まんが日本昔ばなし2023 Vol 3561
昔あるところに小さな貧しい島がありまし たこの島には他も畑もなかったので男たち は皆お出て魚を取るよりほ仕方ありません でし たさてその島にサスケというちっと頭の ぼんやりした1人の少年がおりましたこの 少年は頭がぼんやりしていたおかげで年頃 になっても海へ連れて行ってもらえないの でした [音楽] おっかおらも海に来てださけよなんもお前 が海にでんでもおかがこうして干魚作っ とるけ2人して暮らしてゆけるでねえだか 船が出る ぞおらちょっくら行って くるサスケはこうして毎日丘の上からオも 海に行きてだなそう思いながら港に船が出 たり入ったりするのをぼんやり眺めていた の ですそんなある日のこと港が久しぶりに 大量で賑わっていたある日さは思い切って 船の船長に両へ連れて行ってくれるよう 頼み込んでみることにしまし たでもやはり断られました 何度か心みたある 日親方お親方お願しますだほら何でもやり ますけん一生懸命働きますけん うそんなにまで言うならのなら貸しでも ええだかははいうんなら次の量から連れ てってやろしっかり働くだど はいありがとうございまし たこうしてサスケは貸しとして船に 乗り込むことになりまし た貸というのは船の水字がかりのことです それでもサスケは嬉しかったの です魚の大風だじ網のよ言わせよよーし来 た かうし こ こしこせせこせ 殺せうしこらし 殺せよしありゃまこりゃカンパンが いっぱいじゃらするんじゃねえぞ はいさ おいしよせせ のせ1日の量が終わって漁師たちが ぐっすり寝静まった頃貸の仕事はまだまだ 残っていましたみんの食べ残したものを 片付けることですさはん食べ物でも神様 から授かったものだから粗末にしてはなら ないとおから教えられていまし [音楽] ただから食べ物の残りを捨てる時でも おいよに食べさせてやれば喜ぶじゃろら たちおおがいるおかげで暮らしていけるだ
でなおいというのはお魚のことなのです おおお上がりお上がりお よっしょ せ せ 殺せせこし せおいよお上がりさすは毎日夜になると魚 に餌を投げてやることを忘れませんでした 魚たちもいつしかこれを覚えてだんだん船 の周りに集まってくるようになりました [音楽] それから何年もの月日が経ちましたでも相 変わらずさは1人前の漁師にはなれず貸の ままでしたサスケは嫌な顔を1つせず人の 嫌がるようなことでも進んでやるのでした そんなある日のことさの乗った船は魚たち の群れを求めて今までになく遠くの海まで 出かけたのでしたところがどういうわけか 一匹の魚も雨にかからないのでし た全くしょうがねえな海の神様に見放され ちまったかよし今日は早島にすべ怒りを おろして飯だこうして漁師たちはその日 早くご飯を食べるとぐっすり寝込んで しまいましたでもさだけは別ですが眠った 後も1人で遅くまで後片付けをしまし たそしてその夜もいつもと同じようにさす は魚たちの餌を持って船べりへやってき ましたおいよお 上がりお上がり おいよところがやっぱり魚はいませんでし たやっぱしねだかまえにでも来て食べれば ええ だ神様明日は魚が取れるようお願します よさすはそう言って船倉へ戻って行こうと しましたとその 時あれ波の音がしねえ [音楽] なここは一体どうしたこと ださはもうカパへ戻ってみましたとどう でしょうた大変だ海が ね見渡す限りの砂漠でした今まであれほど ざわざわとどよめいていた海が後方もなく 消えてまるで嘘のように砂漠が横たわって いるのでした信じ られいて夢でねみに知らせた方がええだか なでもどうせ嘘だとうだでそんだ明日みを 驚かしてやるべさすはそう決めると砂の上 に降りてみることにしまし たやっぱり砂だ不思議なこともあるもんだ なはれまあなんとまあ綺麗な砂だで や そうだこの砂で鍋磨いたら綺麗になるだど ちょっくら行ってくっ [音楽] かさはこれはいい磨き綱が手に入ったと
大喜びで桶にいっぱい砂を詰めるとぐへ 持ち帰って眠りました はさは朝1番に起き出すと早速カパイへと 飛び出して行きましたと外にはいつもの ように広い広い海が見渡す限り広がって いるばかりでし たはにって 漠 がたはララ笑うばかりで誰人信じようとは しませんそれどころかにはのやつとうとう 頭がおかしくなったと大笑いするのでした おら頭がおかしかねえ どさはとうと怒って部屋の隅に置いた夕べ の砂のところへ行きました あああどうしたどうした砂が金になっとる だんだとき金 じさすおめえどっから持ってきた あこれ何騒いドルだおおやかたあ実はさす 一体どうしただ実は あのさは夕べの出来事を話して聞かせまし た うんこりゃ海の神様の授かり物かもしれね なのみの日はいつもぼんやりじゃぼんやり じゃと言われながらも貸の仕事を一生懸命 やっとった残りもを無駄にせんと海の魚 たちにいつも分けてやっとったこれは サスケの優しい心遣いに海の神様が感謝 なされたとしか思えんののみなのしそれ ならこの授かり物は他の誰のものでもね みんなさけのもんじゃ分かったかうんうん こうしてさは島へ帰ってから大変立派な 長者になりましたでも長者になってからも サスケは物を粗末にせず島の人たちのため に大きな船を買って幸せを分かち与えたと いうことですそんなわけで島の人たちは今 でも海に残り物を捨てる時この貸長者に あかうとおい上がりおい上がりと唱えるの だと言いますおい気をつけろや気い つつけるだ [音楽] ど 昔昔美野の国の山奥に1人の大変気の良い 息子と長い間病気で寝ている父親とが住ん でおりまし たお父ちゃん おはよう今朝は気分どうじゃ [音楽] うよしよしよいしょよいしょよいしょ よいしょよいしょとよしよしよし よしほった香ろう あすぐ朝飯にするからね うんさあできた よ [音楽] ああうめえかおとっちゃんう
