那生けを息子に持ったんだろう な あ旦那 様やっぱり寝とるんかすみませんやり やりあんな息子を持つと親はたまらんうん この親服もが
うん [音楽] そんな寝たろでも10日に1度ぐらいは 起き出しことがありました我慢ができなく なるから [音楽] ですそれはそれは気持ちよさそうにいつで もいつまで もありゃ虹かネタのやつまたやっとるな おしっこは霧のようになって綺麗な綺麗な 虹をかけまし たでも虹が終わると寝太郎はまた寝続け まし たこうして 今年も田上の頃になりましたがやっぱり ネタ郎は起きてきません1年目には1年寝 たろ2年目には2年寝たろでしたが3年目 の今は3年寝たろと人は呼びました さてこの村には田んぼへ水を引く川があり ませんカカりの夏になると決まって稲は ししよ枯れてしまうのでした 村人たちは雨乞いの火を炊くやら水神様を 祭るやらしましたが相変わらず雨は降って はくれませ [音楽] んに働いたそれでもこのひじゃこれは天罰 じゃバあたりがこの胸におるからじゃその バあたりがおる限りこのひはやぬや ぬ村人たちはあのバあたりに消えて もらおうと丘の上にやってまりましたが その時 [拍手] う 起きよったぞどこ行くきじゃまたべ [音楽] じゃろなんだかいつもと違うの様子がな またべに決まっとるよもう少し様子 見よう [拍手] [音楽] ちょ待て 待てあいつ何する気 じゃどうしたことかネ太郎は渾身の力を 込めて岩に手を当てて押し始めまし た うんあの岩をっこそっていうのかそんな バカなあないはいくらなんでも落とせる わけがあるもんかほんにあいつはバカもん じゃ なあそうですいくら押してもビクトもし ません待てど暮らせど動きませ ん根太郎はそれでもただ一心に押して押し て押しまくりまし [拍手] た
[拍手] するとどうでしょうついに岩が岩が谷底 [音楽] へ [拍手] [音楽] 落ちた岩はさらに大きな岩を動かして諸 とも川の中にそして岩は重なり合って川の 流れを咳止めまし [音楽] た川は包を破って村の方へ向かって 流れ出すではありません [音楽] 水だ田んぼが助かったぞパンダズ だこうして村の田んぼは生き返りまし たそうです 寝太郎はただ寝ていただけではなかったの です寝ながら毎年村を苦しめるひりのこと を心配していたのですどうにかして川に水 が引けないか考えていたの [拍手] です太郎は考えに考え抜いてそれを見つけ ましたこうして太郎の考えた水の流れに 村人たちは立派な様を作り上げまし [拍手] たもうひりになっても水の心配をしなくて も良くなったの です村には毎年豊かな実りが訪れまし た人々は根太郎のおかげじゃ根太郎は賢い と言って喜びましたでも太郎のはまたおり ました村人たちはもう当たりなんて言い ません太郎さんがまたええことを考えて くれとるんじゃろうとそう言ってネ太郎を 大事にしましたと [音楽] ささんきつきっていう鳥知っ てるそう長い口ばしで木の幹をコツコツと 叩いて中の虫を食べる綺麗な小とりです [音楽] ねじゃあスズメ はこれはもう知ってますよねでも同じ 小とりでもきつつきとスズメの羽の色は どうしてこんなに違うん [拍手] でしょう それにはこんな話があるん [拍手] です昔昔の 大昔キツとスは兄弟でしたある時この兄弟 城下町の大きなご服屋に方向に出ることに なりまし た妹のすは気立てが優しくて働き者でした が 姉のキツはわがままで見えっぱりでし たある日2人は主人に呼ばれました主人は
2人に自分たちの好きな着物を折るように と糸をくれましたあさ急いで おろ2人は早速美しい着物を夢みながらせ と布を折り始めまし たったらどんな色に染めようか な私はもう決めてる よカッタンカッタンカッタンかったん2人 は出来上がる着物のことをあれこれ 思い浮かべながら胸を弾ませて布を折り 続けましたそしてとうとう布を折り上げ ましたあとは美しく染め上げるだけです ところがそこへ国の父さんから手紙が届き ましたいだからすぐに帰っておくれという のですでも姉のつきの方はそんな気には なれません着物を作るまで帰らん姉 させっかく町へ方向に来たのに晴れ着も傷 ずに帰るなんて嫌じゃんスズメの妹の方は もう晴れ着どころではありません一刻も 早く帰らなければと一晩のうちに白い布の まんま着物を立てるとご主人に追いをし てで国を目指して旅に立ちまし [音楽] た おっとどうかどうかオが帰るまで気を しっかり持っていてくれや気ばかり焦る ものの急げば急ぐほどスメにとって旅は 苦しいことばかりでありました険しい山を 越えさく川を渡って足を早めまし た おかげで真っ白の着物も雨や風にさらされ てすっかり汚れてしまいましたがそれでも 必死に先を急ぎました は 夫こうしてスはやっと夫のうに帰り着き まし た急いだ買って前の夫に一目会うことが できまし た寂しかったろうな夫もう大丈夫だ よそしてまもなく夫は死にました妹のスは 悲しみにいく日も泣きからしていまし [音楽] たそんなある日姉のきつがやっと帰ってき ましたす あさあ [音楽] さほれ ごらん素敵な着物ができただろうこの柄に はとっても苦労したんだ よ着物の自慢ばかりしている姉を見て スズメは悲しくなりましたでも気を 取り直して姉を連れてのお墓にお参りし まし [音楽] た ああその時どこからもなく不思議な声が