うめえ息子は今日も明るく父親を励まして 裏山へ焚を拾いに行きました働けない父親 の代わりに毎日山へ出かけてはこうして滝 を拾いそれをお金に変えて暮らしを立てて いるの [音楽] [拍手] です えああうるさい赤起きるじゃない かたき たきたきはいりませんか たきああ今日もあんまり売れなかったな これぼっちで酒売ってくれるか なこの日息子は酒はの蝶とも言うしおん がしでも早く良くなるようにと酒を買って 帰ろうと思ったのでしたごめん くださいなんじゃ焚き売りか焚きはいらん ぞ違いますおとっちゃんのお酒買いに来た んですはい3 問3問こよく聞てうちじゃこれぽちの銭に で売るような安い酒は置いてねえあ少しで もいいから売って くださいダメだ絶対 てそれじゃおとっちゃんに団子でも買っ てって やろう あの団子1本包んでくださいはいおばあ ちゃんお客さんですよおまど様団子1本お 持ち帰りねはいそう ですじんたちゃんお父ちゃんの具合どうな のうん少し良くなったり悪くなったりだよ そうそれは心配ねはい1本おまけしておき ました よとっちゃんただいま今日は団子買ってき た よでおめえの分は心配しなくてもいいよ ほら1本負けてもらったからうそりゃ よかっ たこうして親子は久しぶりにおいしいお 団子を食べてとても幸せな気持ちになり まし [音楽] たおいおい やっぱり疲れてるんじゃろう なわしが元気じゃったら のそんな秋のある日のことおっちゃん山へ 行ってくるで うんああ今日は2つ3つ向こうの山へ入る よもう近くの山には焚がなくなってしまっ でなでも奥の山は険しくてお前にはとても まだ無理じゃ何大丈夫じゃ よ今日こそたっぷり焚を取っておさんにお 酒を買ってやりたいと息子は元気よく山の 奥へと出かけていきまし [音楽]
た 思ったほど焚は落ちてない なあれなんだ自身かな あれ く助けて くれ助けて [拍手] ていし [拍手] [音楽] よいしょ こうして息子はどんどん山奥へ入って行き まし たとうとこんなところまで来てしも た息子はおっさんのことが心配でしたが今 からではとても家へ帰れないので思い切っ て山の中で寝ることにしまし た おとっちゃんどうしたの寝てなきゃだめ 病気なんだからああばれちゃだめだよ体に 悪いよおとっ [音楽] ちゃんそれから どのくらい時間が経ったでしょう か山の夜は冷え込みが厳しく息子は明け方 になってふと目を覚ましまし [音楽] たうところが霧と一緒にどこからかいい 匂いが漂ってきました あれこの匂い は息子は良い匂いに誘われるように深い霧 の中を歩いていきまし たわあいい 匂い はああ [音楽] はうわ滝 [拍手] [音楽] じゃ [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] あいい匂い じゃやっぱりこの水 がうわあうまい 酒 [拍手] じゃ息子は滝から流れる甘いお酒を一口 飲んでみるましたすると体中がポーっと 熱くなり元気が出てきまし た うわあこの甘い酒はきっとおっさんの病気 に聞くかもしれないぞと息子は考え早速滝
の水を腰の瓢にいっぱい詰めると急いで家 に持って帰りまし [音楽] た踊ったただいまうん遅かったぬうんわけ を後で話すからとにかくこれ飲んでみてよ 山の滝で組んできたんじゃ よどううんここりゃうまい酒じゃ体中が ポカポカして元気が出るよ じゃよかっ たそれからというもの 息子が毎日組んでくる甘いお酒のおかげで 父親の病気は仕事に良くなりしばらくする とすっかり元通りの元気な姿に戻りまし たお父ちゃんお昼にしようよ うそうすっ かよかったねじたちゃんおっちゃんが元気 になってうん 親を助けて一生懸命の高校息子のために山 の神様が恵んでくださったの だろそうかもしれんなそうよじんた [音楽] [拍手] [音楽] ちゃんよかったよかっ た そしてこの滝のことはやがて国中に 渡り親高校な息子が置いた父親を養った滝 ということで養老の滝と名付けられいつ までも語り継がれたということ です かごめ かごめか 中のりはいついつ 出会う 昔昔あるとこに1人の貧しい男がおりまし たとさこの男なぜだか運に見放されたよう な男で何をやってもうまくいきません朝 から晩までせっせと真面目に働いても1つ も暮らしは楽になりませんでし た はいついつ でうの観音様かうんいかバチか1つお願い してみる か男は思い切って観音様に癌をかけること にしました運のない男の最後の運試しだっ たのです観音様オに運はあるだかなもし あるならその運をオに向けてくんろもし やっぱり運がねえようだっ [音楽] たらちょうどここは死に場所にいいとこだ 安らかにししてくろ最後のお願いだどうか 俺に運を授けてくん ろこうして男はお祈りを始めまし た これ男
や起き なさい起きなさいというの に一体あなたはどなたさん で完全の菩薩ありがたい仏様なのですよ はあそんじゃもうあの世からお迎え で へえ参りやしょうこれ寝ぼけている時じゃ ありませんお前にもいよいよ運が向いてき たのですよお前はこのおを出るなりすぐに すっ転ぶますやっぱりついてねえ いいえそれが運のつき始めなのですよその 時手に掴んだものを大切にして西の方角へ 進みなさいよい 夢夢疑うこと なか夢かい なあ夢ではありませんでした観音様の言わ れた通りすぐにコロリンとすっ転ぶと手に は1本のわを掴んでおりました観音様のお 告げじゃ仕方なかだけんど足までくじた あげくに笑1本じゃのせめて小番とか 握り飯 ならこれで西へ向かって黙って歩て べ男はアブを持ってとぼとぼ歩き始めまし [音楽] たわあ泣くわ泣く わが怪して [音楽] やん 坊いよいよ泣き叫びましたとこがその 赤ん坊が突然泣きやんだの ですそうかこれが欲しいかやその時手に つんだものを大切にうんそんじゃ子供が 喜ぶちゅうのは大切なこっちゃこの子に やる べ男はそう思ってわにつけたアを赤ん坊に 渡しまし た ちょっとなんもありませんがせめてこれで も男はみかを受け取るとまた西の方角を 目指して歩き始めまし た男がもらったみかを食べようとした時 でしたお嬢様しっかりお嬢様ああれお嬢様 しっかりお嬢様おじいさん一体どうしたん じゃお嬢様が苦しみ出されましてなあ水を 欲しがりますのじゃそれは困ったのんこの 辺りは川も池もないし え うんじいさんいいものが ある心の優しい男はおしげもなくその娘の ためにみかを差し出しましたおじいさんは 体操を喜んで早速みかんを娘に食べさせて やりまし たみかをすっかり食べ終わると娘は元気に なりましたそして礼に上等な金の物を男に 差し出しましたそれではこれ
で音は一生忘れません2人は心から男に霊 を言うと絹を渡して去って行きまし たほう笑い本がみかになってそのみか3つ が木サタになった男はなんだか心が明るく なってきましたそして前よりも一層足取り 軽く西へ向かって歩き続けました [音楽] おい待てその男うな何何するん じゃどうじゃわしの馬とその荷物を 取り替えんかこれは死馬じゃねえかいいや ちょっと倒れて横になっとるだけじゃ ちょっとそれよせよほら ほらこれはすごいキだぞふふ取り替えた 取り替えたいいか取り替えた ぞままま待って くれあああやっぱりオはついてねえ男は 自分の運のなさにがっかりしましたが元々 気の優しい男ですかわいそうな馬を 見捨てることができませんせっせと解放を 始めまし た男は笑を持つと祈るような気持ちでの体 を続けました休みなくこすり続けました朝 までこすり続けまし た男の祈りが通じたのでしょうか馬は ぱっちり目を開けまし [音楽] たまま生き返ったの [音楽] か男は まるで自分が生き返ったような気持ちに なって馬を釣れるとウキウキと西へ向かっ て歩き始めましたそしてある城下町へと やってまりましたおいうまよやっと飯に ありつけるかもしれねえ どあのすまねえだがらの馬にさくねえだか ああああいいともよあいよああありがてえ 良かったなあそれにしても立派な馬だ こんな色の 馬見たことねえ よそう だなあお前さんあの馬は国中探しても 見当たらぬほどの馬じゃどうじゃ是非わし に譲ってくれん か値段はいくらでもいいどうじゃ500両 500 両 うんじゃ000両じゃどうじゃせりせ せせりどうしたんじゃしっかりせよお おいおいしっかりせよこれ娘水はこの人は そうかこの人だったのか倒れていたお前を 助けてくれたの はお気が疲れました なあはあなたはあの時 のノ1つ馬だけじゃのてお前さん娘の亭主 になってわしの後継になってくれんかのー
娘ふわー運がつきすぎ [音楽] なこうして男は観音様のお告げ通りわ1本 から大した長者になりましたそうなけれど この男は金持ちになってからもわ1本を 大切にせよという観音様の言葉を忘れずに 一生懸命働きましたので金剛近在に知らぬ もののない大長者になり誰呼ぶともなく この男をわし長者というようになりました と [音楽] さ 昔々あるところに浦島太郎という漁師が 住んでおりまし [音楽] た海へ出かけていっては魚を取り年置いた お母さんと暮らしておりましたがその 暮らしは決して豊かなものではありません でしたけれども浦島太郎という若者は そんな毎日を送っていても決して夢見る ことを忘れない心の優しい若者でありまし たいつものことながらお魚になってみたい ななんてながらのんびりコンと釣りを垂れ ているのでし [音楽] た他の漁師たちが大きな魚を抱えて浜に 上がってくるというの に太郎はご覧の通り です浦島太郎は一向に気にかける様子も なく ひょっこりひょっこり家路に着きました しばらく行くとアクタレ坊主どもがワワ 騒いでいるのに出会いました見ると1匹の 小をつっつき回しているのにかわいそうに 思った浦島太郎は小さなものをいじめちゃ いけないと子供たちに言い聞かせました こうして小を海へ離してやりました気を つけてや 心の優しい太郎は小の帰った広い海をいつ までもいつまでも眺めていまし [音楽] [拍手] [音楽] た さてそれから [拍手] まし愛も変わらず浦島太郎は釣れても釣れ なくても火がない1日のんびりこんと 釣り糸を垂れておりまし [音楽] たそして愛も変わらずかもになってみたい ななんて夢を見続けております [音楽] そこに現れたのが太郎が何年か前に助けた 亀でし
た太郎さんその説は本当にありがとうお礼 に海の底の美しい御殿に案内しましょう その御殿は竜宮と言いましてね海の花に 囲まれたとても素晴らしいところですさあ 行き ましょう亀は浦島太郎を背中に乗せると海 の中をどんどんどんどん泳いでいきまし [音楽] た [音楽] そこは太郎が夢に描いた通りのとても 素晴らしい世界でし た太郎は美しい海の世界にすっかり 酔いしれてしまいまし [音楽] た [音楽] 一面の輝くようなサゴの2は太郎は思わず いつもの夢を見ているような気持ちになり まし た 美しいお姫 様太郎はもうすっかり我を忘れてしまい まし たよう こそ浦島太郎 さん亀を助けてくださ ありがとどう かゆっくり遊んでってください [拍手] [音楽] ね [音楽] [音楽] こうして楽しい竜宮での毎日が続いていき ました浦島太郎にとっては本当に夢のよう な毎日でありまし [音楽] た美しい魚の踊り下もるような そう そして美しい音姫との戯れもう全てが夢の ようでありまし [音楽] たしかし その夢のような毎日も長くは続きません でし たいつしか太郎の心は村に残した小さな家 やおかさんのことを懐かしく思うように なっていったの [音楽] です [音楽] 太郎 さんあなた帰りたくなったんです ねいつまでもここにいてほしいのですが