聞こえてきたのですきつつきよお前は親 よりも着物が大事だからいつもハをまとっ ておれその代わり木をついて虫だけ食べる が良いすめよお前は親を大切ににした着物 を台無しにしてしまったがその代わり うまい米でも何でも好きなところで食べる あいこうしてキツは体の綺麗な代わりに森 で木をついて虫を食べスは里へ出てきて米 でも何でも好きなものを食べるようになっ たんですって さそうです小鳥にちんだ昔話はまだまだ ありますよ 山端って知っ てるそう山へ行くとててぽっぽてて ぽっぽって泣いてる鳥ですねこの山端が どうしてあんな風に泣くようになったかと 言いますとそれは ねあるとこに人に言われたことの反対を やる それはそれはへそ曲がりな天若な男の子が おりましたそう [音楽] なゴロゴロしてる間があったらとっとと山 でも切りに行けあほいよ山へ行けと言わ れれば川へ [拍手] 行きかさ仕事に行け よ川へ行けと言われれば山行きたんぼさ 行けと言われれば畑行き畑さ行けと言わ れれば田んぼに行くへそ曲がりでありまし た じみこの 待てこういう具合でしたから男の子は村の 人に相手にされず夫の心配はひまに積もる ばかりでした 母ちゃんどうしたらいいんじゃろうか なとうと心配のあり病気になってしまい ましたしかし男の子の方は愛も変わらず 医者と言われればサバさんを連れてくるし 柔らかいお粥が食べたいといえばごわごわ 飯を持ってくる有様でしたこれでは病気が 良くなるはずがありません夫は考えました 自分が死んだら山へ埋めてもらいたいでも あのせがれのことです山といえば川に 埋めるに決まっていますそこで反対のこと を言うことにしまし たいいかな夫が死んだら川へ埋めてくれか 間違っても山へ埋めてはなんねえぞこう 言い残すと夫は知りまし た 夫 夫 夫オが悪かっ たさすがのへそ曲がりの男の子も夫が死ん で初めて目覚めましたオが悪かった
だオは夫の通り川っぷちに埋めてやるだ よへそ曲がりの背はたった1度夫の 言いつけを守る気になりましたこうして夫 の思ってたこととは全く逆に川のそばへ 埋められたのですところがこのは雨が降る とすぐに水が溢れますお墓もどうなるか わかりませ ん大変だおの墓がおっとお流れるでねえぞ [拍手] おっとあれよかったなら仕事に戻るだ よ ああいけねえまた降ってきたなおっとおと うあれやん だ あ おとこして少しでも雨が降ると男の子は夫 のお墓へ知んでいきましたこの年は雨が 降る日が多かったので男の子はもう クタクタになってしまいまし たらびれただこれじゃ身がもたまた雨 だおっとよらもうダメだらが鳥だったら こんな時パっと飛んでいけるのになあおと よ あ飛んだこうして男の子は気がついてみ たら山端になって飛んでいましたとさそれ から山端というのは少しでも雨が降りそう になるとてて親のことを心配しててて ぽっぽててぽっぽと谷や川を泣き渡るよう になったんですって さ 昔昔のことでしたとさあるところにとても 大きな木が立っているでかいの腹があり ましたそれはお様がカンカンてるある暑い 日のことでした1人の少年ともう1人旅の が別々の方向からやってき てこの木の下で一息入れましたおお暑かっ たおお涼しえっと火しわ と旦那旦那すんませんちょっと火をあああ お互い顔になった商人と絵描きはそれぞれ に身の上話を始めまし たそれでな足は空天軸まで空きないよう 広げようと思ったんじゃ ほうででっかい船を10層作ったほお ところが嵐で全部沈んでしもう たそういでな今度は金を掘ることにしまし たのじゃほうとでかい金山を見つけた ほおところが山崩れに覆てこれもダメです じゃそいで次は絹の空ないを始めたのじゃ ほ馬100等に積むくらいの絹を集め たところが山賊に全部取られてしもうた が次は目の空を始め 全部の木を買い集め [笑い] た山かじで全部燃えてしもう た無理ない
わ旅のエはいつの間にかポワポワ眠って しまっ たすると不思議なことがりまし [音楽] た絵かきの花から1匹のアが生出てきて どっかへ飛んでいったのです旅の商人は 不思議なことがあればあるものだと 考え込んでおります とば だはて は随分とおかしな夢を見たもんじゃどんな 夢ですうん実は なそう言うと絵描きは今見たばかりの おかしな夢をエフでを取って旅の商人に 話し始めましたどこだか知らない山があっ てそれを超えると そこに大変な長者が住んで おりその長者の庭に は白い花の柵つきがあって1匹のアがア そのつの根っこを惚れと飛び回るので掘っ てみたところ小金がいっぱい入った亀が出 てきたという夢でしたなんという不思議な 話 じゃ [音楽] よしこの夢足が勝ったさ売ってくれななん と夢をそうとも夢をこた冗談のうまい人だ いや本当ですじゃしかしこれはまかどうか