仕方がありませ んこれをお持ち くださいもし方にくれるようなことがあっ たらその時ににはこの玉手箱をお開け [音楽] なさいこうして太郎は亀の背中に乗っかる とおっさんの待つ懐かしい村へと帰ること になりました [音楽] 太郎の心は何日ぶりかで帰る村のことで いっぱいです [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] か亀さん ありがとう帰ったぞ帰った ぞ [音楽] 喜ぶ太郎に誰も答えてくれませ んあの懐かしい家もありませ んもちろんおっ母さんの姿も見えませ んそればかりかあたりの様子はすっかり 変わって知っている人も知っている家も ないのです 太郎はさっきの元気はどこへあらすっかり 途方にくれてしまいまし た途方にくれるようなことがあったらこの 玉手箱を開け なさいそうだ玉手箱だこれを開ければ何か 分かるかもしれ ない そう思うと太郎は恐る恐る玉手箱を開け ましたあら不思議玉箱から真っ白い煙が 黙々そして立ちまちのうちに若者の浦島 太郎は白い髭のおじいさんになってしまい まし たそうです太郎が竜宮で楽しい毎日を送っ ている間に地上では何百年もっていたの ですはその美しい世界が夢なのか今立って いるこの世界が夢なの かよく分からなくなってしまいまし [拍手] [音楽] [音楽] た [拍手] [音楽] 昔昔あるとろに百勝の兄弟が住んでおり ましたと さ兄の方は欲張りで大きな家に住んでい ました弟の方は正直もでしたが貧乏でした
ので小さい家に住んでいまし たある年のくれ弟は兄の家に出かけまし [音楽] たん [音楽] なんか言おうかつまが の米と味噌を少し貸してくれんか のうるせえうちにはお前にやる米も味噌も 何もない [音楽] わいやっぱりダメ かほとほと困りはてた弟が当てもなく歩い ております これこれ若いの何を考えて歩いておるん じゃ弟の百生が聞かれるままにこの次第を 話しますとこの老人は不思議なことを教え てくれましたこの先にの国があるそこ へ行って動く石を持ってくればよいええか 石でできた動くものじゃぞ えほれここに麦まじがあるこれを持って いけ麦まじな持っていてどうしますの [笑い] じゃあ弟の百勝はなんだかからかわれて いるような気にもなりましたが言われる ままにが住んでいるという社のほら穴 を探してみることにしまし た [音楽] [音楽] [音楽] 何しとるん じゃおおすますまて悪かった何もせん みんな出てきて くれでも何をやってたん じゃ何をって冬の支の焚を集めていたんだ よなんだそうだったのかじゃあ俺が手伝っ てやるよ正直者の百勝は気軽に穴を剥い でるとのために焚きを集めてやること にしまし た たかいしょ とすごいお前さんはすごい力持ちじゃ の何それほどでもないが のはあれ は麦まじだわしらの大好物の麦まじ だこれお前さんのもんか なそう じゃ それを柱にくれんかないやいやくれと言わ れても困るのわだっって そのっ かじゃああそこにある宝物と交換してくれ 好きなものを持っていって良いから よ [拍手]
うんそうじゃああの老人動く石と言ってた ないややじゃ何となら交換してくれるんだ いそうだな石で作ったもんで動けば [音楽] いい [音楽] あんなもんでいいのかいなんだひ か弟は仕方なくそれをもらって帰りまし たじい様行ってきましたがじい様金や銀 よりこんなもんの方が落ちがあるというの かよ よいかこのイウはな望みのものを何でも 出してくれるイウなんじゃよそれを右に 回して欲しいものの名を言えば何でも出て くる左に回せば止まるよいな欲しいものが 何でも出てくるその通り じゃ弟のはまだからかわれているような気 がしましたん汚いイウから好きなものが出 てくるなんて信じられませんそれでも言わ れた 通り思い切って石に手をかける と右に回してみまし た米 でろ米 でろ 出 たわあうわあ うわあ わ うわ左に回せば止まるんだ なこれは すごいうまや てろ今度は敷 [音楽] こうして立町長者になった弟の勝はそれで も貧乏だった時のことを忘れず村の人たち や困っている人たちに石で出したおまじを おしげもなく分けてやりました分けて しまうとまた石で出しに行きましたところ がそれを見ていたのがあの欲張りの兄だっ たのですそしてでとうとうこの石の秘密を 盗み見てしまいました万病でろ万病でろ おいお前そんなもんどっから持ってきたん じゃ俺に使わせてくれいやこれだけはダメ じゃ兄さんが何という音を貸すわけには いかんおのくに兄のことを聞けんのか うんいやだめだめだめだ村のもんのために 使うんじゃそう決めた 今に見 てろ困った兄 じさてその 夜兄の百の家から黒い人影が出てくると弟 の家に忍び入りまし たこれさえあれば後はこっちのもん だついでにまじもらっ
てこ兄の百姓は石内を盗むと誰も知らない 豆腐の国へ行って大金持ちになってやろう とばかり自分の家には帰らずにどんどん どんどん逃げ出して行きまし たどこか 得 大金持ち [拍手] [笑い] じゃ海を超えて向こうの国で大金持ちじゃ やるもん かやるもんかやるもんか ああやるもん かやるもんかあんまりたくさんの甘いまじ を食べたので欲張りの兄は塩が舐めたく なりました可愛いシスよ塩をだてしよなせ 出た出たわうおおあこりゃもうもういい もう いい出すことは知っていましたが止める ことは知らなかったのです止まれ 止まれ止まれ止まれというの に助けて [音楽] くれ船はとうとう潮の重みで兄の百勝もろ とも海に沈んでしまいました こうして沈んだ石は今でも海の底で塩を 出しながら回り続けているそうですその おかげで海の水は塩辛くなったんですて [音楽] さ 昔秋田県の山奥和野の涼にサダという1人 の漁師が住んでいましたサダはこの地方で は手の鉄砲の名人で将軍様から特別なを いいておりましたこの問さえあればたえ よその領地でも自由に量をすることが許さ れたの ですサには白という雪のように真っ白な1 匹の病犬がいまし た白は牛ほどもある秋田犬でしたがサダが 小犬の頃から育てあげたせかまるで子供の ようにサロになついておりました 白はとても優秀な両でした目も鼻もよく 聞いて一時先の獲物すら嗅ぎ分けることが できましたサダがこれほどまでに名のある 漁師になれたのは白のおかげでもあったの です ある雪の激しく降る日のことでし [音楽] た [音楽] 昼近くになって雪は少々小ぶりになりまし たがどういうわけかこの日はさっぱり獲物 が見つかりませ ん一体どういうわけじゃほんの小物も 見つから