わからぬただのたいのない夢かもしれんぞ それでもこだ夢を見るとは楽しいこと ですお前さんはそんな風だから失敗するん だ よそれでも結構じゃ達しでなさ [拍手] ならそう言うと商人は絵描きと別れアブが 飛んでいった方へ歩き始めまし た 旅の商人は絵にあった屋敷を探してどこ までもどこまでも歩き続けましたそして ついに絵にある通りの山を見つけましたあ た急いで商人は山を越えまし [拍手] たすると絵にあった通りの者の家がが 見えるではありません か見つけ たあああの絵描きが夢に見た屋敷と そっくりでした門が前から生いている2本 の松もただ違っていたのはつきの木は1本 ではなくてたくさん生えていました ということはあの中に白いつきがあるのか もしれ一応試してみっ [拍手] か白い花のつきを探す決心をした商人は その長者の家に住み込んで働くことにし まし
た早く春が来んか なみな のやがて冬となりました白い雪がどんどこ さどんどこさと降り積もっても旅の商人は 春を待って一生懸命せっせと仕事を続け まし たそして とうと町に待った春がやってきまし た咲くぞ咲くぞいよいよつきの花が咲く ぞしかしそのつきの花は全部赤い花でした 白い花はどこを探しても輪も見当たりませ [拍手] んやっぱりダメだったかでもなんかきっと 避けないわけがあったに違いないきっと そうだ飽きないだってうまく行く時とそう でねえ時があるそう自分に言い聞かすと 商人はまた来年の春を待つことにしました 里には暑い夏の日がやってきまし たやがて秋が来 てそして冬が過ぎていきまし たそして春綺麗につの花が咲きました けれども [拍手] やっぱりつきは去年と同じように赤い花 ばかりですさすがの商人も心底がっくりし てしまいました はあやっぱりあれは本当に夢だったんか な商人はこの2年の間の努力がすっかり 無駄だったような気がしてぼんやり池に 移った赤いつきの花を眺めていましたその 時です ありゃなん だ [音楽] ひや白いつきだ白いつきがあったぞ白い つき だ待った会がありました人は胸をキとさせ て夢中で掘り始めました鬼が出るかじが 出るかそんなことは知りませんただただ 夢中で掘り続けまし た出た亀 [音楽] 亀 うわあ けへ長者に小金半分を残すと別れを告げ ましたやったぞやったぞこた夢が本当に なったどうだ あほこうして買った夢から小金を手に入れ た旅の商人は江戸へ登りその小金をもでに 体操な内を始めて で体な商人になりましたと [音楽] [音楽] さ 昔から東北地方に伝わるお話に座敷わしと
いう子供の姿をした神様のお話があり [音楽] ます座敷わしは古い大きな家の奥座敷に 住んでいてタタと駆け回る音をさせたりは ざわっと気で吐く音をさせたりします時に はお客さんが止まったりすると布団の上を 転げてみたり枕返しという悪ふざけをし たりすることもあるそう です座敷わしを見たという人の話も色々 あってある人の話では赤い着物を着た 可愛らしいおかっぱ頭の女の子であったと いいまたある人は裸坊の男の子だったとも 言うし赤いちゃんちゃんこを着た12さの 男の子だったという人もいて様々に語られ てい ますこんなお話があり ますある大きな家にお嫁さんが来たので 近所の子供たちも大勢お祝いに呼ばれて奥 の座敷で遊んでいまし たところが飛んでいるうちに子供の数が 1人増えているのに気がつきましたでも誰 が加わったのか分かりません1人1人顔を 確かめても知らない顔はありません初めと 同じ子供たちばかりですそれでも数を数え てみるとやっぱり1人増えているの です大きな子がこん中に座敷わしが混じっ てるぞと言いまし たでも誰がそうなのか分かりませんみんな 自分だけは座敷晴らしなんかじゃないと 頑張りまし たまた座敷わしは家の守り神だとも言われ ています座敷わしがその家にいる間はその 家は繁盛しているが座敷わしがいなくなる とその家は立ちまち落ちぶれてしまうと いうの ですある日の夕暮れのこと1人の若者が カベリを急いでいまし たあんまり見かけたことのない女の子が 2人寂しそうにういて道端の石に腰をかけ ていまし たこれこれお前さんらはどこから来ただね らたちは今まで山口の孫左衛門のとろに おった 今からの座は行き ますどうして今自分に家を出てきたら ねもうあの家も終わりだ ものざ座敷はし だ若者はびっくりして後も水に飛んで帰り まし た家に帰ると若者は家のものに早速その話 を聞かせました 山口の孫左門の家は潰れるぞ座敷私が出 ちまったもんなその代わり気仙の稲沢には どえらい長者存が出るぞその通りになった の
です何台も続いた長者の孫左門の家はあっ という間に傾いてしまいまし た その頃気仙の稲沢によ衛門という働き者の 百勝がいましたある夜与衛門は夢の中で 33の花をつけたユの根を掘れいいことが あるというお告げを聞きまし た秋も深くユの花など咲いている季節でも ありませんでしたが衛門は夢のお告を信じ てあちこちとの花を咲かせたゆを探し歩き まし [音楽] た疲れはててめかけた頃みぞれの降る荒の 中でのの通りの33の花を見事に咲かせた 百を見つけまし [音楽] た百の根元を掘ってみるとそこには小金の 入った7つの壺が埋まっていまし たこうして衛門はどい者になりましたその はの花が衛門のために咲くように思える ほどのものでし [音楽] たしかしこのよ衛門もしばらくは贅沢ざま な暮らしをしていました が近所で与衛門の家から座敷わらが出て いくのを見たというものがいて与衛門の家 がみるみる傾いていったのはあまり間もい ことだったということです [音楽] 座敷わしの話にはこんなお話もあり ますある宿屋の座敷に1人の客が止まって いまし たうん うんおじさん強そうだがオに腕相撲で 勝てるかなあなんだこんな夜中にどこの 子供だお前はさあいいからやろいいから やろねえやろうようるさい小僧だよし とっちめて やる ん それなんてここ小僧 だおじさん大したことないね [音楽] ううああ ええ宿の主人もそんな男の子は一向に知ら ないということでした噂は立ちまち広がっ て物好きな男や力盤の男たちが大勢を 仕掛けてきて宿屋は思わのを繁盛しまし たところが男たちが待てど暮らせど赤い ちゃんちゃんこの男の子は一向に現れませ んきっとねじ伏せられるのは怖くてなを 潜めているのだろうと男たちはぐっすりと 寝込んでしまいまし [音楽] たさて朝になって男たちが起きようと目を
覚ますとどうでしょういつの間にか男たち の掛け布団は下に敷布団は上に見事な どんでん返しを食っていたということ ですそんなある日のこと夕飯の支度に みんなが忙しく働いていると誰か階から 降りてくる物事がしてふと見ると見たこと もない男の子が外に出て行きましたみんな 忙しいので大して気にも止めませんでし たそれから間もなく腕相撲の強い男の子の 噂をするものもなくなり宿はだんだんと客 も減ってとうとうこの宿は立ち行かなく なってしまったということ です 座敷わしは土蔵の中やナの中に現れること もあり ますいつでもどこかの物影からじっと人間 の暮らしを眺めていては時にはいたずらに 出てきたり仲間に加わって遊んだりします しかし嫌になればいつでもぷいといなく なってしまいますそんなのが座敷わら です 神様と言っても寒さにほっぺを真っ赤にし ていたりずらっぽく泥だらけの顔をしてい たり人々が出会った座敷わしの姿は村の 子供たちとちっとも変わりませんそれが とても不思議なことですがだからこそいつ までもいつまでもみんなに愛される神様と して残っているのかもしれませ ん座敷のお話でし [音楽] [音楽] た おや良い子だね [音楽] 今も昔も変わり なく はの 恵の [音楽] [音楽] 歌 昔 南合津の山奥に水無し川という川が流れて おっ たちょうど夏の暑い盛りじゃったその 水無し川の上流に4人のきこりたちが仕事 のため山へ入っておりましたそう な あちちいやこちじゃ仕事する気にならねえ べだん だところでみんなひり続きでふの水も減っ とるだに明日は1つ寝流しでもしねえか うんだんだそれ面しやっぺやっぺ流しすれ ばよ酒もたっぷり飲めるしよそうだと思い よ寝流しでがっぷり儲ければよ一夏銃働か
んでええかもしれねえでよ え 根なしとは川の中に毒のようなものを巻い て浮いた魚を取るという方法じゃった連中 は小屋へ帰ると早速目を作る作業を始めた 山の木を切り葉っぱと皮を焼き灰で グツグツと煮ると根ができるのじゃっ た流しするとよ魚がみんな白い腹見せてよ プカプカ浮くんだからおしよなうんだんだ 何しろ手掴みだから答えられねえよ なさともよ明日はジンジン取れからかす1 つや2つじゃ足りねえかもしれねえ [笑い] ぞとまあ男たちは根の煮えるのを待ち ながら明日のことを話しておったそうする と明日のために少し腹子しとくべかおお そうだすべ俺らにくれや おうとその時じゃった谷側の方から1人の 坊さがピタピタときこりたちの方へやって き たこんなところへ分散は一体どこへ行くだ べか男たちがそう思っていると坊さんは きこりたちの方へ近寄りやがて寝を似て いる鍋の前へ来てこれは姉じゃなで それがどうかしたかふへ流すのかんだとも よ根はふに流すに決まっとるぺ根を流せば よ面倒なことは何にもいらね一発でドカン と取れてしまうだよ ええやめ なされ坊さんのしわがれた大声で一時は馬 がしんと静まり返ったそうなのお主たち わしはお主たちが食べるや絵に誘われて 釣られる魚をとやかく言っとるのじゃない じゃが のじゃが川に毒を流せば小魚まで死んで しまうどうじゃ人間の子供が殺されると 思ってみ無いことじゃろうがやめなされ やめなされ無い接しはやめなされ男たちは なんとなく気が悪うなってきたそれに坊 さんの見せた目の光も気持ち悪かったう ブンブンさん団子でも食わねかよおお団子 のこれは片づけ ないなわみたぶなわみぶささささ遠慮せず に食ってくれやえささどうぞどうぞはい いただき ます 何やら不思議な食べ方だっ たいよいよ寝なしはやめぺやめぺぼさんの 言う通りにする べそれを聞いて坊さんはすっかり安心した か深深と男たちに頭を下げると 元来た道をまたピタピタと帰っていった そう な急にあたりは暗く なり男たちはしんと静まり帰っ