ねえはは はこんなとこまで来ちまっただかもう1山 こせば3のヘルじゃ火も傾いてきたししろ そろそろ帰っ か [音楽] ん は青いので [音楽] ややっ [音楽] た逃すな逃してねえ [音楽] ぞサダも これほど立派な青いのを見たのは初めて でした時の立つのも忘れ無が夢中で青いの を追っているうちに隣の国三まで来て しまいまし [音楽] た3の平か偉い遠くまで来たもん じゃ 普通分たちの病気以外で狩することは許さ れていませんでし [音楽] た 漁師の定めだで [音楽] [拍手] 許せその 夜山はまたまた大雪では穴の中で弱しする ことにしまし たはに惨めな思いがしました先ほど打った 親子の青いのことが忘れられ ない傷ついた母の死士に身を寄せ合うよう にしてうまっていた2匹の 子供何やら胸の中をシーンとした風が 吹き抜けていくような思いでし [音楽] た次の日サロは親子の青いのシをソリに 乗せ朝早くほら穴を出ました家戻るには いくつもの峠を越さなければならないの です深いブの森に差しかかった時のこと です はお主どこのものじゃら隣病のサロという ものだが 隣量の門が三の量で量をするとはどういう わけじゃよその領地で資料することは禁じ られとるお主も知っ とろわしは将軍様から天下5面の証文を 受けた狩だ証文さえあればどこの量で資料 しようと自由な はず ほれこの巻き物じゃないしまった消を忘れ てきただ こいついい加減なことを抜かしおってきっ
とらえろ待ってくれ本当に家に忘れてきた だサダは大事な正文を家へ忘れてきたの ですでもいくら言っても聞き入れられず3 の化の大所へと連れられて行きました大館 様本当です だわしは風の量のさという師です将軍様 から天下ごめの問をいいておりますのだ家 へ帰れは必ずあるだべ妙に処刑を取りおう え [音楽] そんな 白お前が人間じゃったら のそう だ 白お前ならわかるか正門じゃよそらいつも 神棚の死体を置いといた やろ頼んだぞ 城白は走りに走りまし たいくつもの峠を超えまるで鉄砲玉のよう に 駆け抜けの家へいはもう夜明け方近くでし たお願いですというが戻ってきますまで もう少しだけ待って くだせ ろ しろきれ しろその時どこからともなくサロの耳に変 の声が響い た傷ついた青いのと痛手な日の子供をあ神 様許してくだ せえ 白はサロの虫を引きずっていくつもの山を 越え3の涼から自分の領地へ足を踏み入れ た遠の上でとうとう力尽きたそう ですそして3の両へ向かって悲しい遠を1 つ残したかと思うと白はそのまま 石になりまし [音楽] [拍手] [音楽] たでもこ峠を犬峠と呼ぶそう [音楽] です 昔のこと じゃ栃木県の今一に小川という谷側がある がその川沿いの日本杉という村に五郎と いう石屋が住んでおっ [音楽] たHaHaHa [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] [拍手]
Ha [音楽] かどできただか や早速火もしてみるべ なよく 燃えるお前のかは間違いない ほれよちんは冷えで払わしてもらう だ五郎は注文があると1本すぎの山で石を 切ってかを掘り穴沢皮下沢といった遠くの 村まで届けに行くのじゃっ た歳を遠に過ぎてもまだ花を垂らしとる ような男たしうちに畑はなしで五郎のとこ に来る嫁はなかった女は寂しいとも言わず 酒も飲まずで五郎は暮らしておっ [拍手] [音楽] [拍手] た高校何年かの順調な天候のおかげで 川沿いの畑はまずまずの出来が続き小の 村村で暮らしに困るということは聞か なかっ [音楽] [拍手] たありゃみんなオの作ったかど [音楽] だ犯人前の五郎じゃったがそれだけに人の 役に立つことが何とも誇らし思えるの じゃっ [音楽] たそんな五郎がいつの頃からか何やら 大きなものを丹念に作っておっ たあ旦那こんなたけえとこじゃ冷えて しょうがめと思ってよ来てみただ えなんだそりゃかどじゃねえようだがいや あのちょっとそのそのだからなんじゃと 聞いとるに [音楽] よ雪が消える頃にはそれは大きな石筆の形 になっておった [音楽] 嫁さん [音楽] だ旦那の家の1人娘のおが川島の穴沢に 嫁いでいくのじゃっ [音楽] た五郎のかどの受けはよく今では穴沢原宿 高畑の方からも注文が来るのだったそして それまで手間は冷泡などの穀物で支払われ ておったのが近頃では銭にになってい [音楽] た秋麓の豊かなむむで米が取出すとそれを 栗山の方へ運ぶが時たま一本を通るように なる五郎はそういう度から米を2号3号と 子するようになっ た10年経った五郎は相変わらず石を
切り出してはかを作っていた何1つ変わり はなかっ た [拍手] 雪がくねえ なあ冬雪が少ないというのが悪い全長 じゃっ [音楽] た春の雪解け水は 少なく火の村では川の水が川底に吸われて 姿を消していた夏になっても雨は降らず 山々は枯れ始めた 一本石でも川底は冷え上がって畑に巻く水 もなくなっていたもう手遅れちゃっ た麦は焼けで1粒も取れなかっ [音楽] た山の実は実ら ず食えそうなものはあっという間に 取りつくれてしも た 旦那は蓄えてあった火へ泡を残らず村人に 分け与え [音楽] [拍手] た終わり かこうして何十年に一度の大金は一体を 襲った小川沿いの処処からはの噂が流れて き [音楽] たおお おら何のよう だ実実はその食いもんなんかねえ ぞそんなんじゃねえですじゃなんだいや あの その一体何のようだはっきり言うてみねえ かええ らんとこへ来てくん [笑い] ろ おこ米じゃねえかあきんどからちずつ買っ て貯めてきた だ年かかった だ ゴロスドによべに太郎やんにそれにおめえ と1本すぎの人数これだけか よしこれならいも取れるまでなんとか食い つげるぞ1本過ぎの人々は全く思いもかけ ぬことで命拾いすることになった腹 いっぱいとはとても無理だが薄いかにすれ ば五郎の米でギリギリ芋取れる時期まで 生きていけるそういう散弾がつい た10年 か何しに帰ってきたおせえでねえか下の沢 じゃみんな死んだだ俺たち木根かじって なんとかここ