たじゃが男たちは決して寝流しを諦めたの ではなかっ たさて 次の日の朝男たちは早早と起き出すと川へ 向かっ [音楽] [拍手] た見てろそろそろ魚が浮いてくるだぞ [音楽] ら浮いてきたこいつは大量だでよそら 飛び込んとま男たは もうを取りまくったあっという間にかは いっぱいになったがその代わり川はもう 死んだようじゃっ たそれでも男たちはまだ足りぬもっと もっと大きい魚を取ろうと川を上流へ上流 へと登って行っ た川上の淵は底なしの淵と呼ばれ大きな 岩名の主が住んでいるという話じゃったが 人々は滅多に寄ろうとはしなかったふは 恐ろしいほど静かじゃっ たそこ足の縁と消えとったが見れひで こんなに水が減っとるぞ根の量を増やせば 大丈夫だけよよし行く ぞおら それ [音楽] どら [音楽] それやがて魚がプカプカと浮き始め [拍手] た男たちは笑って見ておったわもうだ残り の根を全部ぶち込む ぞが早いかっ た全部縁へ投げ込ん [音楽] だやがて水は白く 濁り縁は死んでしもうたようになっ たその 時辺りが急に暗くなったかと思うとカラス がギャギャ泣き 始め [笑い] なんだやあれ は黒い影がすっと近づいたかと思うと バッサ見たこともない大いが白い腹を見せ て浮かび上がってきたそれ がこの淵の主じゃっ たたちは大喜びで岩名をかすに詰め込もう としたが突っ込んでも突っ込んでも入り きらんほどの大きさじゃっ [音楽] たどうだおらが言うた通りにしたらこの 大量だ見れクソボスささこの大岩な魚に いぺ行く
[音楽] べところがどう じゃろう大岩の腹の中から何やら丸いもの がポロポロといくつも出てき たなんだじゃこれ はきキビ団子じゃ見れへ岩名がオたちの方 に睨んどるぼぼ坊さんが岩名だったん じゃ なんという恐ろしいこと じゃろう岩名が昨日の防犯じゃったと [音楽] [音楽] はそして残りのきこりたちは後も見ずその 場を逃げ出してしまっ たやがて谷川は元のように綺麗になり岩名 も住めるようになったが今も流れるこの川 にこの不思議な物語は人々に語り継がれて いると [音楽] いう [音楽] おい てけ おい [音楽] て 昔昔ある国の城下に置いてけぼりと呼ば れるお掘りがありましたそうなこのお掘り には水の寄せ合う淀があってその淀にひれ 時には恋や船がそれはそれはたくさん ギチギチと集まってきてスリートを垂らせ ばいくらでも釣れましたそうだところが その恋や船を釣って帰ろうとするとお掘の 水の中から決まって置いてけ置いてけと いう君の悪い声がしましたそう な おい てきそれでも魚を持って帰ろうとすると その声はだんだんと大きくなってついには おい てき 辺りに響き渡る大声になりましたそうな 大抵の人は釣った魚も釣り竿もおっかして 逃げてしまいましたそう なそんなことが旅重なって人々はこのお 掘りのことを置いてけぼりと呼ぶように なり誰も寄りつかなくなりましたそう な [音楽] ところがここになんとも気の強いとっさが おりましたそうなヤゴは丸一文字そう商売 は魚屋でありましたそうなお前さん行か ないで おくれ ベラブメおいてけ堀が怖くて魚がやって
られるかいおもしおいらが釣ってこよう じゃないか前と後ろのたへいっぱい 置いてけぼりの魚を釣ってこようじゃない か あ女房や仲間が止めるのもきばこそ 置いてけぼりの堀端にやってきましたそう [音楽] な [笑い] [音楽] はいいタイミングで金がなるじゃねえ かおいらが怖がってると思ってるなはおい 肉様だ いきもわかにちっと行って釣って食うから なちょちょちょっと言ってな釣ってくる からな怖かねえん だ行く ぞいや釣れるの釣れないのほんの一時の間 に数えきれないほどの恋や船が笑笑笑笑 釣れましたそう [拍手] なざみる [音楽] ぷ釣った上においらゆっくりタバコまで 吸ってきたのさ後で仲間や女房にこう自慢 したいばっかりにとっさは焦る心を無理に 抑えて一服つけましたそう なでもなぜか火をつつけるのを忘れてい ましたそう な うああもうこんな時刻かそろそろ 引き上げるか なおい [音楽] てけ おいてくおいら何も聞こえねえさなおい てくおい てく うるせえやうるせえや何が何でも女房や 仲間に見せてやるんだい さら重い魚を担いでとったまは死者ぐいで 走りましたそうなそしてやっとあの君の 悪い声が聞こえないところまで来ました そう な は出ぼめおいらが釣ったおいらの魚さ置い てけったって置いてくもんか いところがそこに何やら女物の下駄の音が 聞こえてきましたそう な そして柳の枝の影でピタリと止まりました そう な後に引けば置いてけぼり前へ進めば君の 悪い下駄の音右と左は急な崖どうせ逃げ場 がないのなら前へ行くほありませんとっ様
はそろそろと歩きましたそう な 柳の下から姿を表したのはそれはそれは 美しいお女中でありましたそう な これその魚を私に売ってくださいな売らね や仲間に店にうは誰にも売らねえ誰にも 売らねえどうしても嫌 かえ売らねえたら売ら ねどうしてもかいどうしてもどうしてもか いどうしても だこれでもか い うわ [笑い] せっかくの魚を放り出してと様は逃げに 逃げましたそうなその逃げ方は後で 思い出しても自分ながら死にたくなるよう な恥ずかしく情けない逃げ方でありました そう な夢中で逃げるうちにやっと夜泣きそばの 明りを見つけましたそうな 親父水くれ 水息を切らしてますねお客 さん出たんだよあれがあれが出たんだよ あれがじゃわかりやせんよだがもしかする とあれというなこんなやつじゃありません でしたかねそう言いながらおにあげた親父 の顔はこれものっぺりましたそうな とっ様は腰を抜かしてしまいましたそうな 一方夜泣きそばの屋台は親父諸ともペカリ と消えましたそう [拍手] な腰を抜かしたとっ様は仕方なく手で走っ て帰りましたそうなその姿もまた後で 思い出すと死にたくなるほど恥ずかしい ものでありましたそうなそれでもよろよろ と我が家に帰り着きましたそう なおやお前さ変な帰り方だねべベラもめ これがまともに帰ってこれるかい出た出た んだよあれがあれがじゃ分からしないよで もお前さん出たというのはもしかし てももしかしたらこここいつも もしかして出たというのはこんなやつじゃ なかったの かい やっぱしどういうわけか女房まで のっぺらぼうなってしまってとうとうとっ たまは気を失ってしまいましたそう においい てき おい てき おいこだねでし が今も昔も変わり
なく 母の 恵の [音楽] 歌昔々のこと今の下関が赤間関と呼ばれて いた頃のお 話網路というお寺がありましたそのお寺に 放という目の見えない貧しい美和引きが その芸を将に見込まれて引き取られており まし た大一は幼い頃からその不十な体に美和の 引きがりを仕込まれまだほんの若者であり ながらすでにその芸は師匠をしのぐほどに なっていまし た高一は原平の物語を語るのが得意で とりわけ断の裏の活線の下りを語る時は そのに迫った芸に誰1人涙を誘われない ものはいませんでし たその 昔団の裏において現地と兵家の長い争いの 最後の決戦が行われ争いに破れた兵一門は 女や子供に至るまで安徳天皇として知られ ている陽もともことごとく海の底に沈んで しまい ましこの悲しい兵家の最後の戦いを語った ものが団の裏の活線の下りなの です虫暑い夏の世の こと大一は尚さんが法事で出かけてしまっ たので1人お寺に残って美和の稽古をして おりまし た [音楽] [音楽] ほい 放 はいどなた様か私お呼びのようですが私は 目が見えませんのでわしはこの寺の近くに 足を止めておられるさる身分の高いお方の 使いのものじゃとはその方が戦物語を語る にたけているという噂を耳にして是非聞い てみたいとお望みじゃ私の美和をさよやい 案内いたすわしの後ろについてまで一は 身分の高いお方が自分のビを聞きたいと 望んでおられると聞いてすっかり興奮して 武者の後について行きましたしばらく行く と大きな門につきましたこの辺りにはお寺 の門より他に門はないように思っていたの で一はどこのお屋敷だろうと考えまし たやがて門が開かれて広い庭を通ると 大きな館の中に通されまし たそこには大勢の人が集まっているらしく さらさらと絹ずれの音や鎧の触れ合う音が 聞こえていました 一速そなたのに合わせて兵の物語を語って くだされいずれの下りを聞かせいたしたら
良いのでしょう か断裏の下りを吟じ られかしこまりまし た高一がビを鳴らして語り始めると見事な ビの音は老操る音船にあたって砕けるな 弓なりの音兵士たちのおたりの声生きたえ て海に落ちる武者の音などを巧みに表し 大間は立ちまちのうちに断裏の活線場に なってしまったようでし たやがて活線も兵家の悲しい最後の下りに 入るや広間のあちこちにむせび泣きが 起こり大一のビが終わってもしばらくは誰 も口を聞かず しんと静まり返っていまし たやがっ てご苦労様でしたとのも痛くお喜びのご 様子じゃありがとうございますなんぞ ふさわしいお礼をくださるそうじゃ など宵より6 日間そなたのを聞きたいと のせよって明日の世もこの館に参られる ように明日の夜もそれから放寺に戻っても このことは誰にも話してはならぬよろしい な朝になって寺に戻ってきた邦一は尚さん に見つかってしまいました尚さんは一に夜 どこにっを尋ねましたが一は館での約束を 守り一言も話しませんでし たそしてまたも夜がやってきまし たおさんは一が何も言わないので何か深い わけがあるに違いないと思いもし一が 出かけることがあれば後をつつけるように 寺男に言い含めておきまし た 目の見えないはずの放の足は意外に早く闇 よにかき消されるように姿が見えなくなっ てしまいました一体どこへ行ったんだどこ にも姿が見えんぞもう一度あなたにを探し て みよう あそこ大一さん だ寺男たちは安徳天皇のお墓の前で ずぶ濡れになってビを引いている法道を見 て法一が亡霊に取りつかれているに違い ないと力任せに寺に連れ戻しまし た夕べの出来事を聞いた尚さんは一が亡霊 に惑わされていることを知って真の間ない をすることにしました大一お前の人波外れ た芸が亡霊を呼ぶことになってしまった ようじゃ今夜もわしは村のおつやに 出かけるが今夜は誰が呼びに来ても口を 聞いてはならんぞはいしっかり座禅を組ん でみぎ1つせぬことじゃ恐れて返事をし たり声を出せばお前は今度こそ亡霊に八に されてしまうわかった な