までここも同じことだぞただこの五郎の おかげで今の人数ならなんとか生き延び られる散弾が立ったばかり じゃい [音楽] スドの 分子供の分赤んぼの 分1人多いな [拍手] よしそりの姿は見えなくなっ た村を救った五郎の石は誰言うとなく五郎 びと呼ばれその後長く大切にされたまたひ の時に石切りの後の穴に石を投げ込むと 必ず雨が降ると言われるようになっ [音楽] た [音楽] 昔徳島県の脇町伊知の墓場ではたぬきたち が巣を作ってそりゃ悪いことをやっておっ たそう なそれでどうしたらいいかみんなで平八の うちに集まって相談した が 誰もわしが墓場へ行っちゃろうというもの はおらんかったまあ昼間でも君の悪い墓場 へ夜出かけてやろうというものはおら んかっ たみんなどうしたんじゃご先ず様の墓が 荒らされとるんじゃ ぞ平八のおっかだけがイライラしておっ たおかがく日頃から腕っぷしの強いことで 知られる兵はが名乗り出た 兵たぬきに騙されんように気つけて な平八は腰にナを1本ぶち込んで出かけて いった ダブダブ墓場につくと兵は大きな木の上に 登って様子を見てい [音楽] たそろそろ現れる頃じゃん [音楽] がほんや大変 じゃあ大変じゃ 大変 じゃ大変 じゃ おい発 たどこにおるん やお前さんのお母さんが病気になって しまった ぞここじゃおや さんそれは隣のおやさんじゃ じゃが兵は待てよもしかしたらたぬきかも しれんと思い直し たおかさんの病気は重いんじゃ ぞ診断ならともかく病気ぐらいじゃ降りて
いう けんなんちゅうこと を きたぬきめあの元気なおかが病気になって たまるか い大変じゃ大変じゃ大じゃ大変 じゃ大変じゃ 今度は弟の声も混じってい た驚いたらいかんぞいおかがのなくなった ん じゃおおそうかいい大したもんじゃ のそんなことで降りられるか い弟とおさんは必死になって兵にうちに 帰ってくるよう話し続けたが兵は一日な木 から降りてこようとはしなかっ たこのくそたら兄 じめ信じ [音楽] まえこの親ふめ が [音楽] ほお今度はオーデでやってきった ぞ 人々は葬式が終わると墓場の方へとやって き [音楽] た [音楽] [音楽] ラブラブ おさん成仏してくだされ や [音楽] ラブラブ よしみ のごさんじゃ [音楽] の人々は兵を一切無視し たそしてを埋め終わるとやかにて た変じゃ なあ まさか平はこの時 初めておさんは急なに死んだんじゃないか と思っ た [音楽] お平八が木から降りようと思った 時待て よ やも 不もゆ許してくれおっ母 さん ハ許してくれ許して くれ おんどれ親不幸も取りこしてやる
わ降りてこい へたぬきとと現れおったな [音楽] ややっ たところが たぬきのはずのおっ母はいつまで立っても 尻尾も出さず顔色1つ変えずただ伸びた ままじゃっ た平八は今度こそ本当におっかをやって しまったと思っ [音楽] た背たおかさんおっ かさん [音楽] いやあの気じゃと思ったんじゃ よ お母さんあああおっ母 さんおっ母 さん [音楽] ところが催苗字の金が鳴って世が開けて みる と兵大丈夫か おっこさんおっさん平おっか じゃん幽霊はやっぱりたぬきじゃったそれ はもう見たこともないような真っ白い毛を した古だぬきじゃっ たでかしたぞ [音楽] 兵 こかすげえたぬき じゃこりゃ百年も生きとるやもしれん ぞ騙し方も大したもんじゃっ たすいませませ んこうして脇町のたぬきたちは親分がやら れてしもうたのでその後大人しいなったと いうことじゃっ [音楽] た昔大阪を何と呼んだ頃の話だ何と言えば 内の町と言われるほど全国から度がが 集まって栄えておったその名の町の北に安 やんという若いどがおっ た安やんはなんでもやという看板をかけた 小さな店を持っておったややは看板通り まな板包丁わらじから干魚大根醤油と何で も空しておっ た安には夢があった若いうに売のを しっかり身につけていずれ何は商人として 名なそうとそう思っておっ たある日朝起きると3里ばかり北の里山に やってきた毎年春になると里山にはわび 前前が可愛い頭を 並べる産所っって帰って町で打ったろえに なるやんは早速式を広げると全を取り始め た春の日は柔らかい安やんがせっせと
わらび前前を取っているうちにいつの間に か頭の上にと登っておっ たえ気持ちやおかげさんで上さ取れました わ や前前の間になんやしら妙なもんが落ち とる えろ軽いんやななんやろよく見るとそれは 大きな長い花だったこんな長い花はせや これ天狗さんの花や天狗の花やが なこんなとこに花を落として天狗さん困っ とちゃちゃうやろうか辺りを見回しても 里山は静まり返っておって天狗の姿など どこにも見えなんだそれにしても立派な花 やなちょっとつけてみ たら ふ安やんが天狗の花をつつけるとプとなん とも言えないいい匂いが鼻の先に匂ってき たこれはたまらんええ匂いやなやっぱり 天狗さんの花はワテとちゃう匂いがかける んやろかええ匂い や そのうち安やんは匂いに惹かれるように 歩き出し た匂いは須山のずっと奥の方から流れてき ておっ たを追って山の奥にぐんぐん進んでいく と [音楽] おや [音楽] わあ森を抜ける と目の前がパッと開け てす限り色とりの花で埋められている広い 原っぱに出 [音楽] たそこには身のとろけるような香りが あたり一面に漂っておっ た [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] Y 安やんは花畑の中でしばらくの間うっとり としておっ [音楽] [拍手] [音楽] た [音楽] [拍手] 何ともえ匂いのする珍しい花やこんな花見 たことも聞いたことも