ほ ほい迎えに参った ぞ ホイ返事せいどこじゃ ホイ つんビュアはあるが引き手がおら ぬ ん2つの耳だけが 見えるなるほど口がなくては返事もでき まいそれなら一層その耳だけでも持ち帰っ て放を呼びにまった証とせねばなる ま 尚さんは夜明け前に戻ると急いで放一の 様子を見に座敷に駆け込みました一無事 だった か 一お前耳は耳はその耳はどうし たそうであったかなんとかわいそうなこと をしてしもうたお前の体にすっかり教文を 描いたと思うたに耳を書き残してしまった とは気がつかなかったよしよしわしが良い 医者を頼んで手厚く手当てをして やろう放一は両の耳を取られてしまいまし たがその日からもう亡霊につきまとわれる こともなくほどなく医者の手当てのおかげ で傷も良くなりまし た やがてこの噂は口から口へと 伝わり放一のビはますます評判になって 行きまし たそして人々は美の放ををいつか耳なし一 と呼ぶようになりその名前を知らない人が ないほどに有名になったということ [音楽] です [音楽] 昔 昔その 昔やよろずの神がまだこの世に いらっしゃいました 頃山また山そのまた山奥の山のてっぺんに 神様のお屋敷らしき一の家が立っており まし [音楽] た今日は12月30 日お正月まであと1日という日でしたが神 様のお家は夜遅くまで明りがついており まし [音楽] た神様はこんな夜まで何をしておられたの か神様は全国の動物たちに手紙を書いて おられたのです1枚1枚同じ内容の手紙を 何枚も何枚も神様は書き続けられまし たそうしてとうとう全部の手紙を書き終え られた神様は窓のところへお立ちになって
プーっと手紙を窓から吹き飛ばされまし た プ手紙は山から川川から谷へと国中の隅々 まで飛んで行きまし た1夜開けて今日はもう12月31日です カエルの家族もこの手紙を手に入れます父 ガエルがこれを読むと 何何明日の正和の朝1番早く来たものから 順に12番目までを1年交代で動物の大将 にします神様うんこれはなんとしても勝た ねばなら ぬさんたもこの手紙を手に入れまし たお猿さんたち もくまさん雪男キリコアラオ虎蛇打ち根 みんなみんな森の動物たちはみんなこの神 様からの手紙を読みまし [音楽] た ところがここに1匹のんびりもの猫がおり ました猫はネズミ君からこの神様の手紙の ことを聞きましたところがいたずらもの ネズミは明日朝早く神様のとへ集まるのを 明後日の朝集まるのだと猫に教えまし た猫はそれでもネズミ君て親切だないい 仲間なんだな そう思ったそう ですさて12月31日の太陽もゆっくり 沈んでまいります動物たちは明日に備えて みんな早くから眠るようにしたようです ところが牛さんだけがわしは歩くのが遅い から今夜10に出かけるとしようとそう 言って夕のうから神様のところへ向かって 歩き始めまし たこれを見た ネこりゃ楽だ わいぴょーん牛の背中に乗っかってしまい ました何にも知らない牛はもしかしたら わしが1番かもしれんぞ もうそう言ってのしのしと歩いて行きまし た さていよいよ翌朝ですカエルのお父さんも たくさんのカエルに見送られていよいよ 出発犬と猿も出発しまし た虎 もヘビも うさぎも鶏も羊も馬もみんなみんな出発し まし たところが中にはつい寝過ごしてしまって 出発しなかった動物たちもいたようです ようさぎも頑張ります蛇も頑張り ますところで猿と犬はめのうは一緒に走っ ていたの ですところがだんだん走るに連れてお互い に真剣な表情に変わってきまし [音楽]
たそしておしまいにはなんとか相手に負け まいともうめちゃくちゃになって走り出し たの [音楽] [拍手] です橋の となんとか相手より先へ渡ろうと先を争っ [拍手] [音楽] てとうとう橋は折れてしまいまし たそしてとうと猿と犬は大喧嘩 キキキでもお互いにこうしてはいられない ことに気づいて やがって犬と猿は再び出発しまし た さていよいよ新年の太陽が登りまし たその太陽を背にして真っ先に現れたのが 牛ですいいえネズミですネズは牛の背中 からぴとび降るとさっと神様の前に 駆け出して行きました神ちゃめ心霊お めでとうございまちゅいよおめでとうお めでとう牛は悔しくて仕方ありませ [音楽] んネズミ牛に続いて虎が到着しまし たそしてうさぎが到着しましたこうして動 たが次々に たので神様はいよいよ動物たちに順番を 発表されることになりまし たまず最初の年はネズミ です続いて 牛 虎 うさぎ 立 蛇 馬 [音楽] 羊 猿 鳥 犬イシシの順番ですカエルのお父さんは とうと13番目でし た神様どうか私も入れて ください神様にそうお願いしましがこれは ダなのですカエルのお父さんはもう悲しく て仕方がありませんだってあんなに たくさんの仲間から激励されて出てきたの です からカエルのお父さんは悲しげに もうケル ケルそう言って帰って行きまし たさて神様を囲んで12たちののですもご げ です虎もご 機嫌うさぎとネズミも乾杯