ない土産話に1本だけ漏れて 帰ろ安やんは花畑から1本花を取るとび前 のにしてそそれ山を降りてき たところで安山の住む北の町にひも長者と 呼ばれる大金持ちの油商人がおっ た長者には1人娘があったが13の年に 突然原因の分からない病にかかってネタ きりになってしまったあちこちと偉い医者 を頼んでは見てもろうたがどうにもなら なかった 今では口を聞くこともなくただ眠って ばかりいる日々を送っておった長者夫婦は 娘が不便でたまらずなんとか元通りの元気 な娘に戻ってくれるようにと祈りながら 暮らしておっ [音楽] た安やんは山からの帰り道長者の屋敷の裏 を歩いて店に戻る途中だっ た [音楽] [音楽] お匂い やわななんとも物ゆうたあんたは娘が娘が 口を聞きましたえこれ誰か急いでこの匂い の元を確かめ なさい長者は安やんを娘の寝ている部屋に 真似いたどうぞもう一度その珍しい花の 匂いを娘に書かせて 送れ [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] [音楽] [拍手] やすええ 匂いなんや体がすずっとカなっていくよう やわおお顔色までようなってきよったなん や不思議な気分 やどんな具合 だす体がすーっとなっても寝てられへん ええ気分 ですなんとしたことじゃ娘が起き上がっ た長者夫婦は夢のような出来事に泣いて 喜んだよかったよかったややんあんたはん は娘の恩人じゃわしはどないな霊でもする そやその花をわしに譲っておくれやす あんたの欲しいだけなんぼでも銭にはつむ さい根を言うとくれやすダハわてはこの花 を売るつもりはおへんこの花は商売もとっ ちゃいます山からもらってきた花が娘さん の病気を直した不思議なことやおめでたい ことや この花は娘さんに差し上げますさいどうぞ 大事に庭に植えておれやすわは銭儲けは売
もでさせてもらいます長者は安やんの切符 に打たれてあんたは立派などや娘の恩人と してこれからも恋にしとくれやすと安やん の手を取って喜んだその晩安やんは すっかりご馳走になって長者の家を出た空 は満点の星で輝いておったと気がつくと 天狗の花がなくなっておった安やんは橋 まで来ると空を見上げながら今日怒った 不思議な出来事を思い返した ははそうかみんな天狗さんの仕やったんか ふうよが住んだんで鼻を取り返しに来はっ たんやな天狗さんわてもをお役に立てて 嬉しよ ませは空を見ながらよっしゃ明日もきって 商売する境頼んませと背中の包みをポンと 叩いたすると遠くで天狗さんが答えたよう に星がヒとなったということ [音楽] [音楽] だ [音楽] [拍手] 昔日の山奥での話じゃっ [音楽] た日の冬は 長い秋には早くから雪しが降り春は4月を 過ぎねば血の肌を見せ ないそんな冬も間近い秋の終わりのこと じゃ [音楽] せっかくここまで逃げ伸びたが足もうダメ [音楽] じ [音楽] [音楽] どうしたんじゃ おいわしもうダメ じゃわしにかねで行って くれだどもわしも死ぬんじゃ見てみわしの 前には大きな白い壁が立ちはかっとるもう 逃げられねえ逃げられないあ何人も人を 殺した大罪忍者江戸から上州真州と 逃げ回ってきたがもう逃げられねわしの ようなものに関わっとるとお前も捕まって しまうぞおっがもうすぐそこまで来とる はず [音楽] おっと いたぞいたぞこんなところに転がって やがるもう息も絶えないやこのままほっ といても死んでしまうぞよし [音楽] 上げろしっかりしろ水 [音楽] だ
松子の水とは [音楽] ありがたい金門は男の死体を土に埋め年頃 にとってやっ [音楽] たこの年は夏からの金のため勝一期がつぎ その死亡者たちと家族たちはどこまでも 追いかけられ殺されていっ た冬も終わり春が過ぎ夏も間近な虫暑い アルバのこと金門はあの事件のことなど すっかり忘れかけておった [拍手] があれ誰 じゃろ [拍手] 誰ぞござったか隣村へ行くかオランチへ 来る以外裏の橋を渡るもんはおらんはず じゃ か誰れじ 誰じゃ中でもできて峠を越していかれるの か人玉 じゃ姿も見えんのに峠を越していく がる えやがて荷車の音も人の通る音も夜の闇に 消えていっ たところがその次の日もまた同じ時刻に なると荷車の音や人の通る音が聞こえる [音楽] そのよからは寝込んでしまったしかし 変わらずになるとだけが橋を渡り峠の方へ と向かって いく いやあボがボ がボボ ボう うわ ボボ [音楽] ボ ちくし おっとちくし姿を隠さねえで出てき やがれきえもん さ誰じゃわしじゃ よどこにいる あお前お前さん はそうじゃと思うお前さんに松子の水を 飲ませてもろうた大罪人じゃよあの時は 嬉しかったそれならなぜこんな悪さをえも さうの中を見て なさいうちの中 を棒とカカが泣いてるだけじゃ なもっとよく見てみ なされあんたには見えるはず じゃ あきえも後ろ見てみ
[拍手] なされ [音楽] うわとうものをなくのれにして地獄へ落ち ていく猛者たちじゃ よ うわあみんな出きてくれ人の家入ってくれ やに手をんで くれ金えもさんちょっと外に出てきなさら んか金えも さん切て くれ侍とくるぞくるぞまあそう言わずに 金門さん聞いて くれこの道は隣村を通って越中立山まで 続いて いるそれがどうした越中立山には 恐ろしい地獄があるあの猛者たちはみんな そこへ落ちていくんじゃよ実はわしも今 からそこへ行くんじゃがその猛者がなぜ わしの家で 暴れるこの虫あさじゃものもじゃとて水も かぶりたくなるしこうなくした女の猛者 でかいさのありお前さんのきえるものも おるじゃろ金門さん橋の多元に立って自分 のうを見てみ なせえここからかそう じゃ まわしの家 をわのの 道が通って おるさらばジャキエモ [音楽] さなるべく早く他へ移り なせここは猛者の通る道じゃから よ者の猛者の通る 道その夏一気で死んだ多くの盲者の群れが 立山へと向かっ た金門はその後家を橋から離れたところへ 移し たそうして猛者の霊を慰めるため橋の多元 に京塚を作り冥福を祈った [音楽] 昔と言っても今からどのくらい昔だろう か秋田県小の海にある日ものすごい津波が やってき た一旦沖へ引いた塩をみるみるうちに 膨れ上がる天をつくような壁となってそり だっ た一瞬後には凄まじい海鳴りを響かず小が の海辺に襲いかかっ た [音楽] 塩が引いてみると不思議なことが起こって おった人も家も根こそぎさった津波は金崎 と館山崎の入り江にポツンと1つの小さな
山を残しておった 人々はやがてのの国尼崎にあった小さな山 が津波でさらわれたという噂を聞い たそれでこの山がのからはば流されてきた 山に違いないと野山と名付け た野山が流されてきてから さらに長い年付きが立っ たこの山はいつしか小にしっかりと根を 下ろしやがて人々が住みつくようになっ たある年この入り江に1人の若者が 降り立った若者は遠い国から業種をしよう としてやってきたのだっ た で貧しさに耐えてよく働く人々の姿に若者 は心を打たれ [音楽] たその中でも1人とりわけ美しい娘がおっ た娘は浜に出てや海を 拾いを操って沖にりに出かけ た若者はその姿に強く心を惹かれたまた娘 も若者にだんだん心を惹かれるようになっ ていっ た娘はよく若者に遠い若者の国のことを 話してくれるよう頼ん だわの国で [音楽] はになるの真っ赤なつきの花が満になるの じゃよそうじゃいつかきっとお前にもあの 花を見せて [音楽] やろう若者はつの身からは油が取れること その油をつけて国の娘たちはみ黒黒と 美しい髪をしていることを話し た この話を聞いて娘は自分の髪を悲しげに まさっ たその神は十分に黒く美しかったが娘は もっともっと美しくなりたいと思ったの だっ [音楽] た 北国の冬は早く若者はもう国へ帰らねば ならぬ日がやってきた若者は来年来る時は きっと娘を妻として迎えに来ると誓っ た来年来る時はつの実を持ってきて ください私もあなた様の国の人のように 美しい神になり たい あつのじゃなきっと持ってきて やろう若者はそう誓って船でしていっ [音楽] たやがって冬がやってき た娘は胸に赤いつの花を思い浮かべ ながら長いの冬を過ごし [音楽]
[音楽] [音楽] たそうして遅い北国の春がやってき た若者の姿は見えなかっ た娘は潮風に吹かれながら来る日も来る日 も若者の来るのを待ちわびたがその春 とうと若者はやってこなかっ [音楽] [音楽] た そうして夏が過ぎ秋が 過ぎまた暗く長い冬がやってき [音楽] た娘の胸の中でつの花はある時は真っ赤に 燃えある時はせ た娘は若者の国のつややかな黒髪の女たち のことを思わずにはいられなかっ [音楽] たその年も若者はやってこなかっ た海で若者をちびる娘の姿はハもなくやり 果ててい た3年目のある日の こと娘 は若者の名を呼び続けながら切り立った 段階から暗い荒海へ身を投げて死ん [拍手] [音楽] だその日も山では静かに雪が降り やがて冬が終わり春がやってきた若者の船 が入りに入っ たそこで若者は娘の死を知っ [拍手] た 若者は身世もなく嘆き悲しん [音楽] だそうして娘と約束していたつの実を野山 のいきから娘の名を呼びながら撒き散らし [音楽] たなんとその実は今も野山に寝付いている と いうそうして春になると真っ赤な花は北の 海に向かって咲きそろうと [拍手] [音楽] いう [音楽] [音楽] 寒い北国での激しい恋の物語じゃっ た [音楽] 昔昔 滅多に人など通らぬ丹波の山奥 に今日は珍しく男のいびきが聞こえてきた のじゃっ た
[音楽] いけねえすっかり寝込んでしもう [音楽] た そのうち男はすっかり道に迷うてしもう た おお明りだ 明かり男は天の助けとばかりすみや小屋へ とやってき た こんばんはこんばんは こんばんはあの道に迷うてしも てばあさん聞いたかやあい なすき小屋のじいさんとばあさんは大喜び じゃったというのもお客などとんと来た ことがなかったからそれで泡など炊いてご 馳走し た どうぞどう [笑い] もとこでどちらから したたった1人の妹が今度嫁入りすること になりましてそれはそれ はそれで宮子から国へ帰る途中道に迷って しまいましたおおみかのじいさんみの話 なぞ聞きたいもんじゃの本にな そこで男はみの賑やかな街の様子などじい さんばあさんに話してやっ [拍手] [音楽] たさんとばさんは大喜びで世のけるのもれ てその話を聞いていたのじゃっ たさて次の日の [音楽] 朝 ああさっぱりし た あで紅ホでないか懐かしい [拍手] な男はあまりの懐かしさのあまりついきを 手に取りを向いて中から赤を ねもでろやたねもでろやぼだねもでろ やいねもでろやたもでろやぼだねも でろ やい男は子供の頃よくこの歌を歌って法月 のシンを抜き出したのじゃっ た抜け [拍手] たそして宝月を下の上に乗っけてほーと 膨らませ軽くキュっと噛む とほれなっ [拍手] たなったなっ たもっと鳴らせもっと 鳴らせ兄ちゃんは何でもできるだ
な兄ちゃんよ うん えもでろやたもでろ やぼだねもでろ やいねもでろや種も出ろ やぼだねもでろ やい うわーおらできねそんなに泣くもんでね 兄ちゃんが代わりにやってやっ からねもでろやたねもでろやねえもうほれ 抜け たおらならねそんなえそんなになくな 兄ちゃんが代わりに鳴らしてやっからほれ [音楽] 見とれ兄ちゃんは何でもできるだ なもっとならせもっと ならせもっと ならせもっとならせもっと ならせあいつ も嫁に行くた かそう男は昔のことを懐かしみながら法月 を噛んでおったする [拍手] となんてことをする [拍手] だあんたという人はお様の赤ん坊の首を ちょん切ってしまうだかね赤ん坊ってのて ああどう しようわしらにもきっとバチのおっ分けが くる [拍手] そいじいさんとばあさんはすっかり 考え込んでしまったそうしてこんな話をし たお石様は毎日東の空から 登る そうしてお昼を過ぎて夕方には西の山へ 沈んで 行くじゃ が夜には血の底に潜って宝月の中に1つ1 つ入るんじゃ よだから法月の実はあんなに赤い しは様の赤ん坊というわけじゃ よそれをお前様はお様の赤ん坊の首を ちょん切ってしもう たこの話を聞いて男もすっかり不安になっ てき た お や来 たあやっぱりバチが当たったんじゃよ こりゃすごい大りじゃこの分じゃ当分里へ は降りていかりゃせい よこは分降り続く じゃろ さあわしらもこの雨ではすきもできやせ
まあわしらはこうして横になって聞いとる けお客さんは旅の話でもして くだせ こうして男は旅の話をしたそう や丹波は紅ホ月のサチ
まんが日本昔ばなし2023 Vol 3561

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