乾ところが犬と猿はまだ喧嘩をしてい ますところでその時猫がものすごい見幕で 現れました うネズミのやつよくも日などと騙した 取ってやるから 待て猫はネズミを追いかけ回し始めまし たこうして何やら賑やかな宴会は延々と 続けられまし た寝から始まり牛虎うー たみ馬羊猿鳥犬イノシシと続く12市は この時から始まったということです よそうしてネズミに騙されて12市に入れ なかった猫は今でもこの時のことに腹を 立ててネズミを追いかけ回しているという こと [拍手] [拍手] です [音楽] 親いことねでし な今も昔も変わり なく 母の 恵の 歌 [音楽] 昔昔今の中国がまだとと呼ばれていた頃の お話 じゃ八万様の門の前に仁王様という怖い顔 をした像が立っているのを知って よろこの仁王様がどうして八万様の番を するようになったかというお話じゃ よ昔仁王という名の大男が住んでおった 仁王は体操な [音楽] 力持ち自分でも日本一の力持ちじゃと思え ておっ たところがある日のこと おーい に匂 よ仁王は村の子供たちに呼び止められた 仁王よ大変だでやさっき旅の坊さんに聞い たらな仁王よりももっと強いどっこいと いう大男が当の国に住んどるんじゃて何 どっこいだとそんなやつわしに叶うもんか よしそれならわしとどっちが強いか力して やる夕が早いか仁王は砂浜までたどり着い たちょっとわしは塔の国へ行ってくるだで この船枯れる ぞ仁王来たかやあんた 誰わしはただの旅のそう者よ仁王当の国へ 行くならこのヤりを持っていくが役に立つ ぞ やりそれでは仁王気をつけて なこの旅の坊様が八幡様じゃっ
たさてこうして仁王は船を来いで塔の国へ と向かっ た広い広い海を何日も何日も船をこぎ続け [音楽] た そしてやっとのことで塔の国へたどり着く と仁王はどっこいの家を探し出しその家の 前に立つと大声で呼ばわるたわしは日本一 の力持ち仁王様じゃどっこいと力比べの 勝負にやってきたいざ尋常にし どっこいは今出かけておるすぐ戻るから 待ってなさいそう かそれじゃあ待たせてもらうぞあれが日本 から来た仁という男かいさすが大きい体を しておるのなかなか強そうじゃない かでもまあかわいそうにわざわざ日本から 出かけてき今日限りの命とは のどっこいの手にかかったらどうしようも ねえべおい今なんて言っ たあんたどっこに殺されてしまう よ何この俺様が殺されてしまう はは反対に踏みつぶしてくれるわ ええいあんたどっこよ知らないからそんな ことが言えるのさそうだよよ何今に分かる よこないだって南の国からやってきた腕 自慢があんたよりも一回りも2回りも体が 大きかったのに手足をもがれて海に 放り込まれてしまったんだよえ手足をもれ てあんたもせいぜいつけるんだなま早く 帰った方がいいと思う よ仁王は何やらだんだん心配になってきた 今までに自分より強いという男のことなど 聞いたこともなかっ たその うちおいばあさんあの音はなんじゃ どっこいが戻ってくるだよいりも向こう から足音がするだよ何どっこいの足音そう と思うよそのうち山の向こうから顔出すだ よえ山の上に顔 どっこいは山よりも大きいの かもちろんじゃとも今に分かるよ おおおいばあ さん ものすごい地なりのような音が近づいてき た う うん戻った [音楽] ぞ仁王は一目さに駆け出したそして一気に 浜辺まで逃げ延びた入れ替わりにどっこが 帰ってき [音楽] た [音楽] あさ今ったぞおかり
ん誰か来ておったの か仁王という力持ちが日本から来ておった がお前が帰ってきたので逃げていった逃げ ていった ん か 待て [音楽] まて戻ってこい力比べもしないで逃げると は卑怯だ ぞ [音楽] お [音楽] それ それ そいよこれを持っていくがよい何かの役に 立つ ぞそうじゃ いし ふふう [音楽] [音楽] Kなん と鎖の切れた勢いで仁王の乗った船は いっぺんに塔の国から日本の浜へ たどり着いてしもう [音楽] たやれやれやっと助かったかそれにしても どっこいというのはものすごい力持ち じゃ うん鉄の鎖を引きちぎるとは仁王というや はなんという力持ちじゃろやれやれ力比べ などしなくてよかっ たこうしてどっこいの力にすっかり関心し た仁王は人々にどっこいのことを話して 聞かせたそれ以来日本では重いものを 持ち上げる時 どっこいと声をかけまた当の国では にと声をかけるということじゃっ たまた八幡様にやりをいいてすっかりお 世話になった仁王はそれ以来八幡様の門番 をするようになったということじゃっ た [音楽] 良いこだねんでし な今も昔も変わりなく 母の 恵のこり 歌A
まんが日本昔ばなし2024 Vol 3